無料ブログはココログ

本の紹介

« 老後と勝ち組 | トップページ | 明日が締め切り »

2009/01/18

「失業者を農業へ」を望む人々

1月9日の本ブログに、「不況になったら農林業へ」と題して記した。

ようするに派遣切りなどで世の中にあふれ始めた失業者を、もっとも人手不足な農業や林業の現場へ送り込め、という意見が増えてきた、という内容である。
その後も、こうした声は強まり、最近は「農業で募集しても人は集まらない。これは失業しているのに仕事をえり好みしているからだ」と批判する意見まで出てきた。さらにエスカレートして、派遣で切られた人の自業自得論まで飛び出している。

実は、私も「新規就農」に関する取材を申し込まれた。私に取材して記事を書け、というのかと思ったら、私を取材してコメントを取ろうというわけ。ま、私に意見を聞かれても辛口にしかならないのだが、ここで素人が農業を始めることの厳しさを論じても仕方がない。

むしろ、なぜ「失業者を農業へ」という発想が生れるのかに注目したい。

どうも、多くの記事の構成は、「都会には仕事がない」「製造業は人員が余っている」だから大量に首を切られてさまよう人が出るのだが、一方で「農林業は慢性的人手不足」で、しかも中国製食品などへの不安から「国産食材の需要が増している」「でも、国産食材は足りずに困っている」「作れば求める人は多くいるはず」「そうすれは食糧自給率も上がる」と考えているようだ。

言い換えると、欲しい国産食品を、失業者に作らせようという発想なのだ。

自分が作ろう、とは思わないんだな。作れば売れると思うのなら、これは起業のチャンスと転職を考えてもよいはずだが、自分は農業するの無理だ(やりたくない)から、失業者にやらせれば? と思い付いたのではないか。

そして、失業者がそれに興味を示さないと、「贅沢だ」「仕事ないのにえり好みしやがって」と罵っている図式に見える。

失業者にだって、職業選択の自由はあるし、得手不得手もある。だいたい、農業は雇用ではなく自営業だし、仕方なしに農業に参入させても、絶対に成功しないだろう。
また国が至れり尽くせりの補助をして農業を教え込み雇用の場を作っても、絶対赤字になるから、その分財政負担が増えるだけ。そして補助金を打ち切った途端に農業参入者は食えなくなり、今度は農村でホームレスになるかもしれない。これを世間は、派遣切りではなく、農民切りとでも呼ぶのだろうか。そして派遣村ならぬ、農民村を立ち上げる。……って、最初から農村やん、と突っ込めるか。

もし、自分が失業したら、農業をやるか? この根本的な問いにイエスと言わない人が、「失業者を農業へ」などと口走るべきではない。

« 老後と勝ち組 | トップページ | 明日が締め切り »

森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

10日の「森林の仕事ガイダンス09」in大阪でお話させていただきました神戸のキコリです。

知り合いに農家や有機農業の先生がいるので一言

農業は、まず土作りからですからねえ。
耕作放棄地でしたらまず草刈から初めて、
堆肥を入れながら2年ほどはまともな量が収穫でいないと考えるべきだし、
戦後にあった農地解放のように小作人に農地を取られることを心配する年代の人もいます。

机上で耕作放棄と後継者不足これで新規就農を促進させようと言うのは継続して作り続けている農家しか見ていない証拠ですね。

それと一番の問題は、田舎暮らしが出来るかですよね。地元に受け入れてもらえなければ、よそ者は出て行くしか選択肢がなくなりますよね。

地元としがらみの無くなった不在村地主に、相場の数倍払って買い上げ農業法人でも作って就業させるつもりなんでしょうかねえ。

あの後ナンパしてたんならもう少し残っておくべきだったかな

派遣切りされた人を介護の現場へ、なんて発言もありますね。人手の足りないところは、給料も低くて仕事が厳しいから足りないので、、発想が自分勝手ですよねー。

 昨日の朝、アメリカから経済制裁された、キューバの番組やってましたが、食料自給率100パーセントに近いですね。
 頑張っている国ってあるんですね。
ノキアで有名なフィンランドも皆さん頑張ってますね~

ナンパはしていませんが、森林組合への就職も、いわば請負業契約じゃねーか、と思ってしまった森林の仕事ガイダンスでした。

福祉の現場も過酷ですね。私の受けた取材でも、福祉を農業と並べてコメントしておきました。農業は(そして福祉も)ボランティアではないのです。

キューバも、サトウキビ栽培モノカルチャーが、ソ連崩壊で行き詰まり、かといってアメリカに屈伏したくない中で、自給農業が広まりました。期せずしてそれは有機栽培だったわけですが、艱難辛苦を乗り越えた国家改造です。(と言っても、国家戦略ではなく、国民が自ら築いたのでしょうが。)
今の日本に、同じことをやり抜く覚悟があるのか、と問われると、とても自信はない……。

私は、地方の米どころに住んでいますが農家の方々は、農業では食べれないし嫁さんも来ないから出稼ぎにいくわけですよね。
失業者が出たから、農業へとは本当に安易な話だと思います。その前に減反、集落営農や最近の肥料農薬の大幅な値上がりのことなど国がもちっとしっかり考えないと農業で食べていけないです。
家庭菜園じゃないんだから、と思います。

私は、地方の米どころに住んでいますが農家の方々は、農業では食べれないし嫁さんも来ないから出稼ぎにいくわけですよね。
失業者が出たから、農業へとは本当に安易な話だと思います。その前に減反、集落営農や最近の肥料農薬の大幅な値上がりのことなど国がもちっとしっかり考えないと農業で食べていけないです。
家庭菜園じゃないんだから、と思います。

私は、地方の米どころに住んでいますが農家の方々は、農業では食べれないし嫁さんも来ないから出稼ぎにいくわけですよね。
失業者が出たから、農業へとは本当に安易な話だと思います。その前に減反、集落営農や最近の肥料農薬の大幅な値上がりのことなど国がもちっとしっかり考えないと農業で食べていけないです。
家庭菜園じゃないんだから、と思います。

政治家公務員や富裕層が社会的保証が何も確立されていない弱者に農業でもやればって……


適当なこと言わないでほしい


支援事業と名を打ってくばわれた国の予算はハイエナ業者に吸い取られて肝心の雇用は致しませんってふざけすぎだろう

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/43781865

この記事へのトラックバック一覧です: 「失業者を農業へ」を望む人々:

« 老後と勝ち組 | トップページ | 明日が締め切り »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

森と林業と田舎