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森と林業と田舎の本

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2009/01/07

日本の里100選

朝日新聞に、「にほんの里100選」が発表になっていた。

これは、財団法人森林文化協会が行ったものだが、この協会自体が朝日新聞社の出資による財団だし、この事業も朝日新聞創刊130周年を記念して企画されたものなので、事実上、朝日新聞社が選んだものと言ってよいだろう。

ざっと見ると、私の訪れたことのあるところも多いのだが、全体を見回すと北海道が2つと面積の割りには少なく、もっとも多いのは長野県の4つ。本当に小さな集落もあれば、数千人が住む村全体の景観を指定したものまである。そして、やはり棚田など農地の風景が多い。人の営みが作った風景というのが「里」という定義からすると、農林業になるのだろう。

選定に当たっては、候補地を募集したところ4474件の応募で2000地点以上となり、それを400地点まで絞り込んでから、実際に訪ねて現地調査したそうだ。基準は12あったという。そして150地点に絞り、それを選定委員会(委員は5人)が100選んだ……とある。

ここで、選定地がふさわしいかどうか、なんて野暮なことは言わない。それぞれ美しく価値がある里なのだろう。ある種の選定者の思い入れがなければ選べっこない。

ただ、選ばれた土地の人はどのように感じているのかな、思う。自ら立候補したところなら問題ないが、誰かが推薦して、知らないうちに選ばれた……なんてこともあるかもしれない。
選ばれて文句いう人もいるまい。素直に喜べる。100選入りをネタに地域づくりを行えるのなら、より結構だ。

私が取材に訪れたところは、そうした選定地が比較的多い。朝日のライバルである読売新聞社は「遊歩100選」を作っていた。
国がらみの「棚田」やら「街道」やら「名水」やら「巨樹」やら業界団体の「かおり風景」やらなんとか100選ばやりだが、それをいかに活かすかが課題だろう。

ちなみに森林セラピー基地に認定されるのには、立候補しなくてはいけないし、審査・認定料を400万円~500万円支払わなくてはならない。審査なんだから落選することもある……はずだが、実はない(笑)。審査でよい数値が出なくても、ちゃんと認定された例がある。まあ、これだけ金取って、落選させたら訴えられるよな。言い換えると、金で買えるのよ。

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