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2009/01/12

林業人の適性

森林の仕事ガイダンスで、水野雅夫氏は、司会者に「林業に向いている適性」を聞かれて、

「全体を見回せる人」と応えた。目の前の自分の仕事だけでなく、現場全体を見ないと、危険だし、段取りも悪くなる……という意味である。

それに対して司会の寺内ジモンは、「芸能界でも一緒!」と応じていた。ようするに、どんな社会にでも通じることなのだ。

ところで、「緑の雇用」で山仕事を始めた人の定着率は低い。5割残らないだろう。もともと補助金の切れる2年後には放り出される運命ではあるが、その期限とは関係なく、辞めていく人が後を絶たないらしい。多くは職場環境に絶望したり、当初の契約とは違ってしまったことで辞めていく。

最近では、もっとも先進的でモデル扱いされている森林組合で、若手が続々と辞めていく話を聞いた。待遇はほかの地域と比べて悪くないし、全国的に注目されているし、若いIターンが多くて気の合う仲間も多いし……という状況でも辞める。

その理由を直接確認したわけではないが、どうやら「望んでいた山仕事」とは違うからのようだ。

Iターンで山仕事に就く人は、田舎暮らしができるからとか、自然と関われる仕事、環境を守る仕事、といったイメージを持っていることが多い。仕事も、草木と触れ合えると思っていたら、今の現場は重機で山を削るばかり。効率や生産性ばかりを強調される。のんびりどころか、常に金のことを言われて、採算を合わせるためには、手抜きの作業路を作り、必要以上に木を伐る。そして、次々と課題を押しつけられる……。なかには森の現場の仕事をしたかったのに、森林施業プランナーにならされて見積りばかりのデスクワークだ……という不平も聞こえてくる。

これでは、都会のビジネス社会と変わらんじゃないか、と感じてしまうわけだ。

一方で、重機を操縦するのが飯より好きで、ライトを照らしながら深夜まで山仕事をしている20代の話も聞いた。

そうか、林業やる人の適性は、あまり自然が好きでないことだ! ……なんて思ってしまった(笑)。もちろん冗談だが、先進的林業では、昔の山の暮らし、山の仕事をイメージしてきた人には合わないのだろう。むしろ車や機械いじりが好きな人の方が向いているかもしれない。

、今後の林業は、都会の仕事以上にノルマや効率に厳しいストレスのある職場になる可能性だってある。果たして、それがよいことかどうか……。
昨日の「林業技術の伝承」とも絡むが、古い技術を伝承したい人にとって、こんな職場に入りたくないだろう。

林業をビジネスとして成り立たせるということは、都会のビジネス環境と同じようにならざるを得ないことなのかどうか。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

素人にコメントされても困るだろう、と遠慮しつつおじゃまします。(笑)

我が超過疎地ですら、移住希望があとを絶ちません。而して、続かない。あきれるほど続かない。

>林業やる人の適性は、あまり自然が好きでないことだ!
これは微妙に真実ですね。農業や田舎暮らしに置き換えても。

田舎暮らしや農林業が情報上でファッション化してるんですね。
当然、ギャップが生じます。

困ったことは、あなたは無理、と断ると、策を講じて潜り込んだりするんですね。それなら情熱があるのか、というと情熱だけなんですね。
あっという間に、食えないという現実に突き当たる。ウチが本業の方で受け皿になって仕事をしてもらうと、文句ばかり言う。
都会の喫茶店でバイトするくらいしかできない体質。

農林など受ける方にも根本的な問題=先の見通しがない、ということがあるけど、来る方も問題あり。

田舎の地域づくり、唯一の希望だった若手の参入も分厚い壁に突き当たったという実感です。

でも、何か方法があると思う。ううう。

私が転職したH14年、林業への転職の情報は今と雲泥の差だった。
雇ってくれるところがあればとりあえずお願いするというのが実情ではなかたっだろうか。
田舎へ転職してくる人にはいろんな考え方があります。
ただ田舎で暮らすための就職先としての林業。8時17時で残業なしで、暮らしていける給料がもらえればいい人。一方林業、日本の国土を守るのだと大志を持って転職してくる人。この温度差が曲者です。
ただ現場で働く人工としてしか考えていない(現場を回していくために)ところ。そうでないところ。
表向きと実情が調べようのない状態で本当のマッチングはむずかしい。
それで2,3年で辞めてしまうと、前者の考えの雇う側はしんぼうがたらんと一蹴。
なぜ定着しないのか分析しない。悪循環極まりない。
昨年末、私の会社に転職希望で現場見学に来た方がいました。
求める人材、事業内容、一日現場作業を見てもらい
5年後、10年後何がしていたいのかよく考えて林業に転職してくださいと伝えました。
もっといろんな事業体を見てくるように伝えました。その彼もこの森林の仕事ガイダンスに参加しているはずです。
彼にマッチする土地、地域、事業体が見つかることを祈ります。

環境利権ビジネスでどうでしょうか?
割り切って。研修生は定着が目的ではありません。林業は石炭産業と同じく過去日本を支えましたが、もはや国際競争力を失って経過しています。調べましたところ、持続可能な森林経営は皆無かもしれません。大手、王子物林住友さんも山林経営は赤字のようです。公社造林もほとんど怪しいのでは?
吉野の技術は大変すばらしいと思いますが、それは材価に支えられたものです。
今流行りの作業道も、すべてを解決できるものではありません。北欧の14t~20t、24tの機械は入りません。
「緑のダム」構想、森林計画上の優遇措置、補助金のためと割り切ったほうが・・・
あとは、災害しかありません。残念ながら、風倒木処理が一番利益が出るのが現状です。

今でも「マイ箸=エコ」CMで流されています。ほんとは、エゴなんですけど。

関係なくて、すいません。

このブログのアクセス数は、土日祝日になると極端に落ちます。平日の朝が多いというのは、さては仕事場で見ているな……と想像している(笑)。

にもかかわらず、昨日今日は、コメントがよく付くなど反応がいいなあ。そんなに琴線に触れる話題だったかしらん。
移住経験者、そして次は移住者を迎える側に回った方の思いは貴重です。

ただ他人事のように言わせていただくと、玉石混淆ではないでしょうか、移住者も迎える側も。能力があってやる気もある人が、しっかり迎えてくれる田舎と職場に当たって初めてかみ合う(それでもうまく生活できるとは限らない)世界です。
だからたくさん移住して(迎え入れて)、振るいにかけるしかないように思います。移住者全員を定着させようと思わないで、5割の定着率を6割にする努力をする程度の気持ちで臨むしかないですね。

ぼくがIターンで森林組合入ったのは1986年でしたけど、結局あの頃よりも今の方が状況は厳しいってことでしょうね。ま、即効でやめましたけど。
現実の仕事は「山好き」には「拷問」に近いものさえありましたね。あの当時の「公社造林」なんか最悪。
私はこれで辞めました。

結局、今の林業は「土木屋」とほとんど同じように思います。実際、森林組合の業務の中に土木工事ありますし。土建屋から移る人も多いでしょ。何しろ重機いじれますし。

下手に「森林」の夢を売るのは、ある種「詐欺」に近いかも。

土木は大切な仕事で、それなくして現代社会は成り立たないでしょうが、向き不向きのある職業でしょうか。
それに加えて、山仕事を「造林」「育林」「素材生産」に分けて、それぞれの適性が必要となってくる。この当たり、ごっちゃにすると「人生の選択、誤った!」と思う人が出るでしょうね。

大きな組織のの作業班に入ると、育林、素材生産と入る班によってやることが決まってしまう場合があります。
公には素材生産のためのオペを増やさないといけないといいます。
でも実際の作業班の方は損得勘定で行くと、育林のほうがいい場合が多い。なぜか、造林補助事業で搬出ありの間伐をやるより搬出無しでどんどん面積こなしたほうが精算金が多くなるから。
もっと作業班が主体性を持って仕事を出来るような仕組みにしないと面白くないと思う。
集約化してきたので、この山をどのようにデザインするのかそこまで含めて作業班に入札させる。
自分で10年、20年後の山を思って仕事をするのでやりがいもあるし面白い。
ただ現場を与えられて、いくらでやってだけでは人材は育たない。能力ある班長からプランナーを養成すべきと思う。
ちょっと本筋からそれたかな。

カーボンオフセットをやるしかないと思います。JALがもう手をつけています。森林の持つ公的機能が75兆円らしいですから。それで、長伐期を解消してバランスよく再造林できるのでは?
環境税では、生産のための施業は無理ではと思います。将来モノにならない森林を作ろうとしているとしか。事業体は素材生産の赤字を森林整備事業という公共工事で補填しているのでは?いまだに切り捨て間伐が行われている?モノになる木でもコスト面から捨てられているのでは?
補助金を頂く林業技術で素材生産のための技術が生きていません。

あ~派遣村、そういえば。
あれも派遣らしいです。噂。日比谷公園に派遣されたらしい?マックと同じ。時給がいくらか、知りませんww

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