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森と林業と田舎の本

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2009/01/27

森と脳

森が人の精神に与える影響を探っている時に、以下のような言葉を見つけた。

「脳をコンピュータにたとえるよりは、長い年月を経て成熟を迎えた、鬱蒼とした大きな森と比較した方が良い」

脳科学者として知られている茂木健一郎の発言である。

なるほど、脳の働きは、森林と似ている……正確には森林生態系に似ているのかもしれない。数多くの生物は個別の機能を持ちつつお互い干渉し合い、全体として森林生態系を作っている。脳も、各脳細胞の働きをニューロンで結びつつ全体の統一を保っている。

外界からの刺激(五感)に反応して、何か行動する。それによって脳もまた進化する。

ならば、逆もまた真なり。森林と、よくニューロンを伸ばした脳と比較したら、森林の働きがわかりやすいのではないだろうか。

森林には、脳の旧皮質と新皮質のように、本能を保っている面と、外界からの刺激に対応して変化する部分がある。
外界からの刺激は、少しずつ森を変身させ、進化させる。たとえば温暖化に合わせて構成樹種を入れ換えて、森の質を変えていく。それでいて、昔からの動物や昆虫も滅びないように居場所を残す。一方で新たな生物を受け入れる。その繰り返しで、生物多様性は増していくだろう。

ただ、刺激が強すぎれば、森は破壊される。草原になるかもしれない。沙漠にだってなる。森として残っても、生息する動植物がガラリと代わる可能性もある。
脳も、刺激が強すぎてストレス溜めて鬱になったり、トラウマ抱える場合もあるだろう。

そんなときに森の中を歩いて、森というもう一つの脳にシンパシーを感じると癒されるのではないか……。

「森の癒し」とは何か、と考えていると、……頭が痛くなるなあ。

ちょっと体調不良。

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