漫画のセリフで「木を燃やすとCO2」
たまたま立ち読みしたマンガ誌「ビッグコミック・オリジナル」。
その中に「黄昏流星群」という、中年から初老の男女を主人公にしたシリーズがある。私も、これに当てはまるかな……と身につまされているのだが、
今回の登場人物は、訳ありの旅館の女将。「薪で焚く風呂」を売り物に客足を伸ばしたという設定だが、そこでつぶやく言葉がある。
うろ覚えだが、「地球温暖化防止のためにCO2を削減しなくしゃならないのに、CO2を吸収してくれる木を燃やすようなことはいつまでもやってはいけない……」
う~ん。あくまで物語の中の小さな言葉なのだから、めくじら立てることではないかもしれないが、こういう考え方は、今も根強いのかしらん、と考えてしまった。原作者も、そう考えているのか。それとも作中の人物のセリフとして、後に何か訂正させるエピソードが入るのか。
おそらく、このセリフは、女将の学歴の高さ・頭のよさを説明するつもりで挿入したのだと想像するが、ちょっと的外れ。
たしかに、木は生長時にCO2を吸収するだろう。木を燃やすと、それらが発散するだろう。しかし、カーボン・ニュートラルという考え方もある。何より、薪を使わず風呂を沸かすとなると、やはり重油、あるいはガスなど化石燃料系を使うことになるだろう。そちらだってCO2を出すし、しかも、再び固定されることはない。
それとも、てんぷら廃油を使います、とか言うのかな(^^ゞ。
とにかく、木はCO2を吸収する
↓
木を伐って燃やすのは、CO2の吸収源を失う
という発想は、結局のところ、
木材を使うものはみんなダメ
↓
林業は自然破壊産業
につながるのではないか。憂慮すべきか。
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