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森と林業と田舎の本

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2009/03/18

森林療法は、地域づくりの手段になるか

これは『森を歩く』の裏話にもなるのだが、最初の企画時に読者層を考えた。

私が設定したのは、「森林療法・セラピーで癒されたいと思っている人レスを溜めている人、何かに行き詰まり打開策を探っている人……」が読む本だ。内容も、森を歩くことで心身をよくするためのハウツウを含めた。

当たり前だと思われるだろう。森林療法をやりたい人向けに出版するなんて。ところが、そうでもない。これがなかなかの難物なのである。というのは、現実に取材するのは「森林セラピーを地域づくりの手段にしたい人々」が大半であり、話もそうした視点になりがちだからだ。彼らは、森林セラピーはビジネスとして成り立たせなくてはならないと思っている。
だが、その視点はセラピーを体験したい側と、まったく違うのである。

被体験者にとって、森林セラピーが地域づくりに役立つかどうかなんて、どうでもよいことなのだ。むしろ、そんなことを微に入り際に入り内幕を記せば、興ざめだろう。どうせ森林セラピー基地の人らは、おれらの懐を狙っている……なんて思ったら癒されるわけない。
だから、私も本書では、ほとんど触れなかった。

だが、取材先では経営手法について意見を求められることもあった。実際、全国各地の森林セラピー基地はもとより森林療法地を歩いて来たので、ミョーに評論家的・アドバイザー的になる(笑)。

でも、結論としては、森林療法・セラピーは、経済的な地域づくりにはならないのですよ。
みもふたもないことを書いてしまったが、原理的に無理。

だって、森林療法で受け入れられる人数は、限度がある。たくさん受け入れたら癒されない。一人のガイドにつき、せいぜい5人。たまにイベント的に10人以上受け入れているところもあったが、それでは本来の森林療法になっていないだろう。しかし、5人以下ではガイドに人数からも経済的効果は小さい。ガイドの日当がせいぜいで、それも本業をほったらかしにした代償になるか心もとない。

現在行っているところも、行政などの補助をつぎ込んだり、持ち出しが多い。もちろん経済ではなく、地域住民の意識を高める、ソーシャルキャピタルを高めることを目的とするなら悪くない。しかし、それも経営の裏付けがなければ、長続きさせるのは難しくなる。

結局、利益を上げて地域を経済的に潤すためには、森林療法・セラピーに付随して宿泊を増やす、グッズを販売する……などの手段がいる。地域のイメージブランド化も必要となる。しかし、そのためには客を迎える宿泊施設などのインフラが必要だ。グッズだって、そんなに売れるものはあるだろうか。

私は、各地を見て、いろいろ地域ごとにいろいろなアイデアは浮かぶのだが、簡単に紹介できない。いっそ、それを提供する森林セラピー基地経営診断士を旗揚げしようかと思ってしまうなあ(^o^)。

Shikanotuno

                                            

森に眠る鹿の頭骨

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森林療法・森林セラピー」カテゴリの記事

コメント

東京から帰るとき上野駅の書店で買いました。ネイチャーで探してもなかったのですが、ホリスティック医学の本と並んでいましたよ。^^
このときは疲れていてあまり読めなかったので、明日、横浜までの電車で楽しみに読みます。

そうか、医学本だったんだ!
よし、また探しに行こう(^o^)。

お買い上げ、有り難うございました。

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