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2009/03/24

紅白のスギ内装材

日本住宅・木材技術センターが、昨年3月に東京・新木場で国産材利用技術に関する発表会を開いたレポートというのが、ネットで見つかった。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/kenzai/20080421/518671/?ST=building

この記事のタイトルにもなっているが、私は、今後の木材の生きる道は、内装材しかないと思っている。量的には構造材が多く、今も国産材と言えば、そちらに生産が傾斜されているが、将来的に構造材需要が減ることはあっても増える要素はないと見ているからだ。

そして、木材の特質を活かすのは、直接木部を見て触れる使い方をしなくてはならない。構造材に必要な機能のほとんどは、別の素材で代替できる。なかには木材より優秀なものもたくさんある。

さて、そのつもりで記事を見ると、しょっぱなに載っている中西木材の「デザインウッド」に目が行った。写真を見てほしい。

スギ材で作った集成材なのだが、紅白(芯材と辺材)を交互に張り合わせて模様にしている。これまで紅白が混じった材は、嫌われてきたのだが、あえてデザイン化したのだ。そして、実際に素敵に見える。
国産材を使うと「和風になる」と嫌う施主が多いなかで、これは洋風にもマッチしそうだ。

こうした商品開発は、あちこちで提案されているのだが、なかなか普及しない。その理由は、施主が嫌がるからではなく、業者が嫌がるようだ。昔ながらの「紅白の材は低質」の概念が抜けないため、作りたがらない、使いたがらないのだ。
この壁を打ち破り、広くこの手の商品が出回ると、きっと木材需要が増えるだろう。

この記事の筆者は、そうは思わないようなのが救いだが、それでもひっかかる点がある。この商品の心配な点として、

「もう一点は価格。原料がスギなのに広葉樹並みの立派な値段が付いている。製造段階で人件費がかかるのであれば、赤い部分をチークなどの広葉樹にする選択肢もあればより良いと思った。 」

なんで、材料がスギだったら、広葉樹並の値段を付けたらいけないのだ? ましてや「赤い部分をチークなどの広葉樹にする」なんて、本末転倒じゃないか。売れるのなら高く付けたらよい。売れないならチークであっても安くすべきだ。

木材は、感性の素材だ。だから構造材よりも内装材であり、価格は消費者が決めるべきなのだ。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

うわっ!
かわいいじゃないですか。紅白のスギ。
保育園とか幼稚園とか学校とか病院とかの
内装に・・・。
デザインもいろいろ工夫できそうだし。
部分的に使っても素敵そう。

そうでしょう。紅白まじりも、ちゃんとデザインにするとオシャレな素材になるんです。

こうした努力と発想の転換を進めてほしいですね。

源平とはまた違ったモダンな印象ですね
自分は赤身が好きですがフローリングは白い方が人気があると聞いたことがあります
スギはやはり板材の方が向いているのでしょうか?

あと気になったのは「針葉樹の無垢のフローリング材は、注意して選ばないと、寸法変化や乾燥収縮でひどい目に遭ってしまう。」という記述
広葉樹の方が暴れは大きいと思うのですよ?
寸法安定性もたいていは針葉樹の方が小さいと思うのですよ?
製品にする際の乾燥度が影響しているのか?と思ってみたり

今月号の住宅建築誌で建築基準法4号特例廃止の影響が語られていましたが
国産材の市場そのものが消えそうな感じが…

たしかに広葉樹材の方が、暴れは大きいですね。
でも、しっかり乾燥などしているから、問題になりにくい。その点、国産材はまだまだ品質管理が足りないということでしょうか。
スギ材は、乾燥が難しいから、やはり板の方が向いているでしょうね。

広葉樹材、クリやケヤキなどスギとは比べられないほど乾燥しにくいと思うのですが、同じ国産材でもスギはダメとは…単価の違いでできないのか?
でもキリのフローリング材はそれほど高くないしスギより時間がかかるのに…単価だけの違いでも無いような?

マツやヒノキと比べればスギは乾きにくいですが、スギも丸太で2年も放っておけば乾燥すると思うのですが…林地でそのまま乾かすとすると腐りがはいったりしそうだし、キバチが怖い
となると離れた土場とか…製材所まで行くと卸棚資産として課税されるし支払いサイトの問題が出ますか…
うじゃうじゃ…

こんばんは

中西木材のサイトを見て来ました。杉材のラミナをタイルの様に使って、任意の意匠に加工するってのは、見事なアイデアだと思うのですが、「デザイン」に対価を払える庶民がどれだけいるか?とも感じました。
個人的な感想を言えば、デザイン性を考慮して輸入集成材の1.5~2倍までが、負担出来る限度かなぁっと。

そういえば広葉樹材の乾燥は、どのような形でやっているんでしょうね。人工乾燥しているとは聞かないし。

人は、結局、すべての品をデザインで選んでいるだと思える時があります。機能よりも、見て心地よいものが優先する。
税金やら、価格の兼ね合いとか問題はいろいろありそうですが、とにかく前進しないと始まらない。意外なところに突破口があるように思える。

こちら北東北ですが
広葉樹の乾燥はだいたい天乾のようです
構造材の場合、丸太のまま土場に積んでおいて乾燥、その後製材ですが、製材後また乾燥することもあるようです
ケヤキは5年乾かしてもまだ動くとか、クリは白太が腐るまで乾かすとか言われてます
造作・器具用の場合ある程度乾かしてだら引き後、さん積みして何年か乾かしているようです
樹種により期間は違うようですがカバの重い物やアサダは10年ぐらい積んでおいていると近所の器具屋さんで聞きました
針葉樹でも床柱用のイチイは時間がかかると銘木屋さんで聞いたことがあります

でも家具用集成材を作ってる製材所には乾燥室らしき物がありました
林業センターのレポートでも広葉樹の人工乾燥スケジュールを見たことがありますからKD材も作られているのではないでしょうか

キリはアク抜きしなければならないので乾燥期間よりずっとアク抜き期間がかかります
1年ぐらいという話を聞いたことがありますが3年ぐらいは必要な感じがします
1年の天井材で後であくが出て色が変わったところをみたことがありますので

考えたのですが広葉樹材がスギと違うところはロットでしょうか
構造材のスギはロット量が多いでしょうからある程度以上の規模がなければゆっくりAD材を作ることができないのではと

こちらでは生木でも葉枯らししても市場では単価は変わらないということでした
零細林家としては赤字をできるだけ小さくするためにどうするか?思案のしどころですね
特に中目材は引き合いが弱いですし
あと昨年から役物も動かなくなっているらしいです

やっぱり、家具材になる広葉樹材は、時間をかけて乾燥させているんですね。それができるのは、製品の価格が高いからかなあ。逆に言うと、それらの木で作った家具には、乾燥在庫期間の価格が上乗せされているのかもしれない。

構造材は、これまで常に「乾燥してもしなくても単価は変わらない」という目先の事情で、外材に負けてきた気がします。外材は、ちゃんと乾燥してきたから。
役物も、もはや需要は縮む一方ですね。

拝啓  田中淳夫さま

はじめまして
このたびは弊社商品゛デザインウッド”をごらんいただきありがとうございます。

このように弊社商品を取り上げていただきとてもうれしかったです 
ますます元気が出ます!!

杉の有効利用を思案し続けこのようなアイデアにたどり着きました。
おっしゃるとおり 杉の意匠は和風だとか、紅白の材は低質・・・
 なんていっているのは私たち業者のほう・・こんな固定観念が杉の可能性を狭くしていると思っていました。

杉がかわいそう・・

社会情勢にいろんな状況の変化があっても、森は淡々と日光を浴び続け 雨水を吸い上げ、二酸化炭素を吸収しその営みを続けています。その森の恵みをいただいて生業としている限り、私たちは、彼らの可能性、利用価値を見出し、そしてその価値を消費者の皆さんにお伝えすることが私たちの使命と感じております。

微力でありますが 今現在も杉を使って今までの固定観念から脱却していろんな商品を開発中ですので、出来上がりましたらご案内いたします、是非率直なご意見をいただければ幸いと思います。

取り急ぎ御礼とご挨拶まで・・   敬具

中西木材株式会社 代表取締役 中西昭雄

 

中西様。わざわざお越しいただき恐縮です。
ぜひ、スギ材による新商品をお伝えください。期待しています。

それにしても、最近このブログに下手なことを書くと、思わぬところから反響があるから怖い(^^;)。

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