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森と林業の本

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2009/03/30

森林セラピー基地の閉鎖

突如、北海道唯一の森林セラピー基地「山﨑山林」の閉鎖が伝わってきた。

拙著『森を歩く 森林セラピーへのいざない』でも、紹介しているのだが、ここはセラピー基地唯一の民間事業体。道東鶴居村の258ヘクタールに及ぶ森林を利用した基地なのだが、ここを所有・経営するのは株式会社北都である。

1日1組しか受け入れないという方針で、広い森林を独り占めできる感が魅力だった。加えてアイヌの遺跡や釧路湿原に面する立地、エゾジカどころかタンチョウヅルも出る環境だ。

閉鎖と言っても、森林セラピー基地の認定が取り上げられるわけではない。ようするに人を入れて案内する事業として行うのが難しくなったということだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/yamazakisanrin

これまで一人で切り盛りしてきたマネージャーは、今後山﨑山林の周辺部で個人の資格で森林セラピー事業を続けるという。無念だろうが、

なぜ、閉鎖なのか。実は、本業が厳しくなったからだ。

北都は、林業会社である。主にカラマツなどを道内の合板会社に納入していたようだが、それが金融危機で立ち行かなくなったのが原因だ。森林セラピー事業を支える余裕がなくなってしまった。不景気のあおりが、こんなところまで押し寄せるとは。

森林セラピーは、収益事業として維持するのは、非常に難しい。私か感じていた懸念は、まさに的中した。どう見ても、今のところは持ち出しだからだ。それは民間だけでなく、むしろ自治体の方が赤字額は大きいだろう。

これで民間には無理と判断されるのは悔しいが、私は、むしろ個人事業の方がまだ可能だと思っている。一人のガイドの食い扶持くらいならなんとかなるかもしれない。むしろ自治体主導の場合の方が財政的に大変になるのではないだろうか。

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森林療法・森林セラピー・木育」カテゴリの記事

コメント

 早速ブログに掲載して頂きましたので、日本唯一人の森林ジャーナリストのブログに初めての記載をさせて頂きます。4月から何故「山崎山林」は活動停止したのか?を私のブログで検証してみようかと思っていましたが、その前にここに森林ジャーナリストが飛びつきそうなお話を一つ。
 林野庁の事業は随意契約が無くなりました。しかし、今までの実績のある民間会社がほとんどの一般入札契約を取っています。新規の民間会社の参入が少ないかと思います。何故なのでしょうか?
 実績のある民間会社でないと入札がしづらいカラクリがあるのです。実績=キャリア=現場代理人=山中慎一朗といった流れです。
 林野庁が森林セラピー基地の閉鎖を導いたのか?なかなか面白いかと思う考察です。

チェック、早いですね(笑)。
ぜひ、活動停止の事情を聞かせてください。

最近の林野庁サイドの人事は、森林セラピーから距離を置こうとしているかのように見えるところもあります。これから、どうなるのか。
拙著の売上にも響く重大事です(笑)。

こんばんは

「山崎山林」の閉鎖は残念です。田中さんの「森を歩く」を妻と見ながら、「こんな景色を独り占めできるなんて、一見の価値あるよねぇ」と話していたんです。
いつの日か再開されん事を、切に願うばかりです。

こんばんは
最近頓にご活躍のご様子、うれしく拝見しております。

法律や公園の事についてお尋ねしたいのですが。

「国定公園の一部がキャンプ場になって、実質その運営はある県の観光協会が行なっている

このキャンプ場は保安林ということらしいが、キャンプ場に来た人が目で楽しみ 体験して楽しめるようにアスレチック広場を造った」

近くの子供達や子供連れの親子達も毎日たのしく遊びに来て賑わっていたそうです。

ところが、県の管理担当者は、「保安林は草も枝一本も切ってはいけない 今ある施設を撤去しなさい 出来なければ今後は貸すこともままならない」・・・と言わんばかりだったそうです。
キャンプ場は うっそうとしていて 下草が生えて密林状態 夏には蚊の養殖場になっていましたが、そのほうがいい。構ってないからとのことで即刻壊して元に戻し、証拠写真を持ってこいと言われ、壊さなければならなくなったそうです。


こんな時は行政の言いなりになるしかないのでしょうか?
キャンプ場そのものが使えなくなっては困ると言うことで、泣き寝入りするしかない、せっかくボランティアで作った施設を壊さなければならないと嘆いておられます。
そもそも国定公園の中のキャンプ場に作ったのがいけなかったのでしょうか?
署名を集めたり、とかを考えたのですが。。。
こういうケースはどうなのでしょう。

「数百㌶の森の中で、私たちだけ」という感覚は、北海道でしか味わえない特徴でしたからねえ。残念です。

保安林にもいろいろあって、その制限もいろいろで一律に木を伐ってはいけないということではないはずですが、県の役人にとっては、その管理が自分たちの存在意義ですからね。
まともに行政と法的にぶつかったらかないません。

こういう場合の対処は、一つは放置すること。彼らは地力で撤去する覚悟があるかどうか。また法的手段に訴えるほど本気かどうか。ただキャンプ場の使用は止められる可能性大です。
もう一つは、議員を動かすこと。行政に口を挟むのは、やはり議員が強い。理解ある議員に相談なさってください。

はじめまして、花姥さんからのご相談の当事者です。私も市ではありますが議会議員です。
造った本人が道筋を通すつもりで話に言ったら、このありさまでした。(やっぱり県の役人と話すには県会か国会議員じゃないとダメなのかなあ~)
どうやら法を型に正論で強行する構えです。

そのキャンプ場を「他に任せてもいいんですよ」とか「減免で半額にしているのを取り消す」と爆弾をちらつかせる有様です。
この場所で生計を維持している人たちもいるので屈するしかありません。

木登りしたり鬼ごっこする子供たちを見ていて、セラピー効果があると実感しましたが、強引に存続できず、残念ではありますが来月早々解体することになりました。
有り難うございました。

久しぶりにコメントをさせていただきます。
セラピー基地の閉鎖は大変残念なことです。でも、セラピーという概念ではなくて、森林浴とか森林レジャーとかの範疇でならば・・・。
実際に運営するにはいろいろな手間や知恵が必要でしょうから・・・。
さて、保安林などの制限林での行為についてですが、既設の物件の運用についてですが、県の担当の方に事実をそのまま相談されてはいかがでしょうか?
保安林や砂防指定の法律関係を熟知しているでしょうから、その範囲でうまい方法を考えてくれないでしょうか。私もたまに困って相談をしますが、けんか腰でやると大半はNGになります。こちら側も事実を確認して、「どうしようもなければ撤去する覚悟で、何とか継続できる知恵を県の職員から教えてもらう」ような姿勢でいけば、保安林制度のプロとしていい指導をしてもらえると思いますよ。重要なことを隠したり、一部をごまかしたまま相談すると、後でえらいことになることもあります。
 心配ならば、市町村の担当職員に同行してもらうとか。市町村の職員や県の職員は議員さんが案件を持ってくるのを嫌がります。議員さんの中には、法律や必要な手続きを無視して、自分たちの都合のいいような処理だけを求める方がたまにいるからです。
折角作った施設でしょうし、利用している皆さんも喜んでいることでしょうから、あきらめないで、交渉してみてはいかがでしょうか。
長々すいません。

こんばんは
田中様、鈴木様。
ご丁寧なご助言、ご指導、ありがとうございました。
ご本人にもう一度伝えまして、善処して貰うことに致します。
 意見や立場のすれ違いが無くなり、市民の幸せに繋がればと思います。
ありがとうございました。

ゆ&りYuToRiで山崎山林の閉鎖要因の考察が始まりました。景気低迷と林業です。大丈夫ですかね?

山中さん、はじめまして。
私も国有林の現場代理人の一人です。一般競争になって仕事がとてもやりにくくなりました。
山中さんの考察貴重なご意見として拝見いたします。

なるほど、少しずつ見えてきましたね。
端的にいうと、現場代理人としての仕事に縛られて、森林セラピーの方をやる余裕はない……と会社は判断した、と読んでよろしいでしょうか。
国有林が極めて大きな要素を占める北海道の林業ならではの事情もあるでしょうが、何がどこに絡んでくるかわからない時代ですね。

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