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森と林業と動物の本

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2009/03/09

林業は儲かっている!?

今日は、大阪に出て、某県の人と長談義。

帰宅してからは、某林業関係者?からの長電話。

今日1日口にした言葉の90%以上が、林業関係のことではないか、と思う。

そこで話したのは、まず前提として「今の林業は元気がない」というところからスタートするのだが、その理由を不況のせいにできるかというと、ちょっと疑問だ。というのは、林業の仕事面では、むしろ忙しくなっているからだ。そして補助金はジャブジャブとつぎ込まれている。

実際、林業関係の補助金は、現場の人が使い切れないからいらない、と言っているのに押しつける状態だそうだ。たいていは間伐補助なのだが、ようするに国や自治体からは森林の間伐をしないと、二酸化炭素3・8%削減にカウントできないからである。

それにしても、いらないと言っているのに押しつけるとは、豪気な話である。

ただ不思議なのは、補助金でも何でも、これだけ山につぎ込んでいるのだから、それで山村の経済は多少潤っているはずなのに、そうした声は全然出て来ないことだ。少なくても仕事はたくさんある。ならば森林組合であろうと素材生産業者であろうと、森林所有者、あるいは「田舎で働き隊!」のような研修請負団体だろうと、お金は回っているはず。

お金が現場で働く人のところに分配されていたら、もう少しは林業に景気のよい話が出てきてもよいはずだ。そして山村の経済も多少は上向くだろう。

ところが、そうした声がないのは、山村の現場にはお金が落ちず、途中で抜かれているのか。抜かれるとしたら誰がどの段階で抜くのか。実は都会の企画会社? いや不在地主?  それとも山村のボス? 林業諸団体やその外郭団体に横流しされているのかもしれんなあ。

それとも、実はみんな儲かっているのに、そのことを隠しているのか。山村の鎮守の森の祠の下には、金の延べ棒が埋められている……なんて(^^;)。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

まつたけ たくさん採れたのに
「いや~今年も全然採れなくてね~。
 採れたら少しあげるんだけど。」
なんていうのに近いかも。
そんな人知っているので・・・・。

大勢の中に、数人の嘘つきさんがいる?
もしくは数人の口を閉ざしている人?

いくらマツタケ採れても、他人にはやりたくないのかな(^o^)。
田舎には、儲かっていても、絶対に表に出して言わない風土がありますね。それがわかると、地域で浮くし、足の引っ張り合いが起きるから。

外からは、本当に困っている人と実は儲かっている人の区別が付きにくい。これが曲者です。

お世話になります。
昨日はお世話になり、ありがとうございました。

田中さんと、現在の林業・木材産業を取り巻くあれやこれやをお話しさせていただき、ある意味「ガス抜き」していただいたような、清々しい気持ちで帰路につきました。

林業は楽しい仕事だと思います。
それなのに、自分たちで勝手に塞ぎ込んでいます。
関係者が口をそろえて「楽しく夢のある仕事だ!」と胸を張って言えるようにしたいものです。

お忙しいところ本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

さっそく読まれてしまいましたか。
「ガス抜き」に終わらせないよう、「プロジェクト」を進行しましょう。

どうも、「林業は苦しい」というのを口癖にして、外向きにはバリア張っているんじゃないかという気配があるんですね。実は、結構楽しく暮らしていたりして。

多く所では、森○組○が抜いてるんでしょうね。ただ、そこで全てストックされるわけではないです。

 うちの森林組合は、35年間に渡る1億円の簿外債務が表に出てしまって、てんやわんやです(笑)また、うちの森林組合騒動から火がつき始めたらしく、県のあちこちの組合で火がつき初め(笑)。さらに使途不明金総計7000万円なり、と。
 まあ、“選挙”とか“接待”とか、それに群がる人達とか、いろいろあるんですよ。役人さんも、退職された先輩方の恥を晒す(そのころは、恥でも罪でも―仲間内の倫理では―なかった)わけにはいかないし。「自主住民グループが村おこしの観光施設を村協力し手作りで」「都会と田舎を繋ぐ村おこしのイベントが」…この山村地域で、どっからそんな資金が出てくるんだ(笑)そういうことです。…山は、ありがたい。どこまでも、その地に住む住民の“食いもの”になってくれる

ああ、日経BPだったかヴェリタスでしたか、お知り合いの詐欺師の方が「もう、田舎のゼニゲバとは関わりあいたくない」お話を書かれていた田中さんには、釈迦に説法でした。すみません。

 我々多くの森○組○がやっている仕事は、別に“林業”ではありませんしね。残念ながら。
 (労働市場経済的には)どう考えても人口過剰な過疎地域(“過疎”って、そういう意味ではウソの言葉ですよね。むしろこの不況に、自給千円でもコンビニバイトが埋まらない、東京都心のほうが“過疎”)に、「地域のみんなが潤う」公共工事を引っ張ってくるための、あるいは行政部課の予算獲得のためのネタづくり、という仕事ですから…それはよくご承知だと思います。
 「地域のみんなが潤う」公共工事ですから、誰も“儲かった”という感じにはならないでしょう。田舎の公共工事の多くは、どこまでも広く浅く、本人の自覚のないままに希薄化されて、配分されますから。

コメント欄汚しついでに、失礼ながらもうひとつ。

>>山村の鎮守の森の祠の下には、金の延べ棒が埋められている……

 埋まっていますよ、象徴的な意味で。祠を建てる、あるいは古くなって建替えしたりします。祠の建物の設計は地域の工務店に、施工は大工さんに、基礎のコンクリは生コン屋さんに、崩れた石垣の補修は…みんな仕事が欲しいですから、少しでも大きな金額で。そして、そこでドーンとお金出さなきゃいけないのが、「そのとき“割のいいと地域のみんなが知ってる”公共事業を請け負った人」ですから。
 
 かつての山村みたいに、少しずつ地域住民が労力を提供すれば、“金の延べ棒が埋まる”ことはないんでしょうけど。

通りすがりさん、コメントはまとめてお願いします。

山村の裏構造、林業界の現実に詳しいようですが、嫌ってあげつらっても、何も何も生み出しませんね。

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