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本の紹介

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2009年4月

2009/04/30

里山整備の陥穽

タケノコ堀りをしながら考えた。

生駒山の森遊び研究所も少し荒れてきた。かつて築いた階段が崩れたり、枯れ木が増えている。笹や草も野放図に繁っている。もともと冬の間に森を整備していたが、焚火事件のために、この森に通う意欲が減退したこともあり、今年の冬は何もしていない。

だが、このままだと荒れる一方だ。夏はきついので、今のうちに多少は手を入れなくてはなるまい。

ところで、里山の整備とは何か
最近は里山ボランティアが流行っている。私も生駒市の里山ボランティア講座に協力していて、今年7月にも開くことになっているのだが、肝心の整備の仕方に根本的な問題を抱えていることに気がついた。

たいていのボランティア的里山整備では、下草を刈り取り、幼樹やら低木を間伐する。大木は残す。そして見通しのよい、見た目もすっきりした雑木林を作る。

なるほど、大木が点在して、その林間や林床がすっきりすれば、景観的には美しくなる。荒れた山を美しくした達成感も大きいだろう。

しかし、そうした林相は、あえて言えば人工林そっくりだ。スギやヒノキの大木を残して、ほかの木を無くした状態とよく似ている。だが、それが里山生態系にとってプラスだろうか。

本来の里山は、常に薪や木炭、あるいは用材として利用するために太くなった木から伐られた。おかげで森を覆っていた樹冠がなくなり、太陽の光は林床までよく射し込む。

すると草が生え、明るいところを好む幼樹が生え、それらを狙って昆虫類が増え、虫を餌とする鳥獣もやってくる。そこに生物多様性を増やす要因があった。また老齢になる前の木は、切り株から萌芽が出やすいので更新も進む。常に若々しい森林を維持できたのだ。

だが、今多くの地域で行われている里山整備の手法は、大木を残すから林床まで十分な光が入らない。逆に下草とともに低木を刈り取るということは、次世代の木を育てないということだ。大木となった老齢樹が枯れた後に、大きく伸びて取って代わる中層の木々をなくしてしまうのだ。生物多様性は十分に回復しないだろう。

これでは、本来の里山生態系を復元できない。むしろいびつな里山を作ってしまっている。もし、この状態で大木が枯れたら禿山になりかねない。かと言って大木を伐採した直後は、光がさんさんと照るため草ぼうぼうになり、景観的にはよろしくなさそうだ。

人は往々にして景観を重んじて生態系まで目を向けない。達成感も感じたい。その思いが、正しい里山復元活動を行えなくしている。そのうえ素人が大木を伐るのは危険であるから、簡単に大木を伐りなさいと言えないところにも問題がある。

さて、森遊び研究所はどうするかなあ。直径60センチくらいのコナラがたくさんあるんだよ……。

2009/04/29

タケノコとイノシシ

今年もタケノコ堀りに出かけた。

私のフィールドである生駒山は、 ゴールデンウィーク前後にもっともよくモウソウチクのタケノコが出る。

今年は暖冬で、とくに3月下旬から4月上旬が異常に温かくなったから、早めに出るのではないかと見回りをしていたが、4月中旬時では、まだほとんど出ていなかった(1本だけ)。

そこで、例年通りと見込んで満を持して出かけたのだが……あまり見つからない。ただ1メートル以上伸びて食べられないタケノコ?を5、6本見つけて退治する(へし折る)。昨日までの雨で「雨後の筍」状態かと思っていたのだが。

もしかしたら、ここ数日の異常低温(3月下旬並)のために伸び損ねたのか?

が、よく林地を見ていると、林床がかき回された跡がある。どうやらイノシシだ。掘り返して、タケノコの残骸が残っている。イノシシはタケノコが好物だから、食べてしまったらしい。
もしかしたら、人が取ったものもあったかもしれないが、ほどよいタケノコは先に取られ、伸びすぎだけが残されているのである。

例年、1日で20~30本は掘るのに……今年は、ようやく7本。

同行した父親と山分け。持ち帰った4本をとりあえず茹でる。食べるのは明日になりそうだ。

1週間ほどしたら、もう一度チャレンジする予定だ。今度は、イノシシに取られないよう競争である。これ以上、イノシシが闊歩されては困る。

もともと雑木林を竹林にしないための「タケノコ退治」が目的だったのだから、人間の代わりにイノシシがタケノコを退治してくれると思えばよいのだが、いざとなると、やはり悔しい(^^;)。

2009/04/28

林業女性のネットワーク「チームアイリス」

森林・林業の世界に参入する女性が増えている。

正確な統計はないが、森林組合や民間会社に勤めて林業現場で働く女性は、ざっと200人くらいだそうだ。それに内勤の女性や、行政関係の林業担当者もいる。多少は女性の林業家もいる。全部合わせたら、1000人から2000人の間くらいかな。
そのほか、かつては林業職に就いていたが、結婚・出産などでリタイヤした人もいるだろうし、研究職はわりと多い。学生ともなると、かなり多い。大学によっては男性より多いこともある。ただし林業というより、大半は森林、環境に興味があるようだが……。

増えたといっても、マイナーなのは間違いない。林業自体がマイナーな世界だが、女性の場合は、その存在があまり知られず点在していることが、より問題のような気がする。

とくに現業の場合、ほかの世界とつながりが持ちにくい。男社会の林業現場の職場で孤立しかねない。もちろん、周りの男どもは、数少ない女性に気を遣うだろうし、チヤホヤする場合もあるだろう。だから決して親切でないというわけではないが(^^;)、やはり女性の気持ちや立場に踏み入れるのは難しいだろう。この世界には、゛何気なくセクハラ発言を連発する御仁も少なくないし(^^;)。

だが、少しずつ林業関係の女性が結びつく動きも起きている。
比較的早くできて有名なのは、レディースネットワーク21だ。都道府県庁の林業技術職に就いた女性のネットワークである。

そして、また新たに誕生した。
都市と農山村を結ぶ、女性の創る新しい森林ネットワーク「チームアイリス」である。

こちらは、誰でも林業女性ならよい。森林組合勤務の女性も含まれる。まだスタートしたばかり(スタート、したはずだよな……)だから、参加人数はそれほど多くないようだが、今後に期待しよう。主にネットでつながることをめざしているようだ。
そう思って、よく読むと、男性も参加できるらしい(笑)。都市生活者も含むから、どうやら林業に興味を持つ人なら誰でもいいのかな。

ともあれ、女性のみならず、マイナーゆえ孤立してしまってはいけない。せっかく掲げた志や意欲を、孤立ストレスで磨耗させないでほしい。

2009/04/27

見えない森林

日本の森林率は、一般には67%とされている。大雑把に言えば、日本の国土には約2500万ヘクタールの森林があるといわれる。

しかし、この森林に都市公園の樹林部分は入らないそうだし、街路樹も無視される。詳しく調べたわけではないが、小さな神社仏閣の森、つまり鎮守の森も計算外ではないだろうか。

そしてもう一つ、大きな見えない森林として、耕作放棄地がある。最近の統計だと、全国で約47・4万ヘクタールあるそうだ。そのうち19万ヘクタールは農地にもどせるということだから、残り30万ヘクタール弱は、原野や森林になっていると想像できる。仮にそのうちの3分の1が、すでに森林相と化しているとしたら約10万ヘクタールにもなる。

実は、生駒の里山地帯にも、そうした森林がたくさんある。外目には、完全に森林である。中に入っても高さ5メートル以上の雑木や竹が繁っている。ところが、その中には平坦で石垣が組まれた土地が広がっているのだ。かつての棚田、つまり耕作放棄地だろう。

そのほか、田舎の宅地でも、無人化して森になっているところが結構ある。その一部は、転居する際に敷地にスギやヒノキを植えたケースを含む。

しかし、こうした放棄農地・宅地は、森林簿には載っていないだろう。つまり統計上は森林と見なされない。

このように統計上は「見えない森林」を合わせると、日本の森林率は70%くらいに達しているのではないか……と思うことがある。

が、時折混乱するのは、FAO(世界食糧機関)、つまり国際的な統計では64%になっていること。この差の理由がよくわからないのだが、どうやら伐採跡地でまだ再造林していないような木のない部分を除いているらしい。今は木が生えていない伐採地でも、日本の場合は放置しても徐々に木が生え森となるだろう。

さて、日本の真の森林面積はどれくらいだろうか。

誰か、統計を駆使して計算してくれ。ゴールデンウィーク中の頭の体操になるかもしれない(^^;)。

2009/04/26

カウリの巨木

屋久島の縄文杉と、ニュージーランド・ノースランド地方にあるカウリの巨木タネ・マフタが、「姉妹木」となる調印式が行われたそうだ。タネ・マフタも、マオリ語で「森の神」を意味して、樹齢1200~2500年(大雑把だなあ)で、現存するカウリでは最も大きな木である。それが世界自然遺産つながりで姉妹木になったというわけ。

カウリは、スギ科の常緑針葉樹で、世界でも5指に入る巨木の種類だという。だが、日本ではあまりなじみがないだろう。

そんなカウリに触れ合える場所が、なんと広島県吉和にあった(笑)。

宿泊したクヴァーレ吉和のクアガーデンである。男女の浴場に一つずつ、クアガーデンに2つあるそうだ。ただ男湯のは傷みがひどくて撤去されたので、有料のクアガーデンで見た。

200904211724002                                                 

                                                 

見た通り、切り株を風呂桶にしている。露天風呂だ。重量は20トン、樹齢は1500年ものらしい。最大直径は3,75メートル、周囲10,6メートルだそうだ。

もっとも、これは伐採したものではなく、4万5000年前の土埋木を利用しているらしい。木質は、蝋化しているように感じた。

ちなみにここは、外部から丸見え。もちろん水着着用である。この季節、しかも明るいうちから入っているのは私だけであった。

なんで、こんなものが、吉和に、と思うが、クヴァーレ吉和の経営は、中本林業、つまり住宅建材で知られるウッドワン・グループだ。よくコマーシャルでもニュージーランドの森を宣伝している。創業者の出身地が、吉和であった。

2009/04/25

挿し木苗づくり

広島を訪れた際に、初めて見た林業の仕事があった。

それが穂木摘みによる苗木づくりだ。

植林する苗は、実生苗(種子より育てるもの)と挿し木苗に分かれる。全国的には挿し木苗が多いのだが、私は吉野で実生苗ばかり見てきた。
広島の安田林業は、挿し木苗を自前で作っている。それを見ることができたのだ。

挿し木の枝のことを穂木という。これを摘み取る母樹があった。

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わかるだろうか。カリフラワーのようなモジャモジャしたのが母樹(^^;)。

これで、なんと樹齢50年くらい立つという。太さは10㎝くらいしかない。毎年、春になると伸びた枝を摘み取られるから、生長できないのだろう。
この摘み取った穂木を、いくらか剪定してから水に漬けて発根を促す。それを畑に受けるのだが、1年後には床替えも必要という。なかなか手間のかかる育苗だ。

摘み取っているのは、ナカシマアヤさんと、師匠のフカセさん。フカセさんは、この道50年とか。苗にも、茎が緑の青苗と木質化した赤苗があるという。意外なことに赤苗の方が発根性がよいという。

060                                                   

これが、苗畑。林業とはいえ、畝を作って完全に農業的だ。

春の間に1万本の苗を作らねばならないので、かなり忙しい。
1万本と聞いて、たくさん作って植えるところあるのか、と思ったが、よく考えると1ヘクタール3000本植えならたかだか3ヘクタールである。

この苗の品種は、八郎杉というらしい。この地方の独特の品種だ。これを守る意味もあって、苗づくりを絶やさぬようにしているとか。

全国にはスギだけで1万種類もの品種があるという。近頃は花粉の出ない品種づくりも行われているが、これらを守るのは大変だろう。

2009/04/24

『森を歩く』書評・日本農業新聞

日本農業新聞に、『森を歩く 森林セラピーへのいざない』の書評……というか、著者インタビューが載った。(4月20日版)

と言っても、実際のインタビューは、メールで行ったのだが。それに、内容は本書から抜き取っている。

分量はたいしてないので、質問は、4つだけ。

「森林療法の効果」と、
「長野県信濃町」のこと、
それに「広い森林でなければ駄目ですか」
「自己流では?」の4点だ。

さて、これに私はなんと応えているか。

Img023                                                 

                 

結構、そっけない答え方をしているように読めてしまう。私、もっと丁寧に答えているつもりなんだけど(^^;)。

ちなみに、本のタイトルを『森を歩く』としている。『森を歩く 森林セラピーへのいざない』ではない。この後半部分は、サブタイトルなのか、メインタイトルの一部なのか、私自身も迷うところだ。

2009/04/23

田中淳夫違い

近頃、2冊も本を出されたんですね、と言われることが幾度か続いた。

私の出したのは森林療法の本だけですが……。

ミツバチの本も出版していませんでしたか?

それは、人違いです!

というようなことが続いたので、改めて記しておこう。ちなみにAmazonで私の名を検索すると、「銀座ミツバチ物語―美味しい景観づくりのススメ 」という本がヒットする。文字通り、銀座で養蜂をしている人の記録だ。テレビなどにもよく紹介されていたから、知っている人も少なくないだろう。

その著者は、まぎれもなく「田中淳夫」なのだが、その略歴を見ると、

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 淳夫
(株)紙パルプ会館常務取締役。特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクト副理事長。1957年東京生まれ。1979年(株)紙パルプ会館に入社。総務部長、取締役を経て、現在関係会社(株)フェニックスプラザ代表取締役兼(株)紙パルプ会館常務取締役。2006年3月、「銀座ミツバチプロジェクト」を高安和夫氏と共同で立ち上げ、2007年、特定非営利活動法人の認証を受け、NPO法人銀座ミツバチプロジェクト副理事長に就任。松屋通親交会理事、京橋消防署防火管理研究会監事、東京消防庁災害時支援ボランティア・京橋消防署コーディネーター、銀座の街研究会代表世話人、銀座食学塾世話人……

とある。別人です(笑)。私は、こんなに華麗な経歴と肩書を持っていません。

まあ、私もミツバチの本を書こうと動いたこともあったし、拙著の中で触れたことも幾度かあった。テーマ的には私の扱う内容に近いので、違和感なく私の本と思ってしまう人もいるのだろう。

一度会ってみたいものである。同姓同名の人に。この人を、私がインタビューして執筆したら、面白い本が書けそうだ(^o^)。三人称が、いつの間にやら一人称になったりして。

ちなみに、田中淳夫名の本は、ほかにも
「鋼構造の接合―ワンポイント=建築技術」とか「送電線路の碍子耐塩塵害設計と保守」という本を書いた人もいる(^^;)。

2009/04/22

お婿さん募集中

昨日紹介した「嫁さん」募集中の、中島彩さん。

よく話すと、お婿さんも募集中だそうだ(^o^)。

だから、今日は改めて募集し直す。

彼女のお婿さんになりたい人は、手を挙げてください。私が面接します(^o^)。

ただし、やはり条件がある。
まず最大の条件は、広島県廿日市市の吉和に住めること。彼女は、吉和から出るつもりはないのだ。何より、吉和の住民が放してくれない(笑)。
近頃凝っているロードバイク、つまり自転車が好きであること。たまの休み、なぜかアップダウンの激しい中国地方山間部を走り回る。普段身体を使っているんだから、ゆっくり休めばいいのに……と思うが、肉体派なのだ。ちなみに前職は、ダンサー。
そして、当然ながら林業にも理解がないといけない。彼女は林業から足を洗う予定はなさそうだ。グラップルを操り、チェンソーの目立てにこだわり、炎天下の下刈りをこなす。苗木づくりにも挑む。

053この雄姿を見よ。

チェンソーを軽々と?持ち歩き、太くなった腕を自慢する。                                                   

                                                  

彼女は、数少ない女性の新規林業従事者である。安田林業に勤めてまだ1年だが、地拵えから植林、伐採、搬出まで、ほぼすべての林業の行程を経験している。今後は森林施業計画づくりも学ぶ予定……らしい。

加えて、女性・単身ゆえの田舎暮らしの大変さも背負う。迷うことがあっても、立ち止まる暇はなさそうだ。おそらく走りながら、答を見つけていくのだろう。

そんな彼女を支えたい人はいないか。

そうそう、やはり婿の条件は、家事ができること。ここんところ、嫁さん募集と同じ(笑)。

2009/04/21

嫁さん募集中

嫁さん募集中
広島の彼女です(((^^;)

彼女、大変なんです。一人で山村に移り住み、林業やってるから。家事やる暇がない。だから、「嫁さん」募集中だそうです。
条件は、同業者ではないこと。夜帰宅したら、明るく迎えてくれること。もちろん家事ができなくてはなりません。
人柄は折り紙つきです。誰か立候補しませんか?

2009/04/20

野鳥が減った理由

毎日新聞によると、森林総研の調査で、鳥類の生息域が大幅に減少しているらしい。

国内の森林面積は1970年代から変わらないのに、、林業の停滞で明るく若い森が減って、それを好む鳥が減ったのだというのだ。

なるほど、若い林齢の森林なら日光が林床まで差し込み、草が生えて、その草目当ての昆虫が増える。すると昆虫を餌とする鳥なども増える。逆に林齢が高くなると、日光が地表まで届かないため草などが生えず、鳥獣や昆虫が減る。

現在、森林が伐採されないことで鳥類を含む生態系が狂いだしている……。

この研究に異議を唱えるつもりはないが、疑問が湧かないだろうか。
林業が伐採するのは基本的に人工林。人工林の伐採跡地だって草はよく生えて、昆虫や鳥類を増やしているかもしれないが、少し植生のズレを感じる。それとも天然林の伐採をもっと勧めるべきか。

そして、もう一つ。日本全国に林業地が広がったのは、戦後ではないか。それ以前の伐採は、林業というより薪の採取や焼き畑だった可能性が高い。こちらは雑木林だ。里山と言ってもよい。つまり、鳥類の生息域の減少は、里山崩壊が原因だ。林業に要因を求めるのは、ちょっと無理がある。

それも含めて人為が生物多様性を作ってきたというのなら結構なのだが、では人為のない時代の自然は、元から鳥獣はさして多くなかったことになる。
つまり、人が森林を伐採して生物多様性を増やし、自然を豊かにしたのであり、それは一種のバブルだ。現在はバブルが崩壊して、多様性が落ち着きだした時期に当たる……。だから、あまり悲観的にならなくてもいいのではないか。

こんな理屈をこねたら、世間はどういうだろうなあ(笑)。

2009/04/19

割り箸を土産として売る方法

昨日、今日と、関西への来訪者がいてアテンドしていた。

昨日は京都の北方面を回る。そして京都に泊まるつもりだったようだが……私が無理やり奈良に宿泊するよう手配した。奈良県宿泊客数全国最下位からの脱出の一助である。

で、夜は飲み歩いたのだが、お土産を買うために店に入って、私が勧めたのが、割り箸。

しっかり吉野杉の割り箸コーナーがあったからだ。

その中の一つは、割り箸に大仏のイラストが焼き印として圧されていた。これは面白い、お土産になると喜んでくれた。会社の同僚などに配るには、たいして高くないもので、使って(食べて)すぐなくなるものがいい。そしてご当地(奈良)を象徴するものが土産となる。
割り箸は、それらの条件に満たす。とくに大仏のイラストがオシャレだ。奈良土産であることを主張できる。だが……彼は、結局、買わなかった。

なぜか。大仏焼き印が入っているのはいいのだが、その箸は50膳ばかりをまとめて詰められていたからだ。箸袋がない。

土産に配るということは、一人1膳ずつ、渡すということだ。だが、口に運ぶ箸をむき出しでは渡せない。受け取っても、箸として使う気になれないだろう。

50膳、100膳まとめて袋詰めしているのは、お得タイプであり、自宅で使うのならそれでいい。私も、そうしたものを買う。しかし、自分が使うものに大仏の焼き印はいらない。あくまでお土産用だから引き立つのだ。

せっかく割り箸に大仏印をいれるというアイデアを思い付いたのに、それを土産用というコンセプトに合わせたパッケージをしなければ、買ってくれないのである。どうせなら、和紙とか千代紙とかでオシャレな箸袋を付けたら、少々高くなっても売れるのに。

なかにはきれいな箸袋入りの吉野杉箸も売っていたのだが、それには大仏印が入っていない。やたら高級感を出していて、大勢に配るシャレの効いた土産用にはなっていなかった。

どこか、奈良の土産はちぐはぐ。これが来客の感想だった。

で、彼の買ったお土産は、せんと君の饅頭である(^o^)。

2009/04/18

うがやゲストハウス

うがやゲストハウス
うがやゲストハウス。奈良に始まって誕生したゲストハウスだ。

ドミトリーで一泊2500円。今は外国人が多いが、奈良の観光シーンを変えるかもしれないと思ってる。

追伸・ 奈良は、旅客宿泊者数が全国最下位。
そのため県も、ホテル誘致に必死になっているが、ことごとく失敗している。

しかし、本当に必要なのは、豪華な観光ホテルだろうか。そんなお金持ち狙いだけでは、宿泊者は増えないだろう。そもそも奈良は、観光ポイントが数多く、とても一日や二日で見終わることのできない町である。しかもゆったりした雰囲気が魅力になる奈良の町に必要なのは、長期滞在者用の安い宿ではないか。実際、安いから外国人客が殺到しているのだ。

200904181701001 お客さんと、女将。私も、家を飛び出したら、ここに滞在しよう。

2009/04/17

バイオマス活用推進基本法案

自民党や公明党は、今通常国会で、議員立法の形で「バイオマス活用推進基本法案」の成立をめざすことを決めたそうである。

この法案、ようするにバイオマス燃料などの普及を促すもので、関係省庁の調整を行う「活用推進会議」や有識者による「専門家会議」を設けることを柱にしている。政府に対し、基本計画の作成や財政措置を義務付けるほか、都道府県や市町村にも活用推進計画作成を求めるのだという。

まあ、内容はよくわからないが、森林整備で発生する間伐材も対象になっているのは間違いない。
そういえば岡山では、木質バイオマスから液体燃料をつくる研究を始めたそうだし、宮崎だったかバイオマス発電所の建設も決まった……記憶がある。

なんだか、ワンテンポ遅れでバイオマスに関する施策が動きだしたかのよう。

別に反対しないけどね~。

そこで思い出したのが、奈良県東吉野村だ。この村も、山に豊富に眠る木質バイオマスの利用について研究していたが、その結論が出たというニュースが流れていた。

その「木質バイオマス資源有効活用」案によると、薪、チップ、ペレットのコストを比較した結果、もっとも現実的なバイオマスの使い道は、薪にすることだと、費用の面からも適当と結論づけたのである。

おお、と私は大いに納得した(笑)。そうなのだ。いくら最新の科学技術を駆使しても、コストと手間を考えれば、薪なのである。そこで、 短期的には薪の利用を進めることにした。そこで今年度、村営宿泊施設「ふるさと村」に薪ストーブ3台を購入する。

もちろん将来的には、温泉への薪ボイラー導入、ペレット製造施設の設置などを検討するそうだが、薪用の木材を調達するため、山に放置されている材を、山林の個人所有者が自分で収集・搬出するそう。

水本実村長は「多少の負担があっても薪を使えば資源と金が村内で循環し、山林の手入れにもなる」と話している。(「毎日新聞」より)

そうだよ、これこれ。私が理想とするバイオマスエネルギーの形は、こうしたものである。

2009/04/16

天の声?

3月一杯で抱えていた仕事の大半に目途をつけて、少し惚けていた私。

やるべきことは、可能な限り先送り(^^;)して、ダラダラ過ごす。
まず連日の飲み会。有り難いことに、4月に入ると、たくさんの声がかかった。各地から友人が関西に来ることになって、その度につきあう。実は、今週末もそうだ。
ほかにもプライベートでいくつかの変化があり、それらに流されてダラダラ。

そこに7月に出版する予定の本が、8月に延びたという連絡が。
この点に関しては、原稿アップやらの作業が一ヶ月延びたことになるので気持ちが楽になる。まあ、怠けていたのだから状況に変化はないか。でも、ダラダラ期間が延びるぜ。

このままではいかん、と決心したのが、今年はいよいよ土倉庄三郎に関する執筆を開始すること。朝、そう決める。

と、その途端、今朝土倉庄三郎の子孫よりメールをいただいた。

おおお。数えてみると、庄三郎より4代目に当たるか。

動きだせ! いう天の声か。

何か新しい情報が得られるだろうか。

2009/04/15

森林セラピー元年?

昨日の記事に続くが、こんなサイト記事があった。マイコミジャーナル

日本に「森林セラピー」は普及するのか--第1回 森林セラピーガイド・森林セラピスト試験迫る
1 今年は森林セラピー元年?

第1回とあるから、まだ続くのだろう。また別に「ヘルスツーリズム」を紹介していて、信濃町ルポも付いている。なかなか筆者は力を入れているようだ。

そうか、今年は森林セラピー元年だったのか(^o^)と思った。

たしかに6月には森林セラピーガイドや森林セラピストの検定試験もある。本当に大丈夫か? と思える点も多々あるのだが、始まってしまったのだから、もう後戻りできまい。

ただ資格のうんぬんよりも、前回に触れたとおり、現場でそれが活かせるかが心配。いくらセラピストが「5人まで」と言っても、本当に5人で打ち切れるのか。そして作ったメニューを実行に移せるか。

私自身はガイドでも何でもないが、取材を通してその難しさを感じている。

もっとも「森林セラピーでは、何の知識披露や解説、おしゃべりもなく、ゆっくり被験者に付き添うだけ」という考え方もあるので、それは楽かもしれない(^o^)。

ともあれ゛資格認定試験は6月7日である。どんな要項で受験できるのかは、調べていない。でも、いくら資格を取っても、森林セラピー基地がないと使えないんだけど。いくら合格しても、勝手に肩書に使うことは禁止されているんじゃないか。

記事の結びは、「仕事でのストレスで心やからだを壊す前に、森林セラピー基地に滞在して心身ともにリフレッシュするというライフスタイルは、もうじき当たり前のことになるのかもしれない。」とあるが、本当にそうなるだろうか。

2009/04/14

『森を歩く』裏話4

少し間が空いたが、久しぶりの裏話。

森林療法のガイドが導く人数について、拙著には「ガイド一人当たりの人数は、できれば一人が望ましい。多くても一〇人を越えない。参加者が複数の場合も、家族や友人など親しい者だけにしよう」と記した。

実は、この人数、土壇場で書き換えている。最初は、「できれば一人が望ましい。多くても五人を越えない。」と記していた。

実際、そうなのだ、ごく普通の能力のガイド一人が目を配れる人数は、5人以下である。また癒し効果を最大限に発揮させるには、マンツーマンが望ましい。

しかし、5人以下とすると、ほとんどすべての森林セラピー基地は失格になってしまう……。それも6人7人と少しオーバーしているのならともかく、10人を越えるケースがままある。下手すると20人くらいになりかねない。
そこで、拙著ではギリギリ「10人を越えない」と妥協したのである。

もちろんそれは、各セラピー基地がまだ未整備で、ガイド養成が追いついていないことも影響している。また森林セラピー自体がイベント的に行われているため、募集した日程に大人数が押しかけるためでもある。

また参加者も、本当の意味で個々人が癒しを求めているというよりは、山歩きの延長のような気分で参加するケースが少なくない。わいわいがやがや歩きたい(^^;)という御仁もいる。
そして、ガイド料を惜しむケースが大きい。一人1万円とか1万500円のガイド料をけちって、人数が多ければ一人当たり払う金額が安くなる……と考えるわけだ。

が、こんな森林療法に何の効果を求めるのか。

もう一つ、複数の場合は見知った人だけのグループにしてほしい。間違っても、鬱症状の人を、初対面の人と一緒に組ませるようなことがあってはならない。それでは逆効果だ。
本当は、ガイドも専門のカウンセリング研修を受けている人が望ましい。安易に「頑張って歩きましょう!」とか「鬱なんて、森を歩けば治りますよ」といった馬鹿発言をされては大変なことになる。

……でも、現実には初対面同士を組ませたりするんだなあ。

6月には、初の「森林セラピーガイド」と「森林セラピスト」の資格認定試験も実施される。しっかり教えてもらいたい。

2009/04/13

植林マルチ商法?

スタイレックエンタープライズという会社が、マルチ商法を行っていると経産省が、3カ月間の業務停止命令を出した。

ついに、植林でマルチ商法が行われるようになったか! と妙に感慨深い(^^;)。

この商法、スーパーポローニアと呼ぶ品種改良された桐を植林するからと出資を募るものだ。この桐は、4、5年で成木となり木材として売れるのだという。出資額は、25万円程度だが、すでに3万人の会員(グリーンシップサポーター)を集めたという。その会員募集の際には、会員を勧誘すると換金するシステムだと説明したとかでマルチになるのだが、その問題は一般マスコミに任せておこう。

会員募集のもう一つの売り文句は、地球環境への寄与だ。生長が早く二酸化炭素を通常の木の4、5倍も吸収するとか、緑化に役立つとか、植林のよいイメージを最大限に使おうとしているのである。
ちなみに植林地は、アメリカとオーストラリア。朝日新聞には、「ほとんど植林していない」と書かれて、「14万本植えている!」と抗議したそうだ。

そんなことよりも笑うのは、根本的に桐材が高く売れるとしていることだ。

売れんでしょう。日本では桐というと、桐タンスを思い浮かべて高級材かも、と思いがちだが、現実の桐材は軽さは喜ばれるものの、材としてはあまり強度もないし、傷つきやすいし、使い道は限定される。チップにはなるだろうが、高く大量に売れる木材ではない。

この木をいくら植林しても、売れず、売れても馬鹿安値で、とても配当できないだろう。

この会社のホームページを見たら、真面目に作っている印象を与えていたが、よくよく読めば突っ込み処満載(^o^)。桐の説明や美しいイメージばかりで、肝心のビジネスが記されていない。だいたい会社そのものが4年前に設立されたばかりで、スーパーポローニアの販売に関わった形跡も見られない。(そもそもスーパーポローニアという名自体、この会社が勝手に命名したようで、別に新品種ではない。)

一方で林業不況が嘆かれているのに、木を植えたら儲かる! と訴えているところは、暗い顔した林業関係者への景気づけにはよいかもしれない。

2009/04/11

大手勝ちのふるさと納税

大阪府に、80歳の女性が、1億円を「ふるさと納税」したそうだ。

ほかにも大阪府には「爆笑問題」の田中が競馬で当てた1000万円を納税しているし、芸能人や文化人の納税が相次いでいる。これを橋下効果と呼ぶ声もある。

ようするに有名人にはファンが寄付する土壌を作りやすいということだ。それに腐っても大阪府で、地域ブランドも宣伝力もある。この点は、東京都なども同じだろう。

が、ふるさと納税制度って、そんな大都会に有利にするための制度だったのか?
もともとは、削られた地方交付税の穴埋めになれば、というつましい発想だったはずだ。つまり地方の財源が細っている自治体に、その地域に思い入れのある地域外の人がお金を回せることを狙っていた。

しかし、寄付(納税)したくなる魅力を振りまくには、やはり情報発信力のある大都市の方が有利なのである。ここでは大手勝ちの構造が生れている。

結局、企業も大きければコストダウンを計りやすいとか、流通を握れる、さらには金融危機でも倒産すると影響が大きいからと政府の援助があったりして潰されないことまで、大手が優遇されるのである。

今や強者だけが生き残れる社会構造が築かれている。……なんだか共産主義者になった気分だが、しかし、中小が消えた後も大手が生き残れると思うなよ。

2009/04/10

落枝裁判

尾瀬国立公園の木道で、折れたブナの枝の直撃を受け死亡したの遺族が、県と国を訴えた裁判の判決がでた。福島地裁会津若松支部は、「主因は強風であり、行政の管理が不十分だったとはいえない」などとして、請求棄却である。

この裁判で思い出すのは、十和田湖国立公園……だったかな。遊歩道を歩いていて、同じ落枝で半身不随になった女性の裁判。こちらは請求を認めた。よく似た条件で、まったく正反対の判決がでたわけだ。

その際にブログに書いたのだが、私の立場は、なぜ自然物の管理責任があるのだろうか、という点だ。両事件の細かな条件は当然違うだろうが、国立公園は管理する公園なのか。

法律論議はさておき、管理を求める市民が増え裁判が頻発すれば、おそらく役所はどんどん厳しくなり、自然との触れ合いも消えるだろう。

市民の多くは、公園という名に騙されているのではないか。都市公園、児童遊園ではなく、国立公園は自然の保護区域を示す用語だ。

いっそ国立公園、国定公園、さらに森林公園なんて言葉も使わない方がいいのかもしれない。そして自然と触れ合うには、リスクを負うことを伝えるべきではないか。

2009/04/09

Amazonランキング

ふと、ネット書店のAmazon内で『森を歩く 森林セラピーへのいざない』は、どの程度売れているか気になった。

すると

環境保護部門で、1位!
地球科学・エコロジー部門で26位
建築・土木工学部門で27位

であった。『森を歩く』が環境やエコロジーはともかく土木本だったとは知らなかった(笑)。

ちなみに、拙著の中では、これまで順位が低かったのだが、ここ数日で急に1位に躍り出た。新刊なのに最初から1位ではないことには問題を感じていたのだが、どうやら書評、とくに朝日新聞の書評の影響かと思われる。やはり全国紙の威力だろう。あと、「東洋経済」に「田舎暮らしの本」も全国雑誌。

まあ、季節的にも新緑が広がってからが森を歩きたくなる時期だ。

2009/04/08

耕作放棄と、農作物放棄

山梨では、限界集落いっぱいの町を訪れた。

それでも、田畑はよく耕されていた……

農水省が、初めて耕作放棄地の調査を行った。その結果が発表になっているが、全国で約47・4万ヘクタールの放棄地があるそうだ。
そのうち13・5万ヘクタールが、もはや農地とししては使えない原野にもどっているという。すぐにでも農地にもどせる土地は、19万ヘクタールである。残りは、多少の整備をしないと農地にもどらない土地。ようするに3割り近くは、すでに農地ではない

この3つの区分は、時間軸に並んでいて、どんどん原野が増えていくのは間違いない。これは恐ろしい数字なのだが……実はもっと現実は薄ら寒い。

中山間地では、高齢化した住民が、必死に農地を耕している。だから、まだ放棄地が47万ヘクタールで留まっているとさえ言える。
が、努力して耕して作られた作物……米や野菜はどうなっているだろうか。

そこに住む人たちだけでは消費しきれないのだ。かといって、出荷するほどの量と質を保てない。形や大きさなどを整える調整作業も手間がかかってできない。無理に出荷すると、箱代で赤字になる。

で、作った作物を捨てている。

苦労して作り、肥料代や機械代も費やして作った作物を捨てている。

それでも耕すのは、農地を農地のままに保ちたいという「尊厳」みたいなものだ。

それをおかしいと笑えない。なぜなら、林業でやっている切り捨て間伐がまさにそうだからだ。林業の方が、もっと大規模にやっている。なにしろ補助金つぎ込んで捨てているのだから。これって、産業廃棄物か。

先日、聞いた話。なんと昨年度の経済対策で、中山間地で耕した農家には補助金が出るようになったそうだ。もちろん米も。片や減反を強要して、その代わりに補助金を渡し、その陰で(自給用に?)耕した農地には補助金を出す。こういうのは、マッチポンプとさえ言わない。

こちらは笑える

2009/04/07

東京-山梨行

昨日から、東京と山梨を回っていた。ちょっと疲れモード。

東京は桜が満開。山梨の山も、新緑に覆われていた。奈良より早いかも。

東京では、次の出版の打ち合わせ。どうやら7月に出そうだ。ちょっと急がなくてはならない。第一稿は4月1日に上げたのだが、まだこれからだ。

『森を歩く』も、もう一踏ん張り。
かなりいい線まで行っているようだ。
花姥さんの活躍は、しっかり伝えました(^o^)。
いまや営業を出版社側にだけ任しておけない……とは、編集者との話。

本の内容は、これから、むしろ新緑の5月に売れるべきものだし、書評などが出てくるのもこれからだ。すでにインタビューを受けた新聞もある。今度はラジオ出演の話も来ている。それまでに店頭から消えてはチャンスロスしてしまう。頑張らねば。

2009/04/06

中国発・木製自転車

自転車大国の中国で、完全木製自転車が登場した。

http://www.gizmodo.jp/2009/04/100_4.html

090401woodenbike_shandong.jpg

ハンドルやシャーシーはもちろん、タイヤも木製。チェーンは、木製クランクシャフト式にしている。お見事! という出来だ。

作ったのは、中国山東省の大工Peijia Wuさん。55歳のこのおじさんは、製作に3ヶ月かけたそうだ。

乗り心地や売り物としてはともかく、木製にこだわるんなら、ここまで行くと楽しい(^o^)。

2009/04/05

『森を歩く』書評・朝日新聞

5日の朝日新聞書評欄に、『森を歩く』が掲載された。

新書コーナーで、表紙の写真もない小さな扱いだが、全国紙一番乗りである。

期待したいところだが……夜、奈良市に出る用事があったのだが、そこで覗いた中規模の書店には、各新聞の書評欄が壁に張り出してあった。そして、紹介された本が並べられてある。

当然……と期待するが、拙著はなし。

店内を探すが、やっぱりなし。

よく見ると、入荷状況の一覧もあって、『森を歩く』は、「取り寄せ」になっていた(>_<)。

思わず、10冊注文してやろうかとカウンターに向かうが、客がごった返していて、そこに割り込んで店長を呼び出す勇気なし。

それにしても、今回同じような経験を各所の書店でしている。

平積みされているが、すでに1、2冊しかないケース。一度は入荷したが、売り切れたのか現在はないケース。

どうやら、並べると売れるらしい。にもかかわらず、無くなった分を発注しないという状況が読み取れる。ちぇ。

朝日の書評で、少しは状況変わらんかな。

2009/04/04

人工林の生物多様性

スギやヒノキの人工林と言えば、どうしても天然林に比べると生物多様性が劣る、と思われがちだ。そのほか、保水力なども劣るとされる。

それに対して、私は、そんなことはないと、以前から書き続けた。手入れをちゃんとすれば、人工林でも、十分に多くの生物が生息できると。

とくに三重県の速水林業の調査を紹介している。同じ地域の天然林の植物数は185種、それに比べてヒノキ林には243種あったという事実だ。
手入れされた人工林は、生物多様性も増すことの証明になる。

……ところが、この話をすると「速水さんのところは特別だから」と逃げる人が多い。
それはないだろう。たしかに速水さんは卓越した林業経営者だが、誰にも真似のできない技術を持っているわけではない。基本的なやり方は、どこの林業地でもできることだ。

ただデータが速水林業だけというのは、たしかに弱い。
そう思っていたら、愛知県で態調査が行われて、その結果が発表になっていた。奥三河地方で、2年がかりで地形や地質のほか、植生などの状況を調べ、希少種を確認した「奥山環境カルテ」を作成したのである。

その中で注目したいのは、奥山は8割近くがスギやヒノキの人工林なのにもかかわらず、県の「レッドデータブック2009」に載った絶滅の恐れがある植物587種のうち304種、コケ植物も68種のうち45種が生息していた事実だ。
動物では哺乳類18種、鳥類40種、昆虫60種など、希少種の半数程度が確認されたという。

厳密には人工林だけではないが、人工林でも十分生物多様性が保たれていることの証明になるのではないか。

私は、人工林を古くから作っていた吉野でも調査しないか、と内々に言ってきた。
もしかしたら、吉野のスギ林は、速水林業のヒノキ林以上の生物多様性が発見されるかもしれない。その可能性は十分ある。実際、林地を歩いたら、速水の森よりも吉野の巨木の森の方が、豊かに感じたからだ。
そうなれば、人工林のイメージを一新できるはずだ。また生産物である木材の付加価値になるだろう。

もっと各地でも調査すべきだろう。

 

2009/04/03

国産材取引サイト「林サク」

こんなサイトを見つけた。

林サク

三重県の建設会社kodo.cc(コードー・ドット・シーシー)と、早稲田大学ロジスティクス研究所が合同で開発した、国産木材を外材並みの価格で流通させることを目指す会員制取引サイトだそうである。

工務店に会員となってもらい、住宅建材などの発注リストを掲載する。それを価格競争力のある各地の森林組合や木材業者が直接検索して、条件に合った受発注の成約をネットで完結させようというものだ。 

発注者が入力するのは、必要な木材の種類や工期、予定金額など。検索相手からの質問に答え、最終的に受注を決めた売り手からメールが届くシステムだ。

初年度に受発注者双方で合計1万社・組合の会員獲得をめざすという。
そして国産材による新築木造住宅1000棟相当の施工取引を成立させたいという。手数料は1%だが、年間4000万円の収入を見込む。

斬新な計画だ……と言いたいところだが、実はよく似た試みの記憶がある。

それは、ログウェル日本が作ったログウェル・システムである。この会社は、元林野庁の職員がトヨタと組んで立案したのだが、最終的にトヨタはゴーサインを出さなかったので、自ら会社を立ち上げたものだ。ここでも、インターネットによる木材取引を狙っていた。

結果的に、ログウェル・システムは立ち行かなくなってしまった。理由は、大雑把に言えば、発注者、受注者が思うように動いてくれなかったからのようだ。つまり、必要な木材の寸法などをしっかり書き込んだ木拾い表を作らないとか、どこにどんな木材があるか在庫表を出さないとか。詳しくはわからないが、建設業界の伏魔殿? というよりいい加減さにつまずいた(-.-)ような印象がある。

さて、今回のシステムは、どうだろう。ログウェル時代よりも世相も変わったし、業者も少しは進歩してきたように感じる。インターネット取引への忌避感も減った。
また建設業界が仕掛けたことで、会員獲得に自信はあるのだろうか。

日本の林業界は、どうやら素材生産態勢に関しては未来か見えてきている。一部とはいえ、機械化と集約化を進めて低コスト施業にも乗り出した。また大企業偏重とはいえ、木材加工業界もかなり進んできた。国産材でも製材・集成材・合板を外材に見劣りせず、価格も抑えた生産を可能にしてきた。

残るは、販売態勢である。最後の出口をしっかり国産材製品を受け入れられるようにしなければならない。このようなサイトを通じた試みは、その一つになるだろうか。

 

2009/04/02

『森を歩く』書評・田舎暮らしの本

本日届いた田舎暮らしの本5月号。

ここに、『森を歩く 森林セラピーへのいざない』の書評が掲載されました。

003                                                  

感謝! です。

一見、田舎暮らしには関係ないようだが、実は都会人が田舎暮らしに求めるものは、「癒し」なんだ、と思う。

ところで、定価が1102円となっている。本体1050円に消費税を足した金額であるが、正確には1103円なのです(笑)。最後の端数をどのように処理するか書店にもよるが、もし実際に買うときに「1円高い!」と怒らないでください。

2009/04/01

総務省の「地域おこし協力隊員」

今朝のワイドショーを見ていると、どこも自民党の「追加経済対策」を紹介していた。

そして「スギ300万本伐採」を取り上げている。だいたいスタジオの声は、そんなの雇用効果あるわけないじゃない という意見で一致。

やっぱり自民党の思いつき政策としか言えないのだが、今度は総務省が負けないような思いつき政策(笑)を公表していたよ。

都市部の若者を地方に派遣する「地域おこし協力隊員」である。
失業中の若者などに地方で活動してもらって、地方への就職、定住のきっかけにさせるというのだ。

隊員は各市町村が募集して、期間は1~3年間。仕事は農業や漁業、森林や河川など水源の管理(ようするにごみ拾いだろう)など。報酬は年200万円程度。住宅や活動に使う車も準備するというから、結構至れり尽くせりだ。今年度は300人程度を想定し、3年後には年3000人規模をめざすとか……。ちなみに費用の一部は国の特別交付税。1人当たり350万円程度を支援する。

オーマイゴッド! と天を仰ぎたくなる。

年度末だった昨日は、どの新聞も「田舎で働き隊!」の全面広告が幾つも載っていて、さぞかし苦境の広告業界や新聞業界を助けただろうと思わせたが、こちらもその延長か。

国の金で雇われた人が、田舎の仕事をどんどん行えれば、地元の人から仕事を奪うかもしれない。地元の人が同じ仕事に従事しても、国からの補助金は支払われないのだろう。
幽霊協力隊員をでっち上げて、交付金だけ取るケースだって出てくるかもしれない。

名称からは青年海外協力隊を想像させるが、あちらは、とにもかくにも地元に提供する何らかのノウハウを持って途上国に教えに行くわけだが、このケースは、何も教えるものはなく、むしろ教えなくてはならない。田舎から仕事もノウハウも収奪する政策かも。

しかし、考え方を変えて、この制度で都会人をとりあえず田舎に引き込み、単純労働に従事させるのもよいかもしれない。狙いは、国の特別交付金だ。受け入れることで、農林漁業に仕事を作り、協力隊員へ払う給料も、地元で消費させる。都会に買い物には行かさない。たこ部屋か(-.-)。どうせ1~3年で帰ってしまうんだから、こき使って使い捨てしても心は痛まない(笑)。

こんなこと、私が指摘しなくても、田舎の人はすでに考えているだろうな。

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