総務省の「地域おこし協力隊員」
今朝のワイドショーを見ていると、どこも自民党の「追加経済対策」を紹介していた。
そして「スギ300万本伐採」を取り上げている。だいたいスタジオの声は、そんなの雇用効果あるわけないじゃない という意見で一致。
やっぱり自民党の思いつき政策としか言えないのだが、今度は総務省が負けないような思いつき政策(笑)を公表していたよ。
都市部の若者を地方に派遣する「地域おこし協力隊員」である。
失業中の若者などに地方で活動してもらって、地方への就職、定住のきっかけにさせるというのだ。
隊員は各市町村が募集して、期間は1~3年間。仕事は農業や漁業、森林や河川など水源の管理(ようするにごみ拾いだろう)など。報酬は年200万円程度。住宅や活動に使う車も準備するというから、結構至れり尽くせりだ。今年度は300人程度を想定し、3年後には年3000人規模をめざすとか……。ちなみに費用の一部は国の特別交付税。1人当たり350万円程度を支援する。
オーマイゴッド! と天を仰ぎたくなる。
年度末だった昨日は、どの新聞も「田舎で働き隊!」の全面広告が幾つも載っていて、さぞかし苦境の広告業界や新聞業界を助けただろうと思わせたが、こちらもその延長か。
国の金で雇われた人が、田舎の仕事をどんどん行えれば、地元の人から仕事を奪うかもしれない。地元の人が同じ仕事に従事しても、国からの補助金は支払われないのだろう。
幽霊協力隊員をでっち上げて、交付金だけ取るケースだって出てくるかもしれない。
名称からは青年海外協力隊を想像させるが、あちらは、とにもかくにも地元に提供する何らかのノウハウを持って途上国に教えに行くわけだが、このケースは、何も教えるものはなく、むしろ教えなくてはならない。田舎から仕事もノウハウも収奪する政策かも。
しかし、考え方を変えて、この制度で都会人をとりあえず田舎に引き込み、単純労働に従事させるのもよいかもしれない。狙いは、国の特別交付金だ。受け入れることで、農林漁業に仕事を作り、協力隊員へ払う給料も、地元で消費させる。都会に買い物には行かさない。たこ部屋か(-.-)。どうせ1~3年で帰ってしまうんだから、こき使って使い捨てしても心は痛まない(笑)。
こんなこと、私が指摘しなくても、田舎の人はすでに考えているだろうな。
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