林業女性のネットワーク「チームアイリス」
森林・林業の世界に参入する女性が増えている。
正確な統計はないが、森林組合や民間会社に勤めて林業現場で働く女性は、ざっと200人くらいだそうだ。それに内勤の女性や、行政関係の林業担当者もいる。多少は女性の林業家もいる。全部合わせたら、1000人から2000人の間くらいかな。
そのほか、かつては林業職に就いていたが、結婚・出産などでリタイヤした人もいるだろうし、研究職はわりと多い。学生ともなると、かなり多い。大学によっては男性より多いこともある。ただし林業というより、大半は森林、環境に興味があるようだが……。
増えたといっても、マイナーなのは間違いない。林業自体がマイナーな世界だが、女性の場合は、その存在があまり知られず点在していることが、より問題のような気がする。
とくに現業の場合、ほかの世界とつながりが持ちにくい。男社会の林業現場の職場で孤立しかねない。もちろん、周りの男どもは、数少ない女性に気を遣うだろうし、チヤホヤする場合もあるだろう。だから決して親切でないというわけではないが(^^;)、やはり女性の気持ちや立場に踏み入れるのは難しいだろう。この世界には、゛何気なくセクハラ発言を連発する御仁も少なくないし(^^;)。
だが、少しずつ林業関係の女性が結びつく動きも起きている。
比較的早くできて有名なのは、レディースネットワーク21だ。都道府県庁の林業技術職に就いた女性のネットワークである。
そして、また新たに誕生した。
都市と農山村を結ぶ、女性の創る新しい森林ネットワーク「チームアイリス」である。
こちらは、誰でも林業女性ならよい。森林組合勤務の女性も含まれる。まだスタートしたばかり(スタート、したはずだよな……)だから、参加人数はそれほど多くないようだが、今後に期待しよう。主にネットでつながることをめざしているようだ。
そう思って、よく読むと、男性も参加できるらしい(笑)。都市生活者も含むから、どうやら林業に興味を持つ人なら誰でもいいのかな。
ともあれ、女性のみならず、マイナーゆえ孤立してしまってはいけない。せっかく掲げた志や意欲を、孤立ストレスで磨耗させないでほしい。
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「1日女性1名様限定〜森を歩く〜通常の半額5,000円!」ツアーをアップしています。これは下心からではありません。なぜか山崎山林の森林セラピーに女性の一人旅が多かったからです。設定金額が4,300円と安かったからかと思いますが、初めて会ったガイドと誰もいない森を二人っきりで歩くということがどんなことなのかとも思いますが、それ以上に今の女性はアクティブなのでしょう。もちろんみなさんに喜んでお帰り頂きました。
ますますの女性の進出を期待しましてのツアーです。「虫が嫌い」「森が怖い」と思う森林初心者の女性のお申し込みを期待します。1対1のマンツーマンですので、レベルに会わせた森の楽しみ方をご提供しています。気持ち一つで森が好きになります。ご安心ください。
山崎山林の森林セラピーガイドも女性の養成を目指しましたが、残念ながら社長の了承を得られませんでした。森林作業員との兼務を想定しましたが、社長は「そんな女性はいない」とのことでした。いなければ育てるだけのことなのに社長には理解されませんでした。現在の作業員でも女性が3人もいるのに。
私は森林の女性を応援します。林業現場にトイレが無くても一生懸命働いていた20歳代の女性が、私の林業での初めての先輩パートナーでした。造材現場の山土場で樹種から尺の当て方、トビの扱い方まで教えてもらいました。
恩返しにこれからチャレンジしようとする女性の応援をしたいと思います。釧路湿原までいらっしゃってください。
田中淳夫さん、先日はお名前を間違えてしまいまして申し訳ございませんでした。リンクを貼らせていただきました。
投稿: 山中慎一朗 | 2009/04/28 18:55
山中さんと二人っきりですか……危険な香りがする(笑)。でも森林セラピーは、本来マンツーマンでするものでしょう。
女性がほかにいないことを承知で林業界に飛び込んでくる女性を応援してください。きっと彼女らの存在が、林業界を変えるはずです。孤立を恐れず、連帯を求める……なんて言葉もあったな。
投稿: 田中淳夫 | 2009/04/28 22:28