クローズアップ現代「木くずで発電」
28日の「クローズアップ現代」で、木くずで発電することによって、CO2削減をめざす動きを紹介していた。カーボン・ニュートラルの理論を紹介して、建設廃材による木くずを発電に利用するものだ。
ところが、木くずが足りなくなったので、林地残材に目を向けた。横行する伐り捨て間伐によって無駄にしている木材が2000万トンもあることを指摘しつつ、この未利用材を燃料にしようというわけだ。もっとも伐出コストがかかるため、おいそれと実施できない。
そこで解決策として登場したのが、カーボン・オフセットの考え方だ。
……ここまで紹介して、気がつくのは、このブログで論じてきた「伐り捨て間伐」問題と、「カーボン・オフセット」が見事に登場していること。
なんというタイミングの良さ(笑)。まるでディレクターが、このブログを読んで番組を作ったみたいだ。
え? 私が、NHKの動きを知って先に書いたんじゃないかって? そ、そんな、そんなことないよ。ないない。絶対ない(笑)。
ま、細かな点をつけば問題点もあるのだが、わりとうまく全体の考え方や各所の動きを整理して紹介していたという印象を持った。
さらに発展させて、私がバラ農家で見たカーボンオフセットの考え方を、山村のような小さな自治体が行うことで苦しい自治体の財源にできる可能性も出てくるのではないかと思った。村上げて、木材などバイオマスのコジェネレーションを実行するなどしてCO2の排出を削減し、その量を売るのである。
以前、「森のゼロエミッション構想」(自治体内のエネルギー消費量と、自然エネルギー生産量を均衡させる)という夢物語があったが、金につなげれば実現性が具体化して見えてくる。
でも、CO2削減量を買い取れる企業って、そんなに多くない。買い取る量も限られている。結局、早い者勝ちかな。
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こんばんは
いよいよ田中さんの出番ですね。
最近各所で頓に田中さんの論説が話題に上っているようですね。
長年のご苦労が漸く実を結び始めたのではないでしょうか。
クローズアップ現代は、好きでよく見ています。
内容は難しくてチンプンカンプンですが。
国谷さんのファンなものですから。
美しくて頭がきれて、素適な女性ですね。
しかも大阪府のご出身で、なんだか「我が町のヒロイン」的な憧れを感じています。(年齢はずっとお若いのですが^^;)
投稿: 花姥 | 2009/05/29 19:47
林野庁もいよいよ、断末魔の叫びを上げ始めましたね。
日本の林業は、やはり基幹産業としてきちんとした対応をしなければ行けませんね。
私見ですが、カーボンオフセット、CSR、など色々と屁理屈をつけなければ林業に取組めない所に問題があります。
もう少し,謙虚に日本の素晴らしい森の産物を利用する制度を早急に立ち上げないと、行けませんね。
若者が安心して就業できる、林業制度が必要です。
二酸化炭素を減らすために林業をするのもいいですが,やはり材木として利用する方向で、考えて行きたい物です。
もちろん,木屑で発電するというアイデアは素晴らしいと思いますが,バイオマス資源を活用できるインフラの整備も同時にしないとうまく行かないですね。
田中さんには、釈迦に説法ですが、今までに書かれたご本の影響が出て来ていると正直思いますので、これからも正論を主張して行きましょう。
投稿: しゃべり杉爺 | 2009/05/29 20:38
私の影響力なんて、なきがごとしです。謙遜ではなく、政官界はそんなに甘くないでしょう。
まあ、私は現場を見聞し、思うところをコツコツ記し口にするだけです。
投稿: 田中淳夫 | 2009/06/01 00:56