九州からの割り箸事情
読売新聞の西部版(九州地域)に、「森守る割り箸」という記事が載ったようだ。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/life/905/li_090511.htm
記事によると、上天草市の松島木材センターは、1964年創業のスギの製材所だが、3年前から端材を使った割りばしづくりを始めたとある。
同センターの出荷量は1か月約50万膳。というから、年間約600万膳。まずまずの規模だ。大阪、熊本、福岡、東京などの問屋や飲食店に出荷している。箸袋には「九州の元気な森林づくりを応援しています」のメッセージがある。
後半は、全国の割り箸事情の紹介。
●北海道洞爺湖サミットに割り箸10万膳を提供したこと。
●全国大学生活協同組合連合会(大学生協連)で使われているNPO法人樹恩ネットワークの割り箸のこと。
●コンビニエンスストアのミニストップの国産割りばしの販売。
●広告入りの箸袋アドバシの紹介と、ハートツリーによる「ナチュラルローソン」82店で、使われていること。
●奈良県の吉野杉箸商工業協同組合の動き。
●山口大生協の使用済み国産割り箸のリサイクル運動。
そして、最後に林野庁のまとめとして、「08年の国内割りばし消費量は227億膳」と紹介する。また「輸入ものが約97%を占め、そのほとんどが中国産という。国産は6億膳」ともある。これは、私が調べたときと少し数値が違う。
2年前までは、250億膳、国産は5億膳と言われた。(だから輸入ものが98%。)
それが国産割り箸が3%になった。全体の消費量が減ったのは、景気の悪化や飲食店の樹脂箸への転換などが影響しているのだろう。一方で、国産割り箸の生産はわずかに上向いたことになる。この3年間の変化は、割り箸の将来に何を示しているのだろうか。
ざっと、割り箸事情を俯瞰するにはよい記事だね。
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熊本にあるラーメンチェーン店「桂花」では天草のスギ割り箸を使ってましたよ。どこの会社の割り箸か調べたら松島のでした。
投稿: adfl | 2009/05/12 19:34
これはよい記事ですね~割り箸の現状なども良く判り
田中さんも紹介するはずです(^^)
そういえば、今日、毎日新聞の経済記事で気になる物
が・・・
「森林・林業白書:国産木材に回帰の動き」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090512dde007020077000c.html
無邪気によろこんでいる人のブログやコメントも
見かけましたが、林業の特に「流通」で実際に酷い目
にあった者として、この記事にはどうしても・・・
改革や現状の問題点がまた覆い隠されてしまわないか
心配です。
投稿: 地方出身元関西在住 | 2009/05/12 21:56
私、過分にも熊本に割り箸メーカーがあることを知りませんでした。ラーメン屋で杉箸は贅沢というか、太っ腹(笑)。桂花を贔屓にしよう。……て、関西にはなかったはずだけど。東京にはあるな。
流通でイタイ目に会いましたか。そういう人、多いです(^^;)。せっかく国産材を使おうと思ったのに……という話になります。でも、少しずつ改善してきたと思いますよ。
投稿: 田中淳夫 | 2009/05/12 22:25
>痛い目
いや~実は田中さんの著書にあった通りの目に
あい、その時は本当にビックリでした・・・
まさか、本当に「納期」やらでこんな事が・・・
って(^^;)・・数年前の話です(^^;)
あ、そういえば、またまたこんな記事が・・・
中国資本が日本の水源地を買収!?
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090512/biz0905122342041-n1.htm
林野庁が調査に動いているようです。
投稿: 地方出身元関西在住 | 2009/05/13 21:38
どんなイタイ目か、興味あるなあ(笑)。
日本の通常のビジネスシーンでは、あり得ねえ! ことが林業界にはまだ残っていますからね。
中国資本の森林買収の件、今頃になって急に話題になっていますね。まあ、私は……だと思っているんですけどね(^^;)。
この件に関する私の見解は、改めて。
投稿: 田中淳夫 | 2009/05/14 00:39