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森と林業と田舎の本

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2009/05/06

林業はニッチ産業

ラジオ出演の際にも聞かれたのだが、「森林ジャーナリストって、何?」

相変わらず私は、「日本でこの肩書を持っているのは、おそらく私一人です」と自慢? しておいた(笑)。だから日本一や! とまでは、さすがに言わなかったけど。

まあ、森林ジャーナリズムというのがあるのかどうかもさておき、こんな分野を扱う人が少ないのは間違いない。おかげさまで敵なしなのである(笑)。

実は先日、酒の席で話になったのだが、ニッチな分野を扱うと不況に強いのではないか、と言われた。その時の話題は、田舎の仕事だったが、狭い世界を相手にすると、大きく儲かることはない代わりに、いきなり仕事がなくなることも少ない。
ほかに取って代わる人がいないし、微妙な裏ノウハウがあって、それをマスターしないと新規参入はしづらい。そもそも小さな業界が変化する時は、人脈も密だからたいてい事前に察知できる。

そしてそれは、農業や林業といった分野もニッチ(隙間)産業ではないか、と気がついた。

自動車だ土木建築だ、といった巨大な工業系の産業の合間には、木材という素材が薄くはさまれている。一見何も見えないけれど、木材がなければその製品は成り立たないのだ。
あるいは外食産業も、農業なしに成り立たない。どんなに輸入しても、国産農産物は絶対に必要なのだ。

だから田舎業界は、意外と不況でも生き残れるのではないか? そして、林業も強いのではないか? これまで世間が好景気に沸いているときだって、田舎も農林業も不景気感が強かったのだから、今更金融危機だ、不況になったと騒いでも慣れっこ(^^;)。バブルの部分がないから、バブルが弾けてオタオタすることがない。

今も、不況や不況や、と叫んでいる林業関係者は多いが、実はこれは口癖にすぎず、補助金を取ってくるための作戦である(^o^)。また下手に新規参入が増えたら、ニッチがニッチでなくなるから、むしろ妨害しなければならない。

むしろ心配なのは、林業をニッチな世界と思わずにやっている人々だ。黙っていても政府は間伐促進の補助金を出すと思っている人とか、目先の木材の値段に右往左往する人。こういう人は、本当の林業ではなく、林業の表面に沸いたバブルなのである。

ちなみに私は、ニッチな林業や森林、山村といった業界?の、さらにニッチに食い込んでいることになる。隙間が狭すぎて、バブルも発生しようがない。これなら将来、安泰だ!

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

 林業はニッチ(隙間)産業だろうか?
林業関係者は間伐促進の補助金だけで生活していけるかな?
 本当の林業とは何なのか?

 地球温暖化対策として京都議定書の目標達成のため政府は補助金をばらまいてます。恩恵を受けている人々は金額に見合って多くいますが林業関係者すべてが良くなっていませんね。
 でも飛び込むしかない。生きていくには自分も家族も地球も守らなくてはいけない。
 森林を活性化することが地球を守り家族を守ることなのです。

 http://www.maketherule.jp/dr5/node/813
 http://www.maketherule.jp/dr5/node/810
 

林業や農業は、ニッチ産業どころではなくて,言うまでもなく国の基幹産業でしょう!!!(@|@)

2009年にもなるのに、この国の官僚達は未だに国の方向性を見定めて政策を立てれない程に病気である。

国の食料、建築材の自給など誰が考えてもきちんとした政策がなければならない事をきちんと対応しないで、製造業のみに利き足をおいている国は先進国で日本だけでしょう!!

まあ、今のうちはいいでしょうが、その内否が応でも農業と林業を再生しないと、行けない経済状況にじわじわとなりつつあるように思いますが,田中さん、いかがでしょうか?

田中さんが「森林ジャーナリスト」としてこれほど頑張っていても,まだまだ官僚達はボケッーとしていませんか?

林野庁はその内環境省に飲み込まれるでしょうが、今頃になり「新生産システム」とかいう大量生産方式を打ち出しています。もっと、100年先を見越した政策転換が必要ですね。

日本の農林業は、理念としては基幹産業ですが、実態は、総生産額も従事者(雇用)数も、そのほか純粋な国産部分を見ると、ニッチ産業と化していると思いますよ。
あえて言えば、農林業にパラサイトしている人の数では国の基幹かもしれない(>_<)。今度は失業者をパラサイトさせようとしている……。

でも、それゆえに底堅い。反転攻勢は夢ではない。


おっしゃるとおりですが、これからはまともな世の中に変わってほしいと真剣に考えています。
一人で出来る事には限りがありますが,
1本のワリバシにも5分の魂?
です。

反転攻勢は夢ではありません。
いずれ、皆が気づいて流れ込む事でしょう!
5年先か、10年先かは知りませんが!
そうならざるを得ない歴史の流れを感じてます。

「1本の割り箸にも5分の魂」。
このフレーズ、どこかで使わせてもらおう(笑)。

潜在的には、日本の農林業はものすごい可能性を秘めていると思っています。ただ、顕在化しない(-.-)。
隙間産業として歯を食いしばり現在を生き残り未来につなごうとしている人々(私も含む?)に、愛の手を(^o^)。

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» 農業への転職 [農業への転職]
農業への転職を考えていたのですが、とうとうこの春から農業を始めました。最近は不景気のため、サラリーマンとして働くには将来的にも常に不安がつきまとい、現に失業を余儀なくされている人があとをたたない状況です。そんな不安からも解放されて、誰にも文句を言われずに好きなときに好きなことをやって生計を立てていくのが夢でした。... [続きを読む]

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