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2009/06/10

200年住宅よりも、20年住宅!?

政府が、長期優良住宅促進法という法律を施行した。

いわゆる「200年住宅」制度というもので、長く強度を保てたりシロアリ対策をしている、間取りを変更しやすいなどの構造を取った家は、住宅ローンや税金などが優遇されるらしい。こうした家づくりを進めたら業界の信頼感が高まるから、住宅市場の起爆剤になる……と期待しているらしい。

でも、なあ。日本の住宅の寿命が短いのは、構造の問題だけだろうか。
やはり時代とともに求めるデザインや機能性が変化することが大きいと思う。さらに日本人の感性として「禊ぎ」の精神から、世代が変わったら一新したがるからではなかろうか。伊勢神宮に始まる発想だ。実際、私も今両親が住んでいる家は、私には使い勝手がよくないもの(^^;)。

それに、素朴な疑問として「味長持ちのガム」のコマーシャルじゃないけど、住宅も長持ちさせたら買う人が減る、住宅市場は伸びるどころか縮小するんじゃないの?

折しも、今年4月の新設住宅着工戸数の発表があったが、前年比32,4%減の6万6198戸である。5ヶ月連続の減少となった。とくに6万戸台は2ヶ月連続で、過去最低水準だそうだ。このままだと年率換算値は77万9000戸

減少傾向にある住宅着工戸数だが、それでも毎年100万戸を切ることはなかったはず。たしか昨年度も110万戸ぐらいはあったと記憶している。それが78万戸前後になれば、約3割減? か。 このうち木造建築が何軒になるかわからないが、林業界にとっても、需要の激減が予想される。

木材需要の点から考えると、いかなる住宅政策の方向性が考えられるか。

いっそ、20年住宅を開発する。20年ごとに建て替えることが前提の住宅で、ローンも20年以下になる超低価格住宅。どうせ地震国の日本だから、潰れるのが前提でもいいんではないかい? ただし強度だけは確実にする。家が壊れない強度ではなく、中の人や財産を傷つけない強度だ。実は、これに木造は向いている。
こうなると、「飽きたらから建て替えよう」という人も現れて、よく木材が売れる(笑)。

リノベーション住宅というのはどうだ。間取りも窓の位置も内装デザインも簡単に換えられる住宅。日曜大工感覚で、壁の板を外しては、新しい板や窓枠にできる。玄関の戸とか部屋の戸も交換できる。その度に部材を買わせる。

もう少しマジメに考えると、住宅着工件数が減るのは、仕方がない。人口が減少しているのだから。しかし、今や住宅は木造の割合が減っている。だから住宅の木造比率を上げることをめざすべきだ。
だから、法律で鉄骨住宅を禁止する(^^;)。新建材も使わせない(*_*)。……は、無理だろうが、木材使用比率によって税制を優遇するような考え方は不可能ではないはず。減価償却期限の見直しとか、住宅所得税の変更で対応できないか。いっそのこと、国産材を使うことでウッドマイレージCO2の削減を計り、その分をカーボン・オフセットの理屈で売買できれば、国産材住宅の方が実質安くなるのではなかろうか。

しかし、何よりも使いたくなるような木質建築材を開発することが先だろうな。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

全く、官僚達の考えることは単純ですね!
作文だけで生きている感じがします。

100年だろうが、200年だろうが、そんなに長いこと個人で同じ家に生活する人はいないでしょう!!!
また、寺院ならいざ知らず、そんなに長持ちする家屋をそもそも建設する必要がないです!!

それよりも、安くて健康にいい、いのちを守る家の建築、国内林業が活性化する施策を考えるべきでしょう。

あくまで、建設業界を助ける発想には、うんざりですね。
各地で、施主の希望を聞いて、まともな家を建てています。
京都の工務店、彩工房なんか、いいですね。
こんな工務店が増えるような施策を望みたいです!!
日本国内の建材を使用する方が安くて、外材が高くなるような法律を作りなさい!!
と、誰でもが叫びたくなりますね!!
まったく、この国の支配層は内部崩壊です。

鳩山邦夫君は頑張ってますが!

ところが問題点があるんですね。
仮に20年住宅を提唱したら、コストダウンを図れて簡単に組み立てられる住宅なら新建材のパネル住宅です! ということになりかねない。木造は手間がかかる、コストも高い、と言われて国産材の需要促進につながらない可能性大です。敵もさる者です(て、誰が敵なんだ?)

やはり国産材でいかに使い勝手がよく、簡単に作れて、そして安い住宅を造れるか、という商品開発問題にもどってしまう。

切り捨て間伐の国産材を使用した家屋の商品開発を、素人でもいいですから考えてみるのもいかがですか?

これもダメ、アレもダメと、林業関係者の悪いとこは、田中さんが指摘するように最初からダメだと決めてかかるとこです。

自然で健康的な住環境を求める施主と、天然乾燥で水分含有率を20%以下に落としている、ご存知の天龍杉の新月伐採グループのような真面目に取組んでいる製材所グループが全国のあちこちにはありますね。

また、飫肥杉を使用した木造家屋をハウスメーカー(約半値!)よりも安く作り上げている日南市の工務店もありますよ。

ご存知かと思いますが、全国スギダラケ倶楽部というグループもありますから、これから国産の杉を使用した様々な商品開発があちこちで進んで行くような気がします。
あまり、国に頼んでやるのも考えものですか?

各地で頑張っている業者はたくさんいると思います。本当は、それらを結び、彼らの情報を一元化して必要とする人々に届ける……これが国の仕事だと思うんですが。どうも、面倒くさいらしい。
というと、国もやっていますよ、と言われるんですが、現実に現場に届いていないんです(-_-)。

その通りですね!!
実際、国は何もやってないし、現場の事は全くといっていい程に関心がないのでしょうね!!

やはり、民間の一般人(市民)が勝手に情報を収集してネットワークを立ち上げて、勝手に進める事が出来る時代になっているということですね! 逆にいえば、国に依存する体質返還が求められているという事でしょうか!

頑張りましょう!!ψ(`∇´)ψ

行政は、情報だけは持っていたりする。
そして官報や白書に載せたりもする。
でも、本当に必要な人のところに、その情報を紹介して熱心に口説かないと、動かないんです。

私は、国が抱えている情報を少しいただいて、それを現場の人にもわかるようにかみ砕いて紹介しているつもりなのですが……。

田中さん

もっともっとあなたのような情報をわかりやすくかみ砕いて解説できる科学ジャーナリストが日本には必要ですね。
アメリカやヨーロッパにはそのような科学ジャーナリストがいて、わかりやすい本を書いていますが、未だに我が国にはそのような本格的なジャーナリズムが育っていません。

あなたの活躍は出色だと思いますので、今後とも活躍されることを期待しております。

森林環境教育に微力を尽くしている教員より

おはようございます。
都度に拝見させていただいています。
かくいう私も建設業の生業にしているなかではありますが、
「まちづくり」に関わる中、
暮らし文化に住み継ぎが行われなくなったことも、
関わっているように感じてます。
超長期型住宅がスペックだけに注目している傍らで、
「暮らし」の在り様がほったらかしになっていると思います。
TホームのCMにて、
「当たり前に働いて当たり前に家が建つ・・・」
といった一節がありました、
世界的にみても一代で家持になるところがないように思いつつ、
周りの農家型家屋を見やれば、
三世代に住み継いで蓄えて家が建っている、
用は国産材を使うにしても、
山が育つサイクルと建替えのサイクルがあっていることも、
大事なのでは、と感じてます。

1軒を3世代住み継ぐ家を建てる……それが真っ当なご意見でしょうね。資源的にも、環境的にもそれが正しい。

ただ、自分が3世代のトップなら異論はありませんが、2番手3番手となると、「私はこんな家は好みじゃない」という声は出てしまう。
田舎に行くと、場違いな外材製洋風住宅に出くわすことがありますが、住む人にとってはそれが憧れだったのかもしれない。似合わない、と思うけど(笑)。

だから、デザインを一新するようなリノベーションを行える住宅構造も考えないといけないと思います。おそらくそれは、廃棄する時に解体しやすいし、古材の利用もしやすくなる。

私もこれからの住宅は再利用することを考えて、改築しやすい材料で立てるのがいいと思います。

なくなった黒川氏の提唱した’代謝する住宅’という概念はいいのですが、具体的にどういうのがいいのかわかりませんが。試行錯誤しながら、各地で取り組んでいくしかないのかもしれません。

昨年、ワラの家ワークショップに参加しましたが、おんな子どもでも作れる家というのは、大変楽しいのですが、建築法の規制で自由にワラの家を建てれないのは残念です。

ワラの家というと、三匹の子豚、のお話を創造しますが、きちんとした作り方です。
田中さんは、ワラの家を見たり、ワークショップに参加されたことありますか?

あんなん、家ではない! といわれればそうですが、一つの可能性を示す楽しい家造りかと思います。
コメント頂ければ幸いです。

 炭素固定の観点からすれば木造建築の寿命は長いほど良いと思います。しかし、個人の建てる住宅で100年、200年というのは長すぎるでしょう。基本的には使った木材の樹齢まで住宅を持たせるでいいんじゃないでしょうか。住宅を解体した時の木質廃材はパーティクルボードにするなり、バイオマス燃料として使えば「自然に優しい」住宅になると思うのですが。

家を固定した構造・空間と捉えると、親の家、祖父母の家を引き継ぐと思うと息苦しさが出ます。
フレキシブルに変えられる住まいなら、空間と素材を受け継いだ気持ちになれる。
そのためには、古材のリサイクル市場の確立も課題でしょうね。家の寿命を考えるより、素材の寿命に焦点を当てるべきです。

わらの家、取材したことありますよ。結果的に建築中を見ることはできなかったのですが、わらの塊が家になる発想は面白い。まあ、狭い土地だと、あの分厚さが容積を減らすから、痛し痒しですが(笑)。

田中様

おはようございます。

200年住宅は、ちょっと長すぎますね。
建築を生業にしているものとして、机上の空論に付き合わなければならないもどかしさがあります。

200年住宅の真意は、固定資産税の長期納税化とも言われています。耐久年数を伸ばせば、税金が長期に納めなければならないシステムです。(これから住宅をと考えている方には夢も希望も無い話ですが…。)

海杉自身は、木造住宅にかかる税負担を軽減して、鉄骨やコンクリート造の住宅には、負荷をかける方が、環境対策になると考えます。

CO2の量で税金を考えると国産の木材での住宅が一番安くなると思われるからです。

せめて、木材を内装に使用していれば、固定資産税が減額になる処置がほしいものです。

住宅の耐久性や質的な向上も求めることが大切ですが、一般の国民が、エネルギーコストの削減に寄与することのでき、容易に手に入れることのできる質の高い住宅をめざすことが、住宅産業の生き残る道のような気がします。

長期納税ですか……。喜びそうだ。
一方で、税金いじるのは抵抗があるでしょう。
木造メーカーは概して中小で、鉄骨やコンクリートの住宅メーカーの多くは大手ですからね。でも、CO2の削減を訴えるなら可能性ありそうだ。

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