内装・外装商品の企画募集
先週末から続いたトビムシ・セミナーやその後連日となった飲み会で話題になったのは、やはり木材の商品開発であり、それをいかに売り出すかという営業戦略であった。
いかに不景気であろうと、売れる商品はある。儲かっている会社はある。不況のせいにして補助金に泣きつくことが、ビジネス体力を奪っている。
それぞれのセミナー、飲み会では、それらのヒントになる話がいっぱいあった。事実、儲けている人もいた。「ここだけの話……」利益率が馬鹿高く、手間もかからず濡れ手に泡、のような話もあった。立米50万円くらいで木材を売るのだ。
ま、それらのネタはこのブログでは披露しないが(^^;)、頭を使えば可能なのである。
そこで、こんな募集を紹介しよう。
住宅分野への地域材供給シェア拡大総合対策事業
地域材を生かした新製品企画の募集について
(財)日本住宅・木材技術センターと、(社)日本木材保存協会が、林野庁の助成を受けて、スギ、ヒノキ等の地域材を利用したマンションの内装材、もしくは住宅の外構材の新製品の企画を募集しているのである。
審査に合格すると、新製品開発のために必要な経費への支援(内装材及び外構材とも、400万円まで)と、製品開発に当たって専門家等からの指導、助言及び開発された製品の普及に対する支援が行われる。
悪くない話だ。箱ものではなく商品開発に公的機関が支援することは喜ばしい。
そして、内装材、外装材というのも、私の思いとぴったりだ。
私は常々、木材を構造材にしていては、いきづまる、と言ってきた。はっきり言って、木材は金属やコンクリートなどの構造材マテリアルにかなわない。いろいろ理由を付けて木材の優位性が語られるが、それは虚構だ。
強度なら鉄骨や鉄筋コンクリートの方が木材より強いに決まっている。耐震でも耐火でも、木材は劣るのだ。もちろん、それぞれ素材のメリットデメリットはあるが、木材がほかの構造素材を蹴散らすほどの優位は存在しないのだ。
唯一、木材が絶対的優位を保てるのは、感性に訴えることである。人の目、手触り肌触り、香り、温かみ……そして、何よりも天然物という心に訴えるもの。これだけは木材がほかのマテリアルと違いを主張できるのだ。
そして、感性素材としての木材が活かされるのは、内装材と外装材しかない。しかも、装飾用木材は通常薄く板にして使うから、難物の乾燥でも有利になる。単価は高く、一点当たりの使用素材量は少ない。
逆に、いくら構造材に立派な木材を使っても、上から新建材で覆われたら感性効果は何もなくなるだろう。
だから、木材の、内装材と外装材新商品を開発しろ。いろいろな機会を捉えて私はそう発信してきたつもりだが、あまり賛同が得られなかったようだ。
しかし、今回の企画募集は、ドンピシャ、その路線である。まあ、応募条件は法人格を持つことで応募期間も一ヶ月を切るなど、多少制限はあるが、厳しくはない。
我と思わん業者は、応募してはいかが。
« 世界一太い?木 | トップページ | マスコミ業界が瓦解する理由 »
「木製品・木造建築」カテゴリの記事
- スタンプカービング見つけた(2025.01.30)
- 木質ペレットに将来はあるか(2025.01.23)
- 大仏殿の雛型?喜光寺(2025.01.22)
- 春日大社一の鳥居(2025.01.20)
コメント