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2009/06/14

職人の矜持? 見栄?

吉野から帰って来た。

久しぶりに訪ねた割り箸の現場。いろいろ新しい情報に接して、割り箸業界も動いていることを実感。改めて注視したい。

ところで、訪ねた製箸所の最後の検品過程を見学した。

だいたい10種類に分類する。合格というか、一級品が8割。残りは問題ありだが、多少表面をカンナ掛けすれば売り物になるもの、白地の木地に少しだけ赤身が混じったもの、木目が目粗、箸先が開いている……という風に分けられる。これらは、値段を下げて出荷される。

で、欠陥品として外されるものも、数%出る。それは、燃やしてしまうそうだ。

その山を手に取ると、たしかに木地が欠けていたり、折れているもの、節、黒点が入ったものなどだが、なかにはどこが悪いんだか、わからないものもあった。

手に取ってまじまじと見るが、わからない。検品していたお母さんに聞くと、「………」。

あれえ? すぐにわからないらしい(^^;)。

どうやら、寸法足らずとか、赤身が多すぎて色がダンダラのもの、木目が流れていてきれいに割れないであろうもの、などらしいが、それだって使える。

どう見ても、食べる道具として、さして問題があるように思えない。

「これはどうするんですか?」

「燃やします」 きっぱりと言った。

「燃やすなんて! じゃあ、私がもらっていきます!」

「ダメです、ダメ」

押し問答を繰り返した。

「それなら、こちらの箸を持って行ってください」と示したのは、商品になるものではないか。そんなもの、もらえない。精根かけて作った品は、ちゃんと現金化してもらわないと。

いや、私は、商品にならない箸になった木材がもったいなく感じるから、せめて私が使いたいという思いなのに、欠陥品をお土産に持たせることに抵抗するのだ。
とうとう、押し切られて、商品をもらってしまった……。でも、手にしていた欠陥品も数膳こっそりと持ち帰る。窃盗だ(^^ゞ。

その写真を載せて、どこが欠陥なんだ? と示そうかと思ったが、失敗作を世に出したくないという思いを裏切ることになるから、止めておこう。

見栄えの点から欠陥扱いするが、使用に問題ない割り箸を外に出したくないというのは、割り箸職人の矜持なのか。それとも見栄なのか。

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コメント

「手にした時にしっくり来なかったから」とか、「悪ぃ箸ゃ持った瞬間分かるんデェ」とかの回答だったら恰好良かったのに(^_^;)。「職人の勘」ってヤツかも知れませんねぇ。

検品は、ほとんど瞬間にやってますね。
それこそ勘のようなもの。

こうした細密なこだわりが高級箸を生み出すとともに、コストを上げてしまう……難しいです。

私も1昨年、下市の割り箸製造工場を見学しましたが、らんちゅう、という最高級の割り箸生産現場では最終検品で4〜5段階に分けています!

しかも、その最下級の箸は近所の人にただで配ってしてました!私も頂きました、よ〜く見ないとどこが悪いのか分からない程度の物もあり、こんなに厳密に選別しないといけないのかなあ〜、と思いましたが、最高級割り箸ということで高値で販売するための手段でしょうが、
普通の消費者は別にそんな細かい所まで見ないし、安い方がいいに決まってます。

ですから、職人気質というよりは高価なワリバシということで販売しているようです。

消費者の視点で品質管理をして欲しいのです。もちろん、儲けを考えての戦略、例えばこのワリバシは間伐材を使用しており林業の再生に利用されますとか、何か環境的な価値を付与する必要がありますね。

まあ、これからは新しい価値観に基ずくエコワリバシの開発を行いたいですね。

全国の生協では、樹恩の割り箸を使用してますが、ある方によれべ樹恩の割り箸は真っすぐに割れない箸が多いとか聞きました。

まあ、それをどう受け止めるか? 
安いから仕方ないか、と思うか、やっぱり真っすぐ割れる吉野の割り箸が高くてもいい、のか消費者マインドをつかむ必要がありますね。

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