播州清水寺
兵庫県の播州・御獄山清水寺を訪れた。
このお寺は、とてつもなくすごいのである。まず西国二十五番札所である。
創建は1800年以上前の推古天皇の時代。なんと、日本に仏教が伝来するより前なのだ。
そして聖武天皇勅願で、行基が大講堂を建立している。
また坂野上田村麻呂が刀剣を奉納して残っているし、菅原道真の直筆が展示されている。
平清盛の文書もあれば、弁慶が使った囲碁盤もあり、そこには碁石がめり込んでいる。
ほかにもいろいろな歴史上の有名人が登場する。これほど古今の宝物が揃う古刹も珍しいのではないか。ただ、国宝や重文に指定されていないのが不思議だが……(^^;)。
もう一つ注目すべきは、寺領の山林が900町歩近くあることだ。以前は940町歩あったそうだ。もともとスギやヒノキの大木が林立していたそうだが、明治時代の写真を見せていただいたところ、ほとんど禿山状態だった。
いろいろ騒動があって立木を伐って売ったのだが、その際に間に入って事件を納め、伐採する代わりにちゃんと植林するからと、吉野の川上村から職人まで送り込んで森を再生したのが、土倉庄三郎なのである。その御礼として支払われた2万円(おそらく現代の2億円相当)を使って、寺までの道づくりも行っている。
庄三郎最晩年の仕事であった。
「垂不朽の碑」。土倉庄三郎の事績が刻まれている。
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題名に即、反応しました。
このお寺は『評伝土倉庄三郎』(土倉祥子著)で知りました。
行って実際にこの目で見てみたいと思っていました。
いいなぁ、田中さんはいろんな所へ行って見たいものを見ることが出来るんですね~。
勿論、並大抵でない才能や努力が必要なことはよくわかっていますが。。。
投稿: 花姥 | 2009/06/29 18:06
今回は、川上村の芳水塾の視察に同行させていただきました。おかげで住職直々の案内・解説を聞けるなど、非常に厚遇されました。
行くのは簡単ですよ。ちょっと家族とかお金とかを犠牲にするだけですから(^^;)。
投稿: 田中淳夫 | 2009/06/29 21:38