アド米袋
昨年、秋田のJAうごがあきたこまちのパッケージを、萌え美少女キャラクターのイラストにしたところ、爆発的な注文が殺到して、一時出荷をストップしたニュースがあった。
みんな萌え人気に注目したものだが、私は別の感想を持っていた。それは「米袋」というパッケージが媒体になることだ。これまで、ほとんど誰も注目しなかった米袋のデザインが売行きを左右する、そして米袋をしっかり見る消費者がいることに気づいたのである。
そして先日取材した、岐阜の(資)龍の瞳では、米袋に広告を載せられないかと提案していた。
龍の瞳とは、新たに誕生した米の品種で、コシヒカリよりはるかに大粒で食味も日本一の折り紙付き。その販売会社として設立されたのが(資)龍の瞳なのだが、もう一つ、NPO法人龍の瞳倶楽部も設立している。こちらは米づくりや森づくりを行うボランティア・交流団体をめざしているが、その資金源として米袋に目をつけたわけだ。米袋に載せた広告料をNPOに回そうという構想である。
まだこれからなので、実物はお見せできないが、米袋を媒体として利用しようと思い付いたことに私は萌え米袋と同じ発想を感じた。
これって、すごいことではないか。
割り箸の箸袋を広告媒体として利用する「アド箸」を私は紹介してきたが、米袋もその路線に乗るかもしれない。
これまで広告媒体は、マスへと動いてきた。チラシから新聞、雑誌、ラジオにテレビ。ところが、今はインターネットが勢いが増している。インターネット広告は、サイトを見る人という括りで消費者を選別できる。その方が広告効果は高いのである。だが、それでもマスには変わりない。
だが、箸袋や米袋は、もっと広告を目にする人を選別できる。箸を手にする人は、これから食事をするのだろう。だったら飲料の広告を載せると効果的だ。同じく、米袋を手にする人……とくに龍の瞳のような食味が良く高価な米を買う人に、適切な商品広告を載せれば効果はぐんと高まるのではなかろうか。
今後は、消費者をぐっと絞り込んだ広告が注目されるかもしれない。商品パッケージが持つメッセージ性を利用すると、その商品の売行きだけでなく、周辺商品にも波及させることができる。
ちなみにJAうごは、その後「羽後牛ビーフカレー」のパッケージにも、同じイラストレーターによる萌えキャラクターを採用したそうである。
農協の中でも、頑張っているところはある(笑)。ビジネスなんだから、自分であの手この手を考えなければ。
林業界もオチオチしていたら、アカン。他人に補助金ばかりか、立て直す具体策まで求めているようでは、何も始まらないのである。
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