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2009/07/09

村ぶろ

7月9日付け朝日新聞の夕刊に、「ブログでおこせ過疎の村」という記事が載った。
http://www.asahi.com/national/update/0708/OSK200907080098.html

これは和歌山県北山村が開いた「村ぶろ」というブログのポータルサイトによる地域おこしの紹介だ。北山村は、和歌山県の飛び地で、三重県と奈良県の間にある。小さな山村。

この村がプログ事業を初めて、地元民だけでなく、仮想村民を募集して、それぞれ綴ってもらうのだ。すでにブログ数は1600を超えたという。ページヴューは、1日約15万件。村民全員でも500人程度の小さな村だから、これはすごい規模なのだ。
おかげで村(だけでなく、紀伊半島全体)の様々な情報が常に更新されているし、それ自体が村の宣伝になる。
そして、重要なのは、このプログ・システムを販売していることだ。するとシステム使用料が入る。現在、全国17カ所で使われ、その収入が年間1000万円にも達する。

自主財源を1000万円も新たに確保したというのは、小村にはすごい価値だろう。めざせ、ライブドア? アメブロ? やっぱりココログ? かv(^0^)

もちろん、私はこの事業がスタートした2年前に取材している(^o^)。

この事業のすごいことは、何もITに詳しい人がいて、始めたのではないということだ。
村の公式HPを作ろう、という命が下った時に、担当者は、「いまやインターネットはホームページよりブログですよ」と提案したことから始まったという。

まあ、このくらいの知識なら私も当時持っていたし、誰もが感じていたことだろう。が、どうせやるなら村のブログを立ち上げるだけでなく、ポータルサイトになってブログを提供する側に回ろう、という発想だった。

とはいえ、担当者がIT技術に詳しいわけではない。ちゃんと業者に依頼して作ってもらったのだ。もちろん何千万円もかかるが、それを村長は、議会の了承を取り付けて予算を組んでしまった。その時には、ちゃんとシステムを販売することも考えていたという。元は取れる、と踏んだのだ。

結果は、お見事!

システム販売以外にも、ポータルサイトを通じた通販を手がけたり、広告収入も入る。さらに宅配便などの窓口業務も行えるという。今後は、各地の村ぶろサイトのネットワーク化も考えているようだ。

地理的に不利でも、技術がなくても、ずば抜けた資源がなくても、思いつきのアイデアと、それを実行するリーダーの的確な判断と小回りの良さがあれば、活路は開ける見本だろう。

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