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森と林業の本

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2009/07/07

国産材の時代、到来か?

ドツボのような不況の進行で、林業界もよいニュースがない。原木価格が2割、3割下がったなんて言われている。

が、河北新報に面白い記事が載った。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/07/20090706t72019.htm

東北の木材需給の統計が出たのだ。

製材や合板用として東北6県の加工業者が仕入れた丸太素材のうち、国産材(地場産含む)の割合が2008年は8割を超えたことが5日、農林水産省の木材統計で分かった。

なんと、製材や合板用に使われる原材料の8割が国産材になったというのだ!

ほんの数年前まで、合板はほぼ100%外材、製材も東北ならおそらく半分以上は外材だっただろう。秋田県でロシア材を輸入して製材したものを、「秋田で製材したから秋田産材」と主張して顰蹙を買っていたのを思い出す(笑)。

それが、ものすごい勢いで国産材に転換が進んだのだ。

6県の製材工場や合板工場などに入荷した08年の丸太素材は合算で約541万2000立方メートル。うち国産材は約446万6000立方メートルで82.5%を占めた。入荷総量は景気悪化による住宅需要の減少などで前年より約89万3000立方メートル(14.2%)減ったが、国産材は23万立方メートル(5.4%)増えた。

どうだろう。全体の木材需要(入荷量)は、金融危機後は格段に落ち込んだのに、逆に国産材需要は増えたのである。つまり、減産するのは外材であり、国産材は減らさないどころか増やしたことになる。

国産材の割合は青森が96.5%と最も高く、岩手86.8%、山形83.1%、秋田81.2%、福島80.3%の順。最も低い宮城でも74.1%に上った。国産材の割合は各県とも増加傾向で、04年に29.5%だった宮城は44.6ポイント増、秋田も42.1%から39.1ポイント増と急伸している。

東北に多い合板メーカーおよび、大手製材所が、不況下でも国産材への転換を進めたのである。もちろん、その理由は、国産材の価格が安くなり、しかも輸送費も少なくて済むからだとは思うので、それが林家に直接利益に跳ね返るわけではない。しかし、林業復活の目が出たと言える。
このまま各社の工場が国産材仕様になれば、景気回復後や材価のアップが始まっても、そうそう外材にはもどれないだろう。また外材の供給は、長期的に見てしぼむのは間違いないから、国産材は打って出るチャンスだ。

国産材の時代がやってくる(と思いたい)!

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コメント

田中さん

すごいじゃないですか!!
やはり、安い国産材を使わない手はないですよ!!
これから、外国材は規制がかかり入らなくなる。あるいは価格が高くなると、切り捨て間伐していた国産材が売れることになりますね。

風向きが変わりましたね!!
早いとこ、国産の木製品の開発を進めないと大変なことになりますね。大量に使われ出すと、少量の製品なんかめじゃなくなるかも。

とにかく、ようやく製材メーカーも国産材の価格の安さに目覚めたようですね。

来ましたね。
田中さんの時代が。

世界的な原材料高の中で
円高も進んでいる中、
掃いて捨てるほどある
日本の木質資源の貴重さが
今後クローズアップされてくる気がします。

まずは、
バラマキの補助金システムから
インフラ整備によるコスト低減で
林業全体の損益分岐点を引き下げることが
今後の課題かと存じます。

私の時代じゃない(笑)。林業が盛んになると、逆に仕事は減るかもしれない(~_~;)。

潜在的な国産材需要は確実にあるのです。ただ、いまその恩恵に預かれるのは、大規模な加工業者だけでしょう。だからインフラ整備は重要課題です。
その次に成すべきことは、木材価格を上げること。つまり国産材による商品開発をしっかりすることです。さもないと、林家への還元は進みません。

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