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森と林業と田舎の本

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2009/07/11

松の木の下に

Photo 写真は、生駒市の街路樹。

ちょっとした道の合流地点の真ん中だ。

で、見た通り、松が植えられているが、枯れかけている。そして、その林床には、花が。

以前は、松だけだった。もちろん松は生き生きしていた。

その下に草花が植えられるようになった。おそらく、松だけでは空間がもったいないと感じたのか、彩りが足りないと感じたのか。

しかし、草花のポット苗を植えるということは、そこに栄養たっぷりの土壌が加わるということだ。痩せた土壌を好む松には、よくない。

私は、結構以前から、折に触れて関係者にこんな植え方はおかしいのではないか、と言っていたのだが、そのままであった。

しばらくは元気だった松も、今年くらいからかな、急速に樹勢をなくして枯れてしまった。案の定、である。松は、土壌に菌根菌が繁殖しないと元気に育たない。そして菌根菌は、貧栄養土壌でないと腐食菌にやられてしまう。

マツの育つ環境を無視して、彩りだけを考えた「みどりのまち推進」は、成功しないのだ。
もっと、街路樹も科学的に管理しましょうよ。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

まさに、松の生育場所を知らない、基本的な生態学の知識もない植裁ですね!

植物の元気さは土壌中の微生物との共生関係がきちんと出来ているかどうかで決まりますね。

どうも、日本人は見た目にこだわるようです。私が住む八幡市の街路樹でも、いつの間にかその根元には色んな植物が植え込まれています。
それは、それで良いんでしょうが、外国産の花を勝手に植えた方は、満足しているんでしょうね。

なるほど、我が家の庭の松の木が、毎年元気に枝を伸ばしているのはそのためなのですね。
 次男が通っていた農業高校には、都市園芸科、緑地計画科があります。
役所前や他の公園等を整備したり育成したり、教わり実習する科らしいのですが、市区町村の地域整備に携わる方たちは、そういう知識を駆使してお仕事されているのではなかったのですか?

もちろん知識のある人もいるでしょうが、必ずしも専門家がその部署に配置されるかどうかは……公務員の宿命でしょうか。

それとも、木々よりも草花を植えたい担当が、枯らしてもいいと考えた深慮遠謀だったりして。

話題はそれますが、
東海道沿い、各地の松並木は松だけですが、
赤茶けた松の落ち葉だけが地表に落ちている並木沿いを走ると、ああ、海に近づいたなあと感じます。

だから、海なし県で松の木が並んでいるのを見ると、その向こうには海があるような気がしてしまって、
ついつい、もう少し足を伸ばしてみたり・・(もちろんあるわけないんですけど)

マツの向こうに海がある……詩的だ(^○^)。素敵。

でも、マツが海辺に多いのも土壌が痩せているからでしょう。もしかしたら塩分も影響しているのかな。

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