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森と林業と田舎の本

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2009/08/05

「食育は大嫌い」

昼間、たまたま付けたテレビのNHK「スタジオパーク」に、なんと西原理恵子が登場していた。生である。思わず見入る。

今や「毎日かあさん」がテレビアニメ化、「いけちゃんとぼく」に続いて「女の子物語」まで実写映画化と、まさに今年はサイバライヤーなのだ。

そこで語る話題は、亡夫のアルコール依存症であり、子育てだ。そこでズバリといったのが、 「食育って、大嫌い」である。

たしかに最近、やたら「食育」という言葉が氾濫している。ファストフードではなく、スローフード、手づくり、安全安心食品、素材の味……といキーワードが使われて、食事の大切さが訴えられる。そして食をしっかりさせれば、子供の健康が守れて、教育効果があり、非行も防げる……と、いいことづくめに語られるのだ。

しかし、当然のことながら、手づくりやスローフードを実行するには、時間も必要だし、金もかかる。共稼ぎの家庭で、仕事を終えて帰って来てからしっかり調理していたら、二時間くらいかかって、食べるのは深夜。子供と触れ合う時間がなくなるじゃないか! 出来合いのものを買ってきて、さささっと作って食べて、その後を豊かに過ごす方が、よっぽど子供のためよ、というのが西原理論である。なんたって、食べ物より親子の触れ合いの方が何倍もの教育効果があるのに決まっている。
その後見せた西原料理では、「素材の味を思い切り消した唐揚げ」を披露していた(^^;)。

私も、そうした「豊かな食卓」の教育効果自体は否定しないが、たいして重きを置いていない。私も、かつては昆布と鰹節から取った出汁しか使わなかったが、今やお手軽「白だし」愛好家(笑)。安い食材をいかにいじるか、が勝負だよ。

                                                           

食育とともに、最近では「木育」「森林教育」も語られるようになった。木に触れ合う教育である。これも否定しないが、あまり押しつけちゃ逆効果だ。木のオモチャを与えておけば、情操教育になるってもんじゃない。森林に入って遊ばせたら、子供たち全部が元気になるわけじゃない。木や森の力を過信してはいけない。だいたい木や森そのものに力があるのではなく、その中でどんな体験をするかが重要だ。そして、何より会話だろ。

そのうち、森に連れて行きすぎたためにぐれた子供たちや、木のオモチャのために木材嫌いの人が登場しないとは限らないぞ。ほどほどに。

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コメント

いやん、わかりますよ~!実は私も「食育研究会いただきます!」という団体活動やってるんですけどね。活動が忙し過ぎて、うちの食卓なんざ、ひどいもんですわ(爆)、でもとりあえず大事だなぁと思うのは「家族で食事をする時間」だと思いますヨ。なので、メチャ忙しくてもとりあえずゴハンは毎日作ってます。

 食育研究会ですか。私も、木育のとりこになっている県職員に付きまとわれて、えらい思いをしたことがあります。今年の4月に異動してくれて、ほっとした経験があります。
 とりつかれたようになっている、純粋まっすぐな方いますね。私も、木に関してはその傾向があります。
 今は、自覚中。そのうち中毒になってしまうかも。ちなみに、弥良来杉は中毒になっているように思っています。
 さらにちなみに、ド田舎にも不良はいるし、大都会にもいい人はいる。万人、十派一からげではないのです。

当たり前のことですが、万能薬なんてないんです。

仮に農薬たっぷり野菜を毎日食べても、楽しい食卓を囲んでいる家庭の方が健全です(笑)。
木育も、視界に木目がいっぱいありすぎると、心理的によくないそう。ほどほどですわ。

食育も木育も、子供をよく育てるという目的のための
方法のひとつにすぎないので、
それ自体が目的になってしまったら、意味ないですよね~。

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