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2009/08/04

露天風呂の森林セラピー

和歌山からもどってきた。

今日は午前中に取材を終え、どうせならと新宮から十津川村に入って、奈良を北上するルートで帰る。(ただし、葛城市からまた大阪に出て、再び奈良に入るという変則ルートだけど。)

そして、十津川を通るなら、やはり源泉掛け流しの温泉につからねばならない、という強迫観念で公衆浴場「滝の湯」に入る。日帰り客向きにオープンしている温泉だ。

まずは内湯に入るが、その奥に扉があり、「露天風呂」の文字が。当然、引き寄せられる。

で、扉を出ると階段が下に伸びている。下りていくと、野外に出て、スリッパを履いてまだ進む。露天風呂は見えない……と思っていると、また階段。もちろん野外だ。どちらかというと、山の斜面を下る遊歩道的。おいおい、どこまで下るんだよ、と思いつつ進むが、この間、もちろん裸である。そして周りは森である。一応、タオルは持っているが、何にも身繕うことなく、真っ裸で森の中の階段を進むのである。
途中、上がってくる別の客とすれ違ったが、まあ気にすることもあるまい。

ようやく谷底に下りると、ありましたよ、露天風呂。すぐ下が渓流で、滝になっていた。

滝の音を聞きながらゆったりと浸かる。

そこで思い出した。

昨年の今頃、取材で歩いた全国各地の森林セラピー基地のことだ。『森を歩く 森林セラピーへのいざない』に紹介した基地群は、その後も増え続けているが、実はまだ内実が伴っていないところが多い。そこで早急に整備しないといけないのは、森林セラピーメニューだ。

それぞれ各地の基地ならではの、セラピーメニューを作ることが、基地の特徴を出す近道なのである。私も、取材の後半戦に入ると、逆に「どんなメニューを作れるか」一緒に考えるようになっていた。その中で「石のセラピー」を提案したり、トンネルを利用した「暗闇のセラピー」を考えたりした。(それを採用してくれるかどうか、知らないけどね。)

そこで思い付いた。「裸のセラピー」はどうだ! 裸で森林を歩くのである。解放感の極みではないか。もちろん、いきなり裸になりにくいのなら、露天風呂を利用するのが一番だ。木に囲まれた露天風呂までの路を、脱衣場から裸で進むのである。

裸では緊張して、癒されない?  そんなことはない。そもそもセラピー、つまり癒しを得る過程は、くしゃみに似ていると感じていた。鼻をムズムズさせながら緊張を高め、クシャン! と吐き出すことで心身を緩和させる。「くしゃみ」がおかしければ、「笑い」でもいい。最初に緊張があって、どっとゆるむ感情こそが笑いなのだ。

だから、裸になって、緊張しつつ、森の中を進み、やがて解放感いっぱいになり、最後に露天風呂に飛び込んで、一気に癒されるのである(^o^)。

外国にあるヌーディスト・ビーチなんかも、同じ効果を狙っているんじゃないかなあ。

日本では独りで行う方がよいが、同性なら、裸同士でいいんじゃないかなあ。ちなみにこの温泉、女湯は覗いたわけではないが、同じく谷の下に露天風呂があるよう。

どこか、この森林セラピーメニュー、採用しません?  

                                                         

032 写真は、全然関係ない十津川で食べた釜飯。

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森林療法・森林セラピー・木育」カテゴリの記事

コメント

 大賛成です。家に女房子供がいない時によくやります。前回りをしたりします。当然、ビールや焼酎のお茶割りを飲みます。心の開放は、気持ちEです。まさに、セラピーって感じではないでしょうか。
 でも、突然帰ってきたらどうなることやら。夏ならすばやく、冬はピンチ。
 だから、そして森の中ならどんなに気持ちEだろうか。まさに、セラピーって感じ・・・・。
 全身にフィトンチッド、その場で生産されているフィトンチッドを纏うのですから。情景が目に浮かびます。

裸で・・・スリッパ?
森の中?

だめです~。
最初から笑いがこらえられません。
「緊張→解放」が私にとってはありえません~。

だ、だって、裸でスリッパ~
裸で靴下だけとか・・・裸で靴だけとか・・・
(意味不明?)
だめです。想像だけで笑います~。
(自分がしてたら、なおさら笑います)

ということで、どこかで脱ぐとしても、
裸の上に何か軽く羽織り物があれば
と思いました。

絶対に羽織ってはダメです。断固、裸(^o^)。

スリッパにこだわるの? 別に裸足でいいんですよ。一応舗装されているし。実は、私は途中で脱ぎました。なんならフラメンコ踊ってもいい、裸でo(^o^)o!

最近は「家庭内・裸族」も流行っているそうだし、毎回匿名さんだけでなく、秘かな愛好家は多いのです。それを金とって、森の中でやるのです!(笑)

大賛成!!
というか、かって日本の露天風呂は男女混浴でした!
それがアメリカ的な価値観で、嫌らしいという間違った価値観を身につけた結果、水着を着て入浴という陳腐な姿になったわけです。

自然の中で、素っ裸で温泉に入るというのは最高の贅沢ですね。

先月訪れた秋山郷の鳥甲山を見上げる温泉は混浴でした。
若い女性も、男性と一緒に入っているのを見て、こちらが羞恥心を抱きましたが、ああこれが本当の姿だ! 羞恥心を持つ自分が嫌らしいと、思った次第です。

 冬季は冷たいので、国産木材の下駄っぽい履物は許可していただきたいと思いました。デザインがいいものがほしいです。恥ずかしい方は、タオルを巻くなりすればいかがですか?でも、「素」が原則でしょう。気持ちよさが違うと思います。
 

ああ。なあんだ。
裸足でならOKですよ。

なんだか、盛り上がっているなあ(笑)。
ここまで喜ばれるネタとは思わなかった。かくなる上は、ぜひ実現していただきたい。このネタに関してはロイヤリティ要求しないので、どこかの森林セラピー基地で実施してください。きっと、全国から裸族が集まるでしょう! 

男女一緒だと、現代はやはり恥ずかしがる人が多いかな。とくに男子が。

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