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2009/09/30

田植え体験学習の真実

ある取材中に知った真実。

そこは大都市近郊の農村地帯。雑木林と棚田が折りなすのどかな里山風景が広がるが、農業は不振で、米を作ってもたいした収入は得られない。
そこに持ち込まれたのが、農業体験事業だ。都会の子供たち、いや大人も含めて田植え体験をしてみたい、というのだ。それは結構、多少の礼金が払われるし……。

田植え機を使えばすぐに済む田植えも、子供たちが水を張った泥の水田に入り、手植えをする。指導も大変だけど、農業の大変さと大切さを身をもって学び、同時に自然を体感する機会を与えるために自分の田んぼを提供するよ……というのは、建前(^o^)。

実際は、次々と田植えをしたい団体がやってきて、それを受け入れるのが結構な事業となったのだ。米づくりを教えるのも慣れてきたら楽しい仕事になる。礼金も重なれば、悪くない収益源だ。

問題は、使える田んぼはそんなに広くないこと。もともと狭い棚田である。何百人も毎日毎週来られても、田植えするほど水田はない。

そこで行うのは、田植え体験が終わると、その稲苗を引き抜くこと(^o^)。引き抜かなくても耕運機で水田をもう一度かき回せばいいか。
そして次の団体が来たら、また植えさせる。これを毎日繰り返しているのだという。

うまいなあ(笑)。

これを林業でもできないか。人工林はたくさんあるが、森林ボランティアと自称する人々がやりたがるのは人里に近くて傾斜もなだらかな場所だけだ。近くにトイレもないといけない。

そんな山を、林業体験用に提供する。でも、

植林した後に、またそれを引き抜く……のは、大変だ。山は広すぎる。
あるいは間伐した後に、またつなぐとか(^^;)。ムリだわ。

まあ、林業の場合は、そんなに希望者が殺到しているわけでもないし、必要ないか。
でも、木材を生産するためでなく、体験用の森を作るのもいいかもしれない。

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地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

田植えの体験学習の話はこっちが引いてしまいました。まさかそんなことがあるとは。
林業では植樹した後に場所を使い回すために苗を抜くという発想はなかったので。枯れてしまわないかという心配はするのですが…

私も、えっ、と驚いたけど、地元では当たり前のように話していたから、慣れっこなのでしょう。

ようは経済原則です。米より体験事業のほうがお金になれば、そちらが主流になる。

おはようございます。

「私も、えっ、と驚いたけど、地元では当たり前のように話していたから、慣れっこなのでしょう。
ようは経済原則です。米より体験事業のほうがお金になれば、そちらが主流になる。」
という、田中さんのコメントを呼んで複雑な気持ちです。

体験学習でもうかればいいからと、一度植えた苗を引き抜いたり、かき回したりしていると聞くと、教育的な面からがこのような事情があることは好ましくありませんね。

せっかく、棚田を回復するために田植えにしに来た人の好意を踏みにじっている気持ちがしませんか?

最初は体験学習で儲かれば良いという発想でしょうが、いずればれてしましまいます。
そして、怖いのは、そんな阿漕なことをしていない棚田の体験地域でも、そうしているんではと疑われることです。

まさに、これは体験学習の偽装です!!!

そんなことをしないで、もっと他にやり方はないのでしょうか?
空いている棚田の所有者にお願いするとか、別の体験学習を準備するとか。

エコなことでも、地方が儲かればいいという地域の発展はありませんよ!
一生懸命、知恵をしぼって同じ体験学習をしている地域の人々をあざ笑う行為は止めた方が良いでしょう!
田中さんも、肯定的な意見ですが、やはりそんなことを続けていていいんですか?というコメントをしてほしかったですね。

なんか、教師らしいコメントですが、正直な感想です。

肯定するというよりは、これが現実なんだろうな、という気持ちですかね。
自然の体験学習というと、何か文句の付けようのない行為のように感じる中に、こんな問題も含んでいると知っていただければ結構です。

農業の大変さを学ぶという点では、田植機を使えば簡単にすむ作業をわざわざ手で植えさせていること自体が偽装といえば偽装ですよね。

ただ、本当の田植えでは機械を使うということを知っている人は多いけど、手植えした苗を抜いたり、すきこんだりしていることは、ほとんどの人は知らないだろうってことです。

一生懸命苗を植えた子どもたちの気持ちを思うと悲しいことですが、そうまでしないと、農業はやっていけないというのが現実ってことですね。

「体験」というのは、現実そのものを体験させることではないと割り切らないといけないのかも。

「間伐体験」も、素人にチェンソー持たせられないし。草刈りだって刈り払い機は使わない。

ただ、そのことを体験する人(主に子供)に知らせるかどうかは、難しいところ。

植えたら仕舞と言うのは経営する気のない森林所有者に通ずるような!

客の方も植えるだけって所が問題ですね。
そのうちここに植えましたってブログなどにアップした写真でよそも同じ田んぼに植えているのがばれるのではないでしょうか?

もしくは、稲刈りは一人2株ずつとかなんだろうか(芋掘りみたい)

林業体験では、歩かずにすむように林内作業車で送迎ではないですか。 その前に境界の確定かな。

田植えの体験であって、稲作の体験学習ではないのですね。田植えだけを体験してそれが学習になるのか疑問なのですが。田植えだけを体験させればよいという学校側のカリキュラムの組み方にも問題があるように思います。農業は耕して植え付けをし、途中で世話をして作物を収穫するまでを体験しないと意味がない様な気がします。学校側では田植えで泥に触れることに重点を置いているのでしょう。植物を育てるという視点が抜けているのですね。

田植え体験した子供たちのところに、秋になったら収穫した米をおすそ分け……というのはよくニュースになっていますが、この場合はできないかも。その点を尋ねたけど、私が聞いた人は当時者ではないのでわかりませんでした。

もっとも「田植え」そのものがアトラクション化しており、本当に米を自ら育てるという意識を持てる子供は少ないでしょう。

田植え体験でそんなことが行われているとは思いもしませんでした。正直、複雑な気持ちにはなりますね。

ところで、林業版としては、地域の山に植えても植えても苗木(ヒノキ、ケヤキなど)がすぐシカに食べられてしまう結構な面積の皆伐跡地があります。
そこなら最適かも!、と思ってしまいました。

林業体験で、すぐに鹿に食べられる皆伐跡地に植林させて、1年後に再度現地を訪問して無惨に鹿に食べられた後を見せて、どうしてこうなったのかを深く考えさせる学習も良いかもしれませんね。根本的な理由を議論するという学習を。
そこまで考えて、自然体験学習は行われていないのではないでしょうか?
大抵は、植林して終わりですね。
有名な何某国立大学有名M教授も盛んに全国で植樹活動をされていますが、植林地は本当に植樹に適した場所かどうか問題があると指摘されていますね。

田植え体験と稲刈り体験学習ですが、おっしゃるように稲を育てる学習が抜けているといえばその通りですが、学校の校内か歩いて行ける近くに水田がなければ、どうしても稲の管理は農家に任せることになります。

また、稲刈りも今は手で刈り込んでいる所はありませんが、稲刈り作業の大変さを体験させる意味で行われています。
稲作体験を自然体験でもといわれると大変です。稲を育てるにも、木を育てるにも長い時間と人手がかかることを理解させるための体験学習ではないかと思います。

とりあえず、教育現場からの感想です。

確かに、こうなるともうアトラクションだなぁ。「こうして植えたお米が稔ったら食べてみたい」と子供が言い出したら困っちゃいそうですね。

これだったら田圃の周りのジュズダマ拾いとかでもさせて遊ばせた方が良い気がしますね。せめて下草取りとか、中間の農作業をフォローアップでやらせないと、と思うんですが、そういう所まで踏み込んで企画していないんでしょうね。もっとも親の方がそこまで付き合い切れない、ってことなんですかね。

この手のイベントの主催者側と参加側の意識の差を感じます。
主催者は、これを機に自然を知り、農業・林業を理解してほしいと願っています。情操教育的な効果も期待する。
でも、参加者の大半は、ある一日のアトラクションではないかな。遊園地に行くか田舎に行くかという選択肢。
もちろんそれでも、多少の効果はある。遊び半分だった田植えから、農業に目覚めたり自然生活が好きになるかもしれない。将来を左右することもないとは言えない。
でも、それを主催者がみんなに期待すると、失望する。遊ばせて多少の礼金も受け取って、もし10人に1人くらい、農林業に興味を持ってくれたらモウケモノみたいなスタンスで臨むのが無難です。

いつも読ませて頂いております。
「教育的な農業体験」と言うことなら、
農協が主唱している「バケツ稲ネットワーク」
みたいに多くの生徒が参加できて、
過程が見られるものの方がいい気がしますね↓
http://www.ja-group.or.jp/baketsuine/

林業でこうした試みを導入するには、スパンがかなり長いですが・・・。

バケツで育てる木、それも1年ぐらいでそこそこ育つ木はないですかね(笑)。それで「教育的林業体験」を行う。
せいぜい1~2mでいい。まず密生させて、間伐体験し、主伐した木を丸太にし、乾燥させて、模型のログハウスを作る。強度を気にしないのなら、可能ですね。

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