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森と林業と動物の本

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2009/09/28

タイトルの力

記事の執筆、もしくは講演の際には、まずタイトルを考える。

意識するのは、読者(聴視者)の脳にひっかかりを作る言葉だ。スルリと聞き流すタイトルではいけない。中身がわかったような気になる言葉がほしい。

よく素人がタイトルを考えて、内容の要約になったり、建前の標語になるケースがあるが、これでは目にした人の脳裏に何も残らない。タイトルというのは、記事のデザイン力と似ている。デザインがよくなければ、商品を手に取らない消費者が増えている。逆にデザインがよければ、機能が同じ商品の5倍の価格でも買う。そしてタイトルにも消費者を左右するそれだけの力がある。

タイトルの付け方は、若い頃に少し勤めた夕刊紙で鍛えられた。この新聞社では、記者とタイトルを付ける整理部が分かれていず、紙面のタイトルも記者が付ける。いや、それどころか「タイトルを読んだら、中の記事を読まなくてもわからせるように付けろ」と、記事よりも重きを置いていた。なにしろ夕刊紙は、駅売りが勝負。タイトルでいかに買わせるか、が最大の関門だからだ。

たとえば今なら「イケイケドンドンの鳩山政権の3つのアキレス腱と、墓穴を掘りかねないアブナイ閣僚の面々」なんて付けてしまいそう(^^;)。読みたくならない? 内容は、タイトル決めてから考えるのだけど。

だが、こうしたタイトルを好まない人も少なくないのは事実。とくに講演で私の付けたタイトルを変えてくれという主催者側が、結構いる。
以前「森は本当に必要か」なんてタイトルにしたら、幾度も幾度も「これでいいんですか」と電話がかかってきたことがあった。
そして、タイトルを変えてくれ、頼まれるケースもままある。たいていつまらなくなる(-.-)。

実は、現在も遭遇している。

森林環境税をテーマにしたシンポジウムだというから、「あなたは森にお金を払いますか」と付けたら、もう少し減速を、という依頼がきた。

これでもスローボールなんだけどな。本当は森林にジャブジャブつぎ込まれる税金をおびやかす3つの罠と、鳩山政権の農林政策が決まる裏事情なんてやりたい(^^;)。これなら満員御礼間違いなしだ。

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コメント

サブタイトルに「森林にジャブジャブ…」を付けるというのも手ですかね。

んで、「3つの罠」って何ですか?(^^;)

ほら、気になるでしょ(^o^)。

内容は、後で考えます。「罠」よりも「3つ」という数字に意味があるんです(笑)。

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