産地よりも樹種の鑑定を
方法は、木の年輪部分の炭素の同位体を測定するもの。雨の多い年に育った部分は「炭素13」が少くなり、雨量が少ない年は多めになることを利用するらしい。そのため、ベイマツの年輪の「12」と「13」の比率を分析し、約100年間の変化パターンと、各地の降水量記録と比べている。
ご苦労さま、といいたい。
でも、これでわかるのは、実際の産地周辺150~300キロ程度だったという。当然、国境付近や年輪のない木、同じ国内でも気象条件の違う地域だと無理。
産地偽装や違法伐採の問題は、非常に根が深い。それを科学的に鑑定できればステキだ。しかし、私はそのためにも、産地そのものより樹種に注目すべきではないか、と思っている。
樹種を明確にすれば、木材の素性はかなりのところはわかるはずだ。なかでも海外では、多くの産地は、植林木であっても微妙に樹種が違う。だから樹種の特定で、かなり把握できるだろう。それも違法性は、木材からはわからないが、これも樹種によっては輸出できないものもあるので、ある程度までは、抑止効果になるのではないか。
加えて,私が期待しているのは、日本と海外はまったく違うことだ。つまり、樹種をラベリングできれば、自然と国産材と外材の区別ができる。
世界各国からいかなる木材を輸入しているかを白日の元にさらすことは、国民の知る権利でもある。海外の産地の偽装を問題にする前に、国産材と外材の差をわかるようにすべきだろう。
そして、合板や集成材が何でできているか(ときに別種の木材を混ぜて製造していることもわかるはず)を知れば、国民も木材について考える機会も増えるのではないか。
森林総研では、DNAによる樹種や産地の区別方法も研究しているそうだ。これも、乾燥材では、DNAの抽出が難しいし、そもそもDNA解析は時間と手間がかかって実用的かなあ、とも思う。
疑問なのは、DNAまで持ち出さなくても、顕微鏡で木繊維を観察すれば、かなりの確率で樹種はわかるのではないか、ということだ。
木材には、産地よりも、樹種の明記を義務づけられないかなあ。
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