東京の風
渋谷パルコの講演を終えた。
場所は写真展会場の一角を使ったこじんまりしたものだが、参加者との距離が近いだけにゆったりとお互いの顔の見える話ができたことがうれしい。
話は、日本の森林は人が作ったという過去・現在の話から、森林療法のような未来の可能性まで俯瞰したものだが、意外や質問には、日本の林業の行く末など、結構専門的というか、ハードな話題まで。まあ、ガングロ娘はいなかったけど(笑)。
でも、東京の地ビールを差し入れてくださる方もいて(花姥さん、ありがとうこざいます!)、楽しめました。
やはり「ああ、ここは東京だなあ」と感じることが多かった。場所が渋谷、それもパルコということや、主催者が広告やイベントなどの業界が絡んでいることも関係しているのか、地方で行う場合と反応やムードが違う。
たとえば会場では「国産材で家具を作る事業を始める」という人もいた。かなり具体化させているようだ。また、デザインや広報の重要性がすぐに理解してもらえる(というより、主催者側はその世界の専門家揃い。釈迦に説法だ)。
終了後に関係者と少し一献傾けたのだが、その際に割り箸の話になった。すると、すでに日本の割り箸生産量を調べた人がいる。「事態を変えるには、5億円くらいで新工場を立ち上げるしかないのではないか」という話になると、「5億円くらいなら」とみんなうなずく。そして「知り合いの製紙会社の敷地の一部を……」といきなり具体的になる(^o^)。地方では、億という単位で出た途端、夢物語になるのだが。
同時に、国産材を商品化する難しさも経験したようだ。国産木材業界には、通常の日本と違ったビジネス慣行?(よーするに注文したい量が買えないとか、納品日がいい加減なんてケースなんだけど)が根付いていることにびっくりしている。
この差をどのように埋めるかが課題なんだろうな。
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コメント
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ご苦労さまでした。
東京では、国産材の割り箸を作ろうということが素直に聞き入れられて、すぐにでも実現しそうな雰囲気であることがわかりました。
やはり、多くの消費者が安全で安心な国産材の割り箸を求めているということですね。
敷地があり、お金もみんなで出し合えば、年間5億膳生産できる工場も不可能ではないようですね。
ぜひ、田中政務次官?から各企業に対して、CSR事業として取り組むように指示してくださいませんか?
あるいは、お知り合いの農林水産副大臣に申し込むとか、してください!
まあ、21世紀に入りようやく国民も真剣に環境問題を自分の生活と結びつけて考えて、行動を開始したようですね。
国産の間伐材で作った割り箸は、もっと生産される状況になってきましたね。
投稿: 高桑進 | 2009/09/22 12:53
5億円の資金で工場を建てて、年間1億膳の割り箸を生産する……というのが構想です。もちろん、現実はあまくないでしょうが、少なくても構想を理解でき、その気次第で需要を確保し、組織を動かせるであろう人材がいるという点が東京風。
このダイナミズムを活かす方策はないものか、と感じてしまったのです。
投稿: 田中淳夫 | 2009/09/22 16:02
田中様
おはようございます。
海杉が、「杉バンク構想」をぶち上げて、出てきた問題が、品質の不ぞろい、製材所中心の納期や供給量の確保の難しさ、そして、商習慣の違いでした。規格を自分達で仕切れるのでどうしてもこじんまりと成ってしまい大きな梶を切ることができません。それでいて、与信にはかなり気を使ってきます。こんど、宮崎中の製材所を回ってデッドストックをかき集めてインナーネットで公開しようと思います。
先日、地元の製材所に良い製品があったので使ってみたのです。某大手住宅メーカーの製品ですが、ほとんど出荷していないそうです。注文がないと生産しないというのです。ちょっと仕様を変えオーダーしましたが、このような開発しても出荷できないものがたくさんあるみたいです。
大きな会社との取引に期待するよりも小さな製材所の商習慣と意識を変革を促さなければ、この業界は、じり貧です。
投稿: 海杉 | 2009/09/23 08:44
いつも 木材業界の情報発信有難うございます。
>5億円の資金で工場を建てて、年間1億膳の割り箸を生産する……
どんな割箸を作られるのか 分かりませんが
新たに投資し、工場を建てるのもひとつの方法でしょうが
全国の稼働率が低い割箸工場を利用することは 出来ないものなのでしょうか?
私の近くにも割箸工場がありますが
稼働率が低いように聞いております。
投稿: 1150 | 2009/09/23 09:59
日本のビジネス界は、過剰なほど品質に神経質になったり、「もてなし」などきめ細やかさが名物?なところがあるのに、木材業界は納品期日や品質には鷹揚で、支払いには神経質。日本ではないみたいです(笑)。
投稿: 田中淳夫 | 2009/09/23 10:00
1150さんの近くの割り箸工場がどのような状態かわかりませんが、家内制手工業のレベルでは、現在の需要に追いつかないんですね。後継者も見込めないところが多くて……。
新たに1億膳の注文が来ても応えられない。
稼働率が低いのは、注文がないのではなくて、材料の調達が難しいか、人手が足りないのかもしれません。
投稿: 田中淳夫 | 2009/09/23 10:20
コメント有難うございます。
近くの割箸工場 家内工業レベルでは
ないように聞いております。
杉・桧の材料であれば 身近にあるところです。
一億膳を受けられるか?ですが
私の聞くところでは 大きな加工機械を導入したため
毎日 稼動すれば 相当数の割箸ができ
販路がないように数年前に聞いたことがあります。
また 詳しく聞いてみます。
投稿: 1150 | 2009/09/23 23:01
おお、そうですか。余力があるなら期待できますね。潜在的な需要は高いですよ。しっかり営業すれば、引っ張りだこではないかな。ただし、価格が問題だけど。
ただ材料は、単に木材であっても割り箸向きでない可能性があります。節が多かったり、木目が曲がっていると、うまく割れないから。
投稿: 田中淳夫 | 2009/09/24 00:08