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森と林業と動物の本

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2009/09/10

スピリチュアルなミネラルウォーター

昨日は、某ミネラルウォーターの取材に行っていた。

その販売会社では、ラドンの含んだ水や、それをナノバブルと呼ぶ微細泡を発生させた水を売り出している。

「ラドン温泉はリューマチや神経痛に効くというでしょう。すると、『この水を飲んだらリューマチが治りますか』という問い合わせがあるんだ。『治りません』と応えますよ(笑)。だいたいラドンは、汲み上げた途端に空中に抜けてしまいますからね」

それから危ないミネラルウォーター談義盛り上がった。内容は「薬じゃないんだから、効果があるというより飲んでも大丈夫、のレベル」ということである。
世の中、ヘンに水にこだわる人がいるが、美味しい水だけでなく、何か神秘的な力を求めている人がいかに多いか。

もちろんミネラルウォーターは、さまざまな成分を含んでいるが、それを味として人が感知するのはわかるが、薬になるレベルではない。ましてや、オカルティックな、霊力を生み出すわけがない(笑)。水の最大の利点は、副作用がないことである。それ以上の効果をうたうと薬事法違反となってしまう。

私も、大いに同意。ほかにも玄米だとか健康食品関係、さらに天然石やらアクセサリー、壺(笑)まで霊力を求める声は広がる。どうして、スピリチュアルな分野にのめり込むんでしょうね、と笑う。

ところが、途中から「ナノバブル水」を飲んだら、15キロも痩せてリバウンドしないとか血圧や血糖値が下がった……いう話から、だんだん水の不思議な力に話が移って行った。

いや、本当に痩せられたんならいいんだけどね。それを水のおかげにすると、マズいんじゃないの。さっきまで、ミネラルウォーターに期待しすぎてはいけないという話をしていたはずなんだけど(^^;)。

まあ、最後は笑い話になってしまったが、世の中、不思議な力に憧れる風潮は絶対になくならないなあ。

逆に、「反農薬」など絶対悪を求めるのも、同じようなものかもね。

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コメント

田中さんへ

安全な水以上のものを求める心理の裏側は、農薬に対する不安と同様の心理、すなわち現在、我が国では健康不安があるからかと思います。

偽装が当たり前に行われる我が国では、何を食べさせられているのか不安で、その不安に故意か無意識かつけ込んで、色々なものが販売されているのが現状ではないでしょうか。

水で思い出す笑い話があります。

以前、NHKTVで、どこかの源流域の紹介をした際に、新人の何も知らない女性が「おいし〜い! 大坂の皆さんはこんな美味しい水は飲めないでしょう!」と、言わずもがなを言いました。
すると,NHKに大阪の市民から抗議の電話が殺到。デイレクターは、単なる謝罪だけではすまなくなり、大坂の水は安全でかつ美味しい事を証明する番組を作らされました。
その番組とは、女性がおいしいとのたもうた源流の水、フランスから輸入されているミネラルウオーター、そして大坂の水道水です。この3種類の水を、コップに入れてブラインド試験をさせたのです。

その結果は、大坂の水道水が一番美味しいと参加者全員が認めました。つまり、高度水処理をしている水道水が、じつは安全でありかつ美味しい水だったという訳で、その新人の女性がテレビでお詫びしたというお話です(笑)
ご存知のように、飲料水はその水温が美味しさの原因の一つです。また、まわりの環境も水の美味しさに大きな影響を与えますね。

このように、田中さんもしばしば指摘されるように、多くの人の思い込みというものは、なかなか是正されることが少ないものです。

「たかが水 されど水 しっかり飲もう大坂の水」
というのが、私の結論です(笑)

無農薬バナナとかコーヒー、あるいは無農薬綿花とか、それは第三世界の農民の自立の戦いでもある。それは多国籍巨大企業(農業・食品・農薬)との戦いでもある。この辺のことを田中さんはどう認識しているのか?

高桑さんへ。

私は、人々の不安心理とは別に、手っとり早い解答を求める単純化指向もあるように思います。
これさえ飲めば、食べれば解決(ダイエット、病気回復、身の不運……)するものを欲しがる。同時にこれが諸悪の根源、と絶対悪を決めつけて、それさえ取り除けばすべての問題は解決する、と思いたいというような。
私も、最近の大阪の水は美味しくなったと思います(^o^)。生駒の水より美味しいかもしれないなあ。

森林作業員Aさんへ。

話を一生懸命にすり替えようとするのは、みっともないですよ。

田中さんへ

おっしゃるとおり、21世紀の環境問題は簡単な常識では問題点がわからない状況になってきました。
物事を単純化して、何とか理解したいという市民が多いのも事実ですね。その意味で、田中さんの書かれた本は啓蒙効果が大いに期待されます。
今後とも、刺激的な内容の本が出ることを期待しております。

反論が多いというのは、注目されていることの裏返しですから、喜んで下さい(笑)

>反論が多いというのは、注目されていることの裏返しですから、喜んで下さい(笑)

いやあ、ばれたかなあ。ここでの議論が盛り上がったら、注目度も上がって本の売行きもよくなるかなあ……と(笑)。

>逆に、「反農薬」など絶対悪を求めるのも、同じようなものかもね。

 と書いているから聞いたまでですよ。どこが話のスリカエですか?田中さんの認識を述べればいいだけですよ。たとえスリカエとあなたが認識しても、答えられるでしょうよ。

 だいたい巨大農薬メーカーが喜びそうなことを書いているのだから、当然私はその点が気になります。たとえばモンサント、遺伝子組み換えの悪行とは別に、除草剤(ラウンドアップ)は撒くと地中で簡単に分解されるとか大嘘を垂れ流していた。

 だいたい農薬会社が食糧を支配しようとしている現代の危機の中で、よくもまあ農薬について好意的に書けるものだ(読んでないが多分そうでしょ?ゴルファーがなめるかもしれない農薬も気にもならないようだから)。あなたにはよりよい未来への戦略ってあるのですか?

 

読まないで批判するなんて、サイテーですよ。
どこぞの化石左翼みたい。

まあ、主張が化石左翼や環境ゴロそのままの言い分だけど。

こんにちは!
なんだか盛り上がっていますね。

森林作業員Aさんの主張は,確かに若干古いような気もしますが,多分,農薬に対する,結構多くの人の意見に近いように思います。茫漠とした,エライ方々に対する不信感も含めて。

このような意見を,多分田中さんは予期して本を書かれたのかなあ,などと思っています。

先日「森を歩く」を買いましたが,続いて「ゴルフ場は自然が一杯」も購入してみようかと思っています(笑。わくわくしますね。


追記:
あの...このような場で言う事でもないのですが,「森を歩く」の本の帯に「森は全ての病を治癒する」みたいな事が書いてありました。あれだけは,どうにもいただけなかったです(笑。内容はなかなか楽しかったです。森好きな知人にも買って差し上げました。

ええ、森林作業員Aさんの協力を得て(^^;)、盛り上がっています。これで本が売れれば、ゆーことないんだけどなあ(笑)。

あ、『森を歩く』の帯文「森はすべての病を治す」ですね。あれは明確に薬事法違反です(笑)。でも、元の文はヒポクラテスの言葉ですよ。

「ゴルフ場は自然がいっぱい」,きっと売れると思います。体験的には,周囲の人間にこの本の事を話すだけで,小一時間は話が出来ますから(^^)
今あるゴルフ場をどう捉えるか,と言うのは,現実に山村に住んでいる私達の身近な話題です。

帯分,医学の祖,ヒポクラテスの言葉だったんですね。ナルホド。
勉強になります。どうもありがとうございます!

正確には、医学の父ヒポクラテスは「自然はすべての病を治す」と言ったようです。でも、自然の中に森も入るでしょ? 
古代のギリシャは、まだ森が残っていたようですね。今のように丸裸になっていなかった。

引き続き新刊の販売促進に協力します。 なんだか「微量の農薬は体にもいい」とか農薬メーカーの回し者の誰かが言い出しそうな雰囲気も漂うが・・・・・・。

 売り言葉に買い言葉でいえば、「化石左翼対モンサント右翼」の戦いでもいいかもしれぬ。この予想が外れることを祈る。

 あなたが情報を提供してくれるから、本を読む前でもある程度は書ける。よって私はサイテーではない。正確に言えばサイテーもどきだ。その上で言い訳を言わしてもらうなら、こちとら、近くに本屋などない。だいたい山奥で仕事をしている。ネットで頼んでもすぐ来ない(1冊だけではまず注文しない)。今日は雨だが体を休める。よって遠出はしない。加えて批判するだけのための本を買うというのも気乗りはしないものだ。

 いずれ読むから、これは前哨戦ですよ。もっとも読んでなくても予想が当たっていれば何の問題もないのだが・・・・・・。

 農薬を扱いながら米軍が広範囲に大量に撒いた枯れ葉剤にまったく興味も示さない人間というのは、思考の曲芸師のようなものだ。それだからこそゴルフ場を扱いながら、それにまつわる政官財の汚職を無視できるわけだ。その度し難き現状追認を貫くなら、企業経営者・汚職議員など誰も責任は問われることもない。西武のためのオリンピックに税金がつぎ込まれても、あなたなら文句も言わないだろう。4世世襲議員の提灯記事でも平気で書けるかもしれない。やっぱり武田邦彦の後釜狙い?

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