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2009/10/19

木材の地産地消を考察する

農業にしても、林業にしても、地場産モノが売れないと、すぐに「地産地消」が叫ばれる。

まずは、地元で消費してほしい、という考え方だが、これは農業ではかなりの成功を納めている。地元の野菜や果物を売る「農産物直売所」が、いまや全国で約1万3000施設に達しているという記事があった。コンビニ「セブン-イレブン」の店舗数を上回るとかで、農産物の全流通量の5%は直売所ルートになったそうだ。

だが、同じことを木材でできるだろうか。この点を、ずっと考え続けていた。

残念ながら木材は、最終商品ではない。あくまで素材なのだ。単なる丸太、せいぜい製材をエンドユーザーが欲しがることはほぼなくて、求めるのは木材をさらに加工した最終製品である。つまり家具や道具、そして住宅などの形にならないと、直接買うことはない。
この最終商品への加工は、山元ではあまり期待できない。

そのうえ、木材は地場産の良さを必ずしもアピールする要素がない。新鮮度を売り物にすることもできず、いわゆる品質だけで言えば、強度にしろ乾燥度にしろ、外材の方がよかったりする。スギやヒノキは腐食に強いというが、それも薬剤注入という手で差が着かなくなる。仕方ないので「風土に合った木が育っている」というわけのわからない(^^;)理屈?口舌? を振りかざすしかない。

しかし、木材は国際商品なのだ。価格も品質も、全世界を相手に競争することになる。

こうなると、「近くの山の木」は、勝ち目がないのではないか。わずかに好事家に「地元の木だよ」という気分で買ってもらう戦術に出てしまう。それが、地産地消だ。

最後の砦は、環境だろうか。だが、これも怪しい。

環境でモノを買う人は、全体の2%程度、という数字を百貨店の営業やっていた人に聞いたことがある。やはりニッチなのだ。

となると、地場産の木材が売れないと嘆くのなら、地元で買ってもらおうと思うのではなく、外でも売れる商品に仕上げるしかない。しっかりした製材、乾燥、そしてデザインなども含んだ商品開発。

そして最後に必要なのは、地道な営業である。地元ならではのきめ細かくアフターフォローのできる態勢づくり。これが地産地消の要諦ではなかろうか。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

私は、やはり都会の若い人にきちんと木の良さを説明できていないためではないかと考えます。

シックハウスや健康に良いという事は、パンフレットには書いてはありますが、営業活動で売り込んではいないようにおもいます。
子育てをする30代の家族をターゲットにして、木のぬくもり、安全性、そして決して高くはない事を地道に説明する取組みが大切ですね。
その意味で、四季折々の林業地ツアーを企画して、都会の若者を山に連れてくる企画が少ないのがネックでしょう!!

少なくとも、私は昨年8月末には学生と市民を引率して吉野川上村の歴史の証人や、中奥川の最上流にあるの1年に1度しか開かない秘仏がある村まで行きましたよ。
川上村生まれの70代の方も、行った事がないという村です。
かっては、鳥も通わぬ中奥、と言われたそうです!

奈良県川上村は、単なる観光地ではなくて林業先進地としての歴史がある訳ですから、山を観に市民を連れてくる中で、木材の良さを売り込んだらいいのではないでしょうか。
昨年夏の2泊3日のツアーは、吉野杉ツアーと銘打って
8名の学生と3名の市民、植物の専門家と私で大変楽しく、珍しい秘仏や植物観察を愉しみました。
辻谷さんと杉本さんにもお世話になりました。

田中さん! 嘆いてばかりいないで、奈良県吉野郡川上村のための、吉野杉ツアーを四季機折々にしませんか?
対象は、大坂の市民+大学生です。
杉の良さを、製材所や木工所で見て頂くと同時に、二本の森林の現状をみていただき、問題点を話し合うという内容です。
単なる製材所や木工所、デザイン関係の方がする営利目的のツアーではなくて、森林環境問題を考えるエコツアーです。森林療法とか、森林セラピーも大切でしょうが、林業の現状をしっかりと伝えないとダメではないでしょうか?

そのようなツアーの参加者の中から、自然と吉野杉を使いたい施主も出てくるのではないでしょうか?
富山の薬売りのいう、まずは見てもらい後から利益をえるという考え方です。
いかがですか?

本当そうですよねー。
国際競争力をどうつけるか。
いままであらゆる物を輸入してきた日本が、工業製品だけでは無く、輸出をする時代に来ているんだろうと思います。それは、デザインや、文化といった無形のアイデアと、一次生産物を結びつけて、うまく輸出できないか画策しています。田中さんもぜひご協力ください!!

この秋は、吉野ではいろいろイベントがありますね。11月7,8日には、川上村で山幸彦祭だそうです。ここに土倉庄三郎の資料が展示されると聞いたので、行こうかな、と(^o^)。スケジュール的には厳しいですが。

ともあれ、売り出す素材はいっぱいあります。しかし、それらをうまくかみ合わせるのが難しい。
日本の木材・木製品は、十分国際商品になり得ると思っているのですが。

田中様
吉野で盛り上がっているところで申し訳ないですが、11月7日8日は、宮崎県日南市で杉コレクションとやまんかん祭りがあります。

JR九州の杉の観光列車 海幸山幸も動いているので是非来て下さい。


「木材は、最終商品ではない」は、本当にその通です。第一次産業でも鉱業に近いと言っているのですが、なかなか理解されません。

このままでは、日本の炭鉱と同じ道を歩むのではと勝手に危惧しているところです。

林業・木材業の方は、消費者に近い売り方はどんなものなのかを学ぶ必要があります。

物流の方が木材に注目してくれると今までの商社や問屋が太刀打ちできない商品になると思います。

国際商品ですよ。日本の木材は!!

九州も行きたいんだけどなあ。実は9日から富山です。しかも原稿の締め切りを何本か抱えていて。あんまり出歩く暇ないんです……。

潜在的には、ものすごい価値を秘めた日本の木をいかに売るか。それを考えなくては。
とくに高付加価値な売り方としては、デザイン力を抜きに語れないのですが、この考察は今の私の頭ではめまいがする……。誰か専門家のレクチャー受けたいな。

いや~2週間ほど某ビジホテルに滞在しましたが、ホトホトですわwで、
部屋の壁とか、隅っこのほうにたぶん「難燃」とかシールがありましたよ。たぶん難燃、「不燃」じゃないとは思いますが。不燃材加工なんてのもあることはありますが、コスト的には?ですね。
最近日本は、生産財資本財を輸出してるみたいですよ。ああ亀山の有名だった工場を中国に売るかどうかって話ですが。
私は日本の木材資源は将来にそなえて温存したほうがいいと思います。原油は基本的に
$建て決済ですから、日本の木材製品で$を
買ってその$で原油を買うことができるかどうかです。もちろん、石油資源の枯渇も視野
にいれてですが。

みなさん、やはり日本の林業の弱点には気づいておられるし、対策もあるのに進まないこの国の仕組みに困惑しておられますね。

マンガや服飾デザインなどは、諸外国にそのデザイン性が高く評価されているのに、日本にしかない素材である杉の持つ木材の優秀性を外国に発信できていないですね。

Cryptmeria japonica は杉の学名ですが、日本特産種、つまりこの地球上で日本列島にしか生育していない優れた樹種ですね。
日本人はもっともっと、この素晴らしい材木を商品としての価値を高めて輸出する戦略を立てる必要があります。

本当に、いまこ国の木材資源が切り捨て間伐されているのは、残念至極です!
みんなで知恵を絞り、何とか売り出そうではありませんか! 
内田洋行という会社のデザイナーが、全国スギダラケ倶楽部を立ち上げて、一番安い杉材である飫肥杉をデザイン性の高い商品として売り出していますが、まだまだその認知度は低いと言わざるを得ません。
全国各地の杉の利用を真剣に考えて行かねばなりません。

 スギダラケクラブの本部に3ヶ月ほど前にお邪魔しました。圧巻でした。これが、優良企業の力なのかと・・・。
 例えば、スギをとても好きになった方がいるとします。スギのよさを誰かに伝えたいと思うはずです。それには実物を見せながら自慢したい、語りたいのです。それには、実物が必要です。ヒノキの場合は香りに特長がありますから、これは、写真だけでは伝わらないですね。
 気に入った音楽は誰かに聞かせたいし、気に入った服は誰かに見せたい。気に入った詩ができれば誰かに聞いてほしいし、いい写真が撮れれば誰かに見せたい。そんなものではないですか。
 一人でも多くの人に気に入ってもらえるような国産木材の製品を開発するしかないですね。そして、それを上手に販売していく。誰かのブログに乗ればOK。誰かが、友達に自慢すればさらにグッド。その積み重ねになりますか。やがて、国産木材の住宅を作りましょう、なんて・・・。
 スギのソファとかヒノキのテーブルとか、超カッコいいと思うのですが。そういえば、最近国産針葉樹を材料にする家具屋さんが増えている気もします。
 それにしても、スギコダマ(大玉)の触り心地はサイコーでした。来客はみんな触っていくのか、玄関ロビーの角材ベンチはいい感じに色が変わってきていましたし、カウンターもいい感じで時間を感じさせる風合いになっていましたよ!
 この経年変化がいいですけどね!
 連チャンで長々すいません。

あれ、みなさん勘違いをされていると思いますよ。山林経営林業経営の基本は成長した分だけ伐ればいいのです。それを守れば伐って売ろうが捨てようが何も損はしません。
例えば桧20年生の成長率は1haあたり8立米くらいだと思いますが、蓄積量500立米だとすると間伐率20%とすると立木換算で100立米伐ったとすると12.5年でもとの蓄積量に戻ります。生計をたてることが
できるかどうか別にして、これを守らないと
破綻することになります。
50年短伐期皆伐施業だと、所有面積を50で割れば一年間に伐れる面積がでます。もし
500haの施業面積があれば10haです。これを倍の20ha毎年伐りつぶしていくと25年で終わりますから、あとの25年は収穫できないわけです。ちゃんとした施業管理があれば何も問題はないですよ。
国際競争力というのは$/¥相場です。
せめて対$で120円、希望で240円とか
になってほしいですね。
今やれることはやってると思いますよ。県産材の認定とか。それでも構造ないしシステムを変える必要があるかもですが、製造業のコスト競争に巻き込まれる必要もないようなです。
トヨタ自動車もまだ山林を所有していると思いますが、過去日本の森林が車に変わったとみて間違いないと思いますよ。ええ、木材を売ったお金が投資されたとみています。今存在しているのは森林のおかげですよ、ちょっと苦戦しているみたいですが。
それより、森林に投資をするシステムを誰かやりませんか?林業をやるのです。
緑のオーナー制度みたいですが、出資を集めて山林を買い配当は現物です。元本割れ必死ですが、山師か詐欺師かホリエモンみたいですかねwナショナルトラストよりまともだと思いますがwま、国債が暴落してインフレに転じると森林資源の環境も変わる可能性がありますね。

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