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2009年11月

2009/11/30

家具メーカーのジレンマ

先日、東京に行った際に、家具メーカーの社長と会った。

現在の家具業界は、ニトリとイケアの一人勝ち(いや、二人勝ちか?)だそうである。というのも、世界同時大不況で、ひたすら安さが追求されているからだ。
その社長の会社の製造する家具は、かなり高級品に思えたが、それでも国際的には中程度らしい。が、やはり売れなくなったそうだ。売上半減とかいう。ちなみに世界的な最高級メーカーにいたっては、ほぼゼロレベルまで落ち込んでいるという。

もはや品質が高ければ、どんな不況時でも買ってくれるコアなファン、コアなマーケットがある、という時代ではなくなったらしい。段階的にレベルを下げる(最高級品を買っていた人が中級品に落とす)こともなく、一気にもっとも安い品に移ってしまうのである。

安いということは、利幅も小さいわけだが、それは大量に販売することでカバーできる。家具もそうしたビジネスモデルになろうとしているのか。

ところが、これは家具だけでなく、たとえばユニクロなどもそうだが、安い彼らの商品は、決して品質がそんなに悪いわけではない。値段の割にはいい、つまりコストパフォーマンスがよいわけだ。おかげで需要が集中するのだろう。だから、利益も確保できる。

では、そうした価格追求型ではないメーカーはどうすればよいか。大量販売型の商品でない業界はどうするべきか。(そもそも木材は大量販売品ではない。樹木の生長速度に縛られ、また耐久商品であることにも縛られ、安ければ多めに買っておこう、とはならない。ニトリの家具は、その点からは木製品でないと言える。)高くても品質がいい、では戦えないのだ。

社長は、そこに環境の視点を持ち込もうとしている。低価格・大量販売を指向すると、必ず環境にぶつかるはずだ。持続可能な森林から伐りだした木だけでは間に合わないし、加工も安さを求めて海外生産になる。

そうではない商品とは。そこで合法証明や産地認証・国産材……などをキーワードにするべく努力している。

その心意気、理念、努力、行動力と忍耐力(国産材業界とつきあうには、忍耐力が欠かせない ^^;)には敬意を表する。

が、私は一応クギをさしておいた。環境だけでも売れる時代ではない、と。
私の知っている限りだが、木材の世界に環境を持ち込む販売戦略はそれなりにあるが、成功例は少ない。環境はオマケにしかならず、やはり買いたくなるのは別の魅力が必要なのである。その一つがデザインであり、ドラマ性だと思う。

さて、今後のマーケットは何を指向するのか。木材に何を求めるのか。悩みは深い。

2009/11/29

医者の2地域居住

突然、某医科大学の教授よりメールが来て、お逢いすることになった。

医学者と言っても、臨床医ではなく政策研究をされていて、日本社会の適正な医療システムと施設配置を課題としている。

そして限界集落などの医療問題を扱うために話を聞きたいということだった。

それについては準備もしていないから、「思いつき」で語るしかなかったが、そこで私が提案したのは、理想を追って完全な医療体制を望むのは無理ということ。今より一歩進めるしかない。無医師地帯には、通常なら巡回医療を思い付くが、そこを一歩進めて、田舎暮らしを考えている医者を誘致してはどうか。

別荘感覚の設備を用意して、田舎暮らしを求める医者に住んでもらう。とはいえ、ゆっくり田舎を楽しみたいのに、医院を開かせて忙しくさせたらイヤになるだろう。だからオープンするのは1日2日だけにする。
あるいは医者の2地域居住を推進してはどうか。

医院がまったくないよりマシではないか……。

ところで、その際に聞いたのは、日本の医療施設の現状だ。

大都市には大都市の医療問題がある。過疎地の問題もある。
今は人口50万人くらいの地方の中核都市が、今一番うまく機能しているという。病院配置と患者数のバランスが取れているのだ。

ところが、5万~10万程度の地方都市が、今もっとも危険だという。自治体が背伸びして病院づくりを行ってきたからだ。明らかに過剰設備を抱えており、赤字。経済成長している時代なら、政策的に支えることができたが、今やそれが不可能となり、崩壊が始まっているという。

……そんな話を聞くと、まさに私の住む生駒市がそれに当てはまった(^^;)。人口12万人で病院はいくつもあるものの、中核の病院が廃業してしまい、新しい病院づくりを市長が進めているのだ。絶対に経営が成り立たないって。

まったく、田舎と医療の問題は、どこから手をつけたらいいのやら。

ちなみに、教授は、生駒市に来るのならぜひ「忍性」の墓を詣でたいという。忍性とは、鎌倉時代の僧だが、専門的な病院建設に邁進した人物である。しかもハンセン氏病とか非人救済に取り組んだ。彼こそ、日本の病院建設の第1号ということなのである。そういう人物が、生駒市にいたとは。

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竹林寺の忍性墓

2009/11/28

国産ワイン樽

国産ワイン樽
写真は、国産のミズナラによるワイン樽。明治時代に作られたそうだ。今では、まず手に入らない。

大阪のワイナリーにあったものだ。ワイン樽は、主に欧米から輸入されている。需要は、かなり多いそうだ。
スギの酒樽もいいけど、こんな木製品を復活させられないかなあ。

2009/11/27

四手井綱英氏、死去

京都大学名誉教授の四手井綱英氏が亡くなられた。

彼は、造林学を森林生態学に変え、里山という言葉を造語するなど、日本の森林学に多大な影響を与えた。実は、私が大学の林学科に進んだのは、四手井氏の「農学部」を紹介する本を読んだからである。ある意味、私の将来を決めた人であった。

その人を、私は一度“殺して”しまったことがある。なんと、記事で四手井の名前の前に、故を付けてしまったのだ。なぜ、付けたのかわからない。

もちろん、すぐに陳謝し、直接謝りにも行った。幸い笑って許してくれたが、まあ、気持ちよくはなかっただろう。あの時で80歳を越えていたと思う。それから十数年近くたつことを思うと、本当に長生きしたんだなあ。

最近は、ゴルフ場や森林製作がらみで里山の話をすることも増えているのだが、すると「里山」という言葉の創始者として四手井氏の名前も出てくる。長く闘病生活を送っているのは知っていたが、寝た切りなのに「探偵ナイトスクープ」に登場するなど、ヒョウキンな人であった。

ともあれ、巨星落つ、の感が強い。合掌(-人-)

2009/11/26

ヒノキの簀の子

忙しいと、今晩のメニューを考えるのが唯一の楽しみになる……。

で、買い物先でちょっと寄ったのが、ホームセンター。実は、風呂場の簀の子が古くなったので買い換えようと思っているのだ。探しているのは、ヒノキの簀の子。これまでは難なくホームセンターで買っていた。

ところが、ここんところ、ミョウなことに気づく。ヒノキの簀の子が姿を消しているのだ。
代わりにあるのは、「杉製」と表示があるメイド イン チャイナ。あるいは桐製。

これはスギじゃないだろ! と一目で言いたくなる材質である。おそらく中国スギ、コウヨウザンではないか。以前から、この品質の木製品は見かけていたが、一方で国産のヒノキ製品もあった。だが、今ではヒノキ製が姿を消している。

それも、一つのホームセンターだけではない。アチコチで探しているのだが、手に入らない。ヒノキ製の木製品はないことはないが、簀の子ではなく、値段もやたら高くなっている。

不況下、どうやらホームセンターの仕入れはメイド イン チャイナに絞り出したのではないか。そして国産材が排除されているのだろうか。

私も意地になって国産ヒノキの簀の子を探しているが、未だ見つからず。こうなったら、メイド イン ベトナム(国産材をベトナムに輸出して、向こうで加工して輸入したもの)でもいいから、とにかく国産ヒノキ製簀の子がほしい。

もはや、単純な木製品は国内では作れない時代になるのかもしれない。それなりのアイデア商品、あるいは高度な技術を擁する(と言っても職人技ではなく、加工機械の段階ではないと普及しないが)木製品を生み出さないと国産木づくりの小物が消えてしまいかねない。

たとえば、こんなニュースがあった。三重県尾鷲で、「入浴木」として、直径18センチ、長さ1.5メートルのヒノキ丸太や直径9センチ、長さ22センチの小さな木片を売り出したところ、一年で一万本も売れたというのだ。家庭風呂はなく、入浴施設で人気とか。http://www.asahi.com/travel/news/NGY200911160008.html

なんの変哲もない丸太や木片を「世界遺産(熊野古道)の木で入浴を」という単純すぎるキャッチフレーズで売れ筋にする。

12月5日に京都で「木心知れた女心会議」が開かれる。こんなアイデアを持ち寄って、次回は精査して試作品づくりまで持ち込みたいね。

2009/11/25

書評「国産材はなぜ売れなかったか」

昨日は、東京日帰り。往復8時間以上の列車の中は、やっぱりきつい……。

で、その中で読み上げたのが、「国産材はなぜ売れなかったのか」(荻大陸著・日本林業調査会・2000円)である。さっそくサイドバーに入れた。

少し前に発売を知ったので、すぐに申し込んだら、その前に著者から贈呈を受けたという有り難い本。私は、以前から著者の薫陶を受けており(^^;)、実は私の林業観にもかなり影響を与えられている。

だから届くとすぐに読み出したのだが、あまりの忙しさに中断していた。それを長い移動のおかげで読めたというわけ。だから、鉄道の旅は好きなんだ。鉄道オタクのカテゴリーに、「読み鉄」(列車の中で本を読むのが好き。ただし鉄道本を読むわけではない。)というのも作ってほしい(^o^)。

内容は、基本的には戦後日本の木材産業の動きを追っている。そして国産材が売れまくった時代、外材解禁後の展開、さらに集成材時代となり、まったく国産材が売れなくなってきた構造的問題を見事に描いている。そして最後に激動する現在から将来への展望と提言も触れている。

私には、それなりに知っていることも多いはずなのだが、それでも仰天することのオンパレードだ。おそらく業界人でも、常識のウソに縛られている人が多いのではないか。

たとえば「国産材は安い外材にやられた」なんてのは、いまさらのウソであるが、

戦後は、太い丸太より小丸太の方が値段が高かったことを知っているだろうか。そして、その理由は。
実は、「空気売り」と言われる、実際の寸法より大きく表示して売る販売が横行していて、小丸太の方が、値段を化かすのに都合がよかったからである!  丸いままの材を角材として売ることもあった。元口と末口の太さが違っているのも当たり前。だから細い材というだけでなく、木口が先の方が細くなっている、いわば円錐形の材の方が高く売れた。まともな太さの変わらない丸太は、空気が入らず「うまみ」が少なかったからだ。

そのほか、吉野でさえ「安い外材が入ってきて木が売れなくなった」なんて平気で言う人が多いが、実は外材が入り、並材需要が外材に取って代わられる中で、役物(銘木)を出せる吉野は、逆に価格が跳ね上がって大儲けしているのだ。なぜ、それを隠すのか?

……こういった事情を、細かな資料・数字で示す。いくら反論したくたって、当時の業界新聞や統計で示されたら、誰も言えないだろう。徹底的な現場調査から導き出しているのである。

そして、現在は、集成材が価格形成のプライスリーダーとなり、常に無垢材の価格は抑えられている。そして「国産材の値段は、もう上がらない」と断言する。

私も同意だが、こうした業界事情を知っている人は、意外と業界人にさえ少ない。

一見専門書だし、内容も木材産業の分析ではあるのだが、一つの産業の歴史として読んだら、非常に面白いだろう。ビジネスの世界で、こんな目茶苦茶なことが可能だったの? と驚くか、商品の価値や価格形成がどのように変動するか、時代の潮流を感じ取ることができる。普遍的な経済勉強にもなるだろう。

多少とも林業に興味を持っているのなら、育林の世界より前に、木材の世界を知ってほしい。そのための好書である。

2009/11/24

江戸城

江戸城
今日は東京の北の丸公園に行く。こちらの角度から皇居を見るのは初めてかもしれない。
かつて、この奥に、東大寺大仏殿をしのぐ、世界最大の木造建築物があったことを知っているだろうか…。

2009/11/23

客員教授

気がつけば、三連休だったのね……。そして、今日は最終日だったのね……。

世間が休みで、このブログのアクセス数も減っている中、何を書こうかと思ったが、一つ報告を。

私は、先週19日より、東京学芸大学客員教授になりました。

客員教授とは、何か。まー、ようするに非常勤講師ですね(~_~;)。

私の場合は、非常勤も何も、たった一回の講義を行っただけ。次の予定はないし(^^;)。

それでも客員教授の称号をいただけるというので、有り難く受けることにした。

というのも、これまで資料閲覧などに関して、博物館や大学図書館などに照会すると、必ずといって良いほど肩書を聞かれる。フリーランスでは対応が極端に違う。

以前、申し込むと、肩書なしにごねられたことがある。それでいて、大学や出版社を通すと、あっさりOKが出るのだ。いかにも前近代的な事大主義でむかつくのだが、せっかくだから、今回の客員教授の肩書、利用させていただこう。なんたって国立大学法人だから、効果もあるだろう。

ただし、期限があって、付与されるのは、来年3月19日までである。4か月ほどしかない。これが、なかなかいいね。肩書をいつまでも振り回さなくて済む。

もし、3月19日が過ぎても私が使っていたら、注意してくれ。その後は元客員教授とか、名誉客員教授を使うから(~_~)\(-_-メ;)。

2009/11/22

林野ファミリーからの独立

昨日のシンポジウムで興味深かった発言。

速水林業の速水亨氏は、森林認証制度のFSCを取得した理由として、「林野ファミリーからの独立」を指摘した。それについて司会者が質問すると、次のような意味のことを答えた。

「日本の林業は、林野庁とその関係諸団体の指導としがらみで牛耳られている。それから離れるには、国際的な基準のFSCに頼るしかなかった」

Photo                                               

この画面の上から2番目である。

たしかに林野庁は、全国の植林苗の形質から本数、そして間伐など施業法まで規定していて、それから外れるのは至難の業だ。補助金も絡めて、陰に陽にがんじがらめにされている。別のやり方を指向すると、どこから矢が飛んでくるかわからない。それを「国際的基準」という視点を得る効果を考えたのだそうだ。

このシンポの後援には、林野ファミリーの一員である国土緑化推進機構が入っていることを思えば、なかなか含蓄がある(笑)。

ちなみに速水氏は、現在進行中の政策の「作業仕分け」チームに入っているそうだ。林業関係の補助金に大鉈を振るうことを期待する。林野庁の補助金など、八割がた無駄なのだから。

2009/11/21

森の名手・名人フォーラムin吉野

今日は、吉野の川上村で「森の名手・名人フォーラム」のシンポジウムが開かれた。

仕事は幾つも締め切り間際のものを抱えている、しかも手つかずのものもあるほど危機的情況。とてもとても足を延ばす余裕はない……。
が、川上村である。そして今年は、恩師・辻谷達雄氏が「森の名手・名人」に選ばれている。やはりお祝いに駆けつけるべきではないか。しかもフォーラムへの出演者は軒並み知り合いである。

と思って、車を走らせた。締め切りは、誤魔化すことにした(笑)。先方に泣いてもらおう。
そして会場のホールに飛び込む。が、なんか変。見知らぬ顔ばかり。たまたま会った村の助役(副村長)と話すと、どうやら村は後援しているものの、あまり関わっていないらしい。

そこで辻谷氏が館長を務める「森と水の源流館」を覗くと、そこに辻谷氏ほか見知った顔がいた。ところが、彼らは別にフォーラムに呼ばれているわけではないらしい。

??? である。このフォーラムは、「NPO法人共存の森ネットワーク」という、森の聞き書き甲子園に関わった高校生とそのOBの組織が主催で、東京主導で運営されているらしい。川上村は場所貸しにすぎないのだ。
しかし、仮にも川上村で開くのなら、吉野の歴代「名手・名人」が勢ぞろいしてもいいのではないか? とくに今年の選定者を顕彰くらいしてもいいのではないか?

それでも時間となったので、辻谷氏ほかのメンバーと「一般参加者」として、会場に向かった。

Photo                                                

プログラムは、通常通り、基調講演とその後のパネルディスカッション。

ところが、そのディスカッションで、私には想定外(と言ってよいのかどうか)の情況が展開された。

何れの方々の語る内容も、ディープな吉野林業・そして日本の林業の話なのである。もう口にされるのは林業専門用語ばかり。出荷額表の時代変遷とか、高密度路網とか高性能林業機械、人工林の生物多様性に、森林認証制度とか、プレカットとか……。

私には面白かった(笑)。出席者はみんな先進的な試みをしている人ばかりだから、林業のあるべき姿を語り、私と同意見である点も多い。吉野の優位性、そして弱点。今後の展開……と、まあ聞いていて損はない。むしろ、会場の「古い林業家」は、現在の吉野林業を否定されてしまうのだから反発を感じたかもしれない。

が、これは「森の名手・名人フォーラム」ではなかったのか? 吉野林業再生フォーラムなら、諸手を挙げて「いいこというなあ」と感心すればよいが、今日の話のどこに「名手・名人」は登場するのか?

私の想像していた内容、たとえば吉野林業が築いた林業の技と、その担い手、彼らを育てた歴史……などを誰も語ろうとしない。山の生活に触れることもない。マニアックと言っておかしければ、ずばり真正面から林業界のビジネス問題を取り上げている。林業の再生は話題にするが、そのための技の継承や発展の問題はほとんど触れられない。

おそらく「森の聞き書き甲子園」関係の高校生ほかのメンバーには、チンプンカンプンの話題だったと思う。そもそも興味を持てなかっただろう。彼らは、聞き書きを通して山の生活文化に興味を持ったかもしれないが、林業界に就職したわけではない。

いや、私には面白かったけどね(笑)。

主催者側は、参加者が何を聞きたいのか気づかずに企画したのだろうか。それとも意図的に何を狙ったのだろうか。出席者の顔ぶれを見れば、こうした話になるのは読めるから、最初からディープな林業を取り上げるつもりだったのかもしれない。
この催し自体は、シンポジウムだけでなく、2泊3日で明日より3コースの分科会があるらしいから、そちらで「名手・名人」はカバーするとして、初日はわざとコテコテの業界話にしたのだろうか。それとも、若い人を洗脳して、林業に興味を持たせる仕掛けか?

どうせなら、急傾斜の山に高密度に作業道を建設する技術を語ったらどうだ? ヘリ集材の技術を紹介したらとうだ? 木材加工や在庫管理の繊細な技術も取り上げてもよい。そして生物多様性を守る森林施業の技術を追求してくれたらよかった。

そうしたら、私には面白かったけどね(笑)。

とにかく、不思議なシンポジウムであった。

2009/11/20

割り箸戦線異常あり

東京の土産話もいろいろあるのだけど……。

先のコメントにもあったように、私が帰りの新幹線に乗っているころ、テレビ番組で割り箸が取り上げられたらしい。「サプライズ」という番組の中の1コーナーである。

そこで私も、割り箸が次々と樹脂箸に置き換えられていくことへの怒りを訴えたわけだが、さすがに全国放送である。今日は、放映を見た割り箸関係者から相次ぎ電話をいただいた。

皆さん、喜んでくださるとともに、現状への怒りと不安を口にした。たしかに割り箸需要はどんどん落ちている。外食産業そのものが割り箸離れを起こしているからだ。

そこで聞いた情報の一つ。

割り箸輸入月統計によると、近頃は中国からの輸入が数年前からすると半減している。

これを年ベースに置き換えると、これまで250億膳輸入していた割り箸が、今年は120億~130億膳程度になるだろうということだ。とくに中国製が急減している。一部は、中国以外の国に移ったことが考えられる(中国が輸入関税を上げて、輸入禁止を匂わせたため、ロシアやベトナム、チリ……など他国に分散したことがある)が、基本的に日本の需要が減ったことは間違いない。

これだけの劇的な減少は、これまでにない。本当に日本人が外食を減らして割り箸を使わなくなったのなら、それはそれで新たな文化・経済状況に入ったとあきらめもつくが、おそらくそうではない。石油で作った樹脂箸に取って代わられているのだ。

ともあれ、いくつか新しい動きや提案もあった。今後の出方を考えよう。

2009/11/19

雨の表参道

雨の表参道
今日は表参道をさ迷う。
昨夜は朝鮮語や中国語が飛び交っていたが、こちらは英語以外の欧米語が、よく耳に入るなあ。

もう、東京からおさらばだ。

2009/11/18

新宿アルタ前

新宿アルタ前
今日は東京。新宿アルタ前で待ち合わせ中。

相変わらず人が多いわ。しばらくネオン街に身を任せます…。

2009/11/17

アニメ製作

昨夜は、地元のNPOを取材に行っていた。

具体的には、生駒市の隣の平群町にある「NPO法人うぶすな企画」というのだが、ここでは現在アニメを製作中。

もともと取材の意図は、生駒山系に戦国武将はいないのか? という疑問から、島左近を見つけ出した。石田三成の片腕として関が原に散った猛将である。彼は、平群の出身なのだ。

そして、うぶすな企画では、島左近を顕彰するためにラジオドラマを自主製作して、地元のコミュニティFMで1年間流したという。そして、現在はアニメ製作まで行っている最中なのだ。これは、生駒市のケーブルテレビで来年1月より1年間放映予定。

そこで、その現場を覗かしてもらおうと、ちょうど収録日だった昨夜訪れたのである。

アニメとは言っても、正確には静止画アニメで、画面は動かず数秒後ごとに絵が変わる、いわば紙芝居式ではあるが、製作に参加するのは全員有志のメンバーで数十人にもなる。

絵を描くのは神奈川、高知にまでいて、さらに近隣在住の絵画系の人々を集めている。さらに声優に劇団所属員など芝居心のある人々、編集や収録も、経験者が集結している。そして、全員ボランティア。場所は、代表者の家であり、地元旧家なのだが、その土蔵を改造してスタジオにしている。

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セリフ収録風景。

まあ、その馬力には恐れ入った。ほぼすべては代表者の女性とその娘の人脈であり、行動力が生み出したもの。毎週のように何十人も家に集め、夕食を提供している。もちろん各自の持ち出しも多いが、代表者が私財を投げうって? 取り組んでいるのである。

ラジオドラマなど、インドネシアのバリ州で放送され(日本語のままだよ!)評判を呼び、現地新聞の一面を飾るほか、バリ州知事より感謝状まで受け取っている。

ちなみに私まで、撮影中に出演させられた(~_~;)。島左近の部下のセリフを言わされたのである。有無を言わさず、出演を命じられたら断れましぇん。孫娘もだっこしていたし、こうして人を巻き込んでいくのだ。

なるほど、地域づくりとは、こんなブルドーザーのような人がいるから動きだすのだ、と思った(笑)。

2009/11/16

シンポジウムの舞台から

先週末は、奈良県主催のシンポジウムに出席。

なんと、舞台の上で盗撮してしまった(笑)。

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これは、他者の発表中。失礼しましたm(__)m

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これが会場。200人くらいは入っていただろうか。

当日は、奈良県桜井市で発掘された纒向遺跡の現地報告会と重なっていた。なんたって邪馬台国である。森林の話が太刀打ちできるわけがない、と思っていたのだが、まずまずの入り。皆さん、動員というわけではなかろうが、森林に熱心である。私なら、邪馬台国に行くが(~_~)\(-_-メ;)。

会場には、知った顔が多くて、ちょっとやりにくい。

とくに私は、なんと投資ファンドのことをしゃべったのだ! いや、森林環境税って何? いう疑問に対する一つのアンチテーゼとしてなんだけど。

すると会場には、銀行マンがいるではないか。

パワーポイントで生駒山の里山を映し出したら、会場にその棚田で活動しているNPOの人がいるし。

やりにくい(笑)。

ま、いくつか話そうと思っていた話題を飛ばしてしまったが、無難に終わったよ。

2009/11/14

素敵な小さな町コンクール2

先に提案した「素敵な小さな町コンクール」、まさに思いつきで書いたので、じっくり考察していなかったが、その後少しずつ考えている。

コメントにあるよう、たしかに基準が難しい。そもそも「小さな町」の基準、そして「素敵」と思う基準。それも「旅先の素敵」と、「住んだら素敵」の違いもある。

このところ日本海づいているが、今秋訪れた福井と富山は、常に「住みよいまち」の上位にある。ところが、住人は、あまり納得していないよう(^^;)。

とくに福井で会った女性は、県庁所在地の福井市の中心街に住んでいるにもかかわらず、「何もない町」とのたまい、「買い物は金沢まで行く」とか。やはり人それぞれ求めるものが違うので、基準もさまざまなのだ。

また鳥取は「順調に人口は減っています」という有り様だが、コンパクトで、限界集落のようなところが、町の中心部から車で10分圏内だったりする。そこに悲壮感はない。

そこで少し調べてみると、「東洋経済社」が、「住みよさランキング」を発表していた。引用すると、

「住みよさランキング」は、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度の5つの観点から16の社会経済指標――安心度:①病床数*、②介護老人福祉・保健施設定員(対65歳以上人口)、③出生数(出産年齢女性人口当たり)、利便度:④小売業販売額*、⑤大型店店舗面積*、⑥金融機関数*、快適度:⑦公共下水道等普及率、⑧都市公園面積*、⑨転入・転出人口比率、⑩新設住宅着工戸数(世帯当たり)、富裕度:⑪財政力指数、⑫地方税収入*、⑬課税対象所得額(納税義務者1人当たり)、住居水準充実度:⑭住宅の平均延べ床面積、⑮持ち家世帯比率、⑯住宅地平均地価――を採り上げ(*は1人当たり)、各指標について全国平均値を50とする偏差値を算出。各都市の単純平均を指標化したものである。」

だが、私の考えるのは、あくまで「小さな町」である。だから都会を求める人は外して、小さな町=田舎に近い町だ。そして旅先ではなく、住むことが前提。それも、「静かな田舎で定年後は悠々自適に過ごしたい、自然に包まれて暮らしたい、人づきあいは少なく」……なんてことを望むのではなく、活力ある地域であるべきだ。

たとえば自然を利用した産業が盛んか、なんて基準もありえる。農業、林業、漁業のほか、自然観光、食品製造などのベンチャーがあるとか。

もちろんカフェがあることも欠かせない(^o^)。

もう少し、考えないといけないなあ。

でも、コメントでも記したが、「ウッドマイルズ」という木材の輸送距離とエネルギーに着目した指標は、現在かなりの広がりを得ている。京都府などは、これを木材認証制度に取り入れた。このウッドマイルズをリードしているのは、卒論からスタートしたNPO「ウッドマイルズ研究会」である。
http://www.woodmiles.net/

ほかにも「日本で最も美しい村連合」なんてのもある。こちらはNPO法人になっている。

誰か、挑戦しないか?

2009/11/13

「日本の森林を考える」の廃刊

会員寄稿誌「日本の森林を考える」の廃刊を知らせる案内が届いた。

この雑誌、以前紹介したことがあったと記憶するが、ようするに林業関係のオピニオン誌である。主に林業関係者、とくに林野庁や林業研究者などに購読者が多かったらしい。それが発行元の財政難と発行人の病気により廃刊することになったという。

年4回で現在で39号。もともと10年間の予定で始めたと聞くから、あと1号、40号になれば満願であったはず。その一歩手前の挫折だけに残念である。

私にとっては、また一つ、執筆舞台を失ったことになる。
これは会員誌であり、別に原稿料を稼いでいた雑誌ではない(それどころか会員費年1万5000円を支払っていた)のだから、これで収入に響くというわけではないのだが、とにかくディープな林業について書ける媒体だっただけに、残念でならない。

今春には「農林経済」が休刊して、大きな執筆舞台を失った。この雑誌も、一般向きではなく、主に官公庁の農林漁業部門や農協、漁協、森組などが講読していたのだが、それだけにダイレクトに関係者に届く媒体だった。それが失われたのだ。

加えて、「日本の森林を考える」がなくなるとなると……。このブログにも書けない堅くて微細な(^^;)、林業論や情報を扱えるところがなくなった。

今や私が、林業について書くところは極めて限られている。たまに依頼があっても、それは初心者向きだったりする。

まあ、私は林業ジャーナリストではなく、森林ジャーナリストなんだから、林業ばかりに傾斜するわけではないが、世の中がいよいよ林業に冷たくなっていくような気がする。
一方で、環境関係では「林業」に注目を集めているのだが、環境のために林業やる、なんて発想は邪道だ。産業なくして林業でなし、である。

2009/11/12

素敵な小さな町コンクール

これは以前から考えていたのだが、「素敵な小さな町コンクール」を開けないか。

みんな小さな町は、過疎が進み、高齢化が進み、暗くて面白みのない町だと思いがちだ。実際、小さな町は住み心地が悪いとされ、大都市をめざす。地元の人も、卑下しがち。

だが、小さな町ならではのよさもある。私も、大都市から小さな町に移り住んで、コンパクトで便利だし、融通も効くし、知り合いによく逢うし(^^;)顔なじみになりやすいと幾つもの利点に気がついた。すぐに町全体の様子もつかめる。そして行政も身近。

本当に住み心地のよい小さな町もあるのだ。それを選び出して、顕彰することはできないだろうか。住み心地がよいと言われたら、きっと田舎暮らしを求める人も興味を示すだろうし、地元の人も元気が出るかもしれない。

もちろん基準は必要だ。それはみんなで考えたい。

まず小さな町の定義だが、人口は5万人以下、下限はないが5000人くらいか。もっとも人口よりも町の造りが大切だ。また行政区域による市町村では、近頃の合併でおかしくなっているから、集落単位でもよいかもしれない。その場合は、上限は1万人以下か。

コンクールの判定基準には、行政の透明性や街づくりに対する熱心さもあるが、中心部に銀行があるか、病院があるか、タウン誌があるか、なんてのも項目になりそうだ。さらに小中高校もないと、子供たちが出て行ってしまう。
ほかに就職口の範囲、賃貸住宅の家賃、若者人口、自然地域への距離……。山や海に近ければ、ポイントが上がる。

また映画館は必要ないが、レンタルビデオ屋が何軒あるとか、町挙げての祭があるかとか、も考えられる。うまいレストラン、居酒屋の存在も入れたい。

そして集落ごとのカフェの有無も重要だろう(^o^)。

そうした基準を選びつつ、「素敵な小さな町」を選定し、「住みよい町」と認定すれば、イメージアップにつながらないか。

この考察、続く。

2009/11/11

学生からのメール

こんな仕事をしていると、見知らぬ人からのメールもちょくちょく来る。

その中でも、たまに学生から質問メールのようなものが送られてくるのだが、これがなんともはや……。

意外や卒論の内容に私の著書テーマと重なり、質問が寄せられることが多い。まあ、私も自分が学生だったことを思い出して、できる限り応じることにしている。本来ならプロから簡単に情報を取ろうとされては困るのだが……。

もっとも、私は甘くないよ(-.-)。失礼な内容や文章だと、手厳しく返答する。
そもそも見も知らぬ人に、いきなり意見を求めるのだ。それなりの礼儀はもちろん、最低限研究テーマを説明し、これまでの調査結果、そして自分なりの意見を添えて、それに対してどのように解釈したらいいのか、あるいは自分の考え方はおかしくないか教えてください……と、意見を乞うべきだろう。

最近も、某大学生から卒論を書いているとメールが来たのだが、意味の取れぬ言葉遣いの文章であるうえ、一方的に質問を並べて答えてくれ、という代物だった。
そこでビシバシおかしな点を指摘して、その上で私なりの意見を添えた。指導教官よりマシ?のつもりだが、最近の教官は学生に優しいのだろうか。

で、案の定というか、その後礼の一本も寄こさぬ……。怒られて気分を害したのかねえ。こういう目に会うと、せっかく忙しい中に時間を割いたことに虚しくなる。

もっとも、気持ちの良いメールを掛けとることもある。

これまで、もっとも感心したメールは、当時高校生だった女性からのものだった。焼き畑の可能性に関する論文を仕上げていて、それに対する意見を求められた。もちろん、ていねいに(^o^)、優しく(^^;)、返答しましたよ。

それから某女子大生(当時)から割り箸に関する卒論に関するメールもよかった。その後、私は彼女の取材を受けた。そして完成した卒論も送ってきた。
礼を尽くした真っ当なメール、マジメな姿勢に対しては、私も誠心誠意対応するよ。(この場合、何も学生に完璧な文章力や礼儀を要求しているのではない。ようは取り組む真摯な姿勢である。)

あっ、何も優しくなるのは女子高生、女子大生だからではないからね! 女子大生でも、無礼なメールには、徹底的にタタキ潰す返信をするから覚悟しておきなさい。

2009/11/10

富山の路面電車

ライトレール、私も探したのですが、見つかりませんでした。

これは、あんまり車高は低くないし……。単なる路面電車か(笑)。

002 LRTと呼ばれる新しい都市交通機関として注目されていますが、実際の経営状況はどうだろう。

                                                 

2009/11/09

富山のレトロ

富山のレトロ
富山に来ている。福井に島根、鳥取と続く日本海シリーズ?の最後を飾るか。

さて、富山名物はカニよりホタルイカ、それとも鱒寿司かと思えば、シロエビかも。何を食べようか。

それにしても富山市は、薬売りといい、ちんどんコンクールといい、レトロが売り物だな。シネマ食堂街もその一つ。

2009/11/08

カフェのある田舎

昨夜、鳥取より帰って来ました。カニは食べられませんでした。

で、鳥取東部、とくに智頭町を回って思ったこと。それは、カフェがある集落にはと明るさがあることだ。

戸数10数軒しかない、もしかして限界集落になるかもしれないところに、ぽこっとあるカフェ。それが集落に明るい日射しを投げかけているように感じた。

一歩足を踏み入れると、オシャレな空間が広がっており、質のよいインテリアをまとっている。外の田園風景とマッチした古民家風あり、レトロ風あり。時にログハウスにジャズが流れていたりもする。

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写真は、廃屋になっていた旧郵便局を改造したカフェ。早くも大人気。

10こちらは、伝統的な山村集落を今に残すことで保存地域に指定された板井原集落にあるカフェ。

今や観光名所にもなった。

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そして袋小路の集落に、今年7月にオープンしたばかりのカフェ。
このオーナーはなんと70歳で、しかも家は新築である。

こんなところにカフェをオープンしてもお客さんが来るの? と思わせるのだが、意外や盛況だったりする。経営的にはどうかわからないが、フルオープンでなく週に何日かでも開店していると、お客さんが集まるのだ。

聞いてみると、店主の人脈で人が集まる場合もあるが、口コミで評判が広がっていたりもする。その評判が、トラベル雑誌などに取り上げられて、今度は遠くからの観光客も呼び込んでいる。それが地元紙・地元誌に紹介され、また地元の人が足を運ぶ。

なかには集落内の90歳を越えるおばあさんらが4人連れ立って、「生まれて始めてのカフェとやらを体験」しに訪れたところもあった。
いつしか地元の人々のたまり場となり、情報交換ンの場にも発展し、それが新たな動きを生み出している。

そして運営しているのは、多くがIターン、あるいはUターンの人々。彼らを受入れ、またお店を作ることを認めたことで、その集落のレベルが上がったような気がした。

田舎の活力、そして移住したくなる田舎をはかる尺度として、カフェがあるかないか、を取り入れてはどうだろうか。

2009/11/06

鳥取グルメ

急きょ、鳥取入りした。
折しもズワイガニ漁が今日から解禁。さっそく…てなことはなく、B級グルメのホルモンそばを食する。
来週は富山県だから、日本海づいてるなあ。

2009/11/05

雨の森歩き

島根では、森林セラピー基地の一つである飯南町を訪ねた。

あいにくの雨……いや、雨の日の森歩きを体験したかったのだ。

実は、これまでの雨模様の天候の中に森歩きをすることはあった。それは、多少仕方なく実施した面もあるが、実はなかなか楽しかったのだ。私は、雨の日こそ、森林療法に向いているのではないか、という仮説を立てている(笑)。

というのも、
雨の音ゆえに、雑音が遮断される。
しかも視界が悪くなるため、遠くの景色がぼやける。
でも目の前の景色は、雨に濡れるためか、清々しい。
濡れるという感触が、五感を意識しやすくする。

もちろん、あまりに雨が強かったり風があると、外界の刺激が強くなりすぎるからダメだが、しとしと、あるいは霧雨のような天気の方が森林療法の効果が高まるように感じていた。

ある意味、日常からの環境を変えつつ外界からの刺激を最小限に抑えるという矛盾した条件で、心の内面に向き合う場として「雨の森」を推奨したい。

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で、実際に歩いてみると、ボソッ、ボソッ、と傘に落ちる大粒の樹冠雨の音が耳に響く。これが催眠効果をかもしだす(^^;)。いや、寝不足だったからか。

狸の溜め糞があった。なんでも熊も出たらしい。これは、癒しには困るが。

標高が500メートル越えるらしいので、下界より一足先の紅葉も訪れていた。

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足下の黄葉。

                                                                                                                                                

30_2 ともあれ、飯南町は山陰気候で雨の多い土地柄。それなら雨の森林療法を売り出すのにもってこいだろう。

2009/11/04

巨木シイタケ

先に紹介した農林畜産製材複合経営のお宅だが、目を見張るのはシイタケだ。

もともとシイタケ栽培には自信があり、県の「シイタケ塾」なる一般向きのシイタケづくりの講座で講師も務めるが、自身の栽培現場は、驚きだった。

1                                                   

写真を見てほしい。そしてホダ木の太さに注目してほしい。

直径60㎝くらいあるかなあ。巨大クヌギやコナラの幹を使っているのだ。

これほど太い原木を使うシイタケ栽培は始めて見た。しかも打ち込むのは通常のコマと呼ぶシイタケ菌を染み込ませた木片ではなく、ケイセイ菌と呼んでいたが、おが屑だそうだ。これをドリルで開けた穴に詰め込む。かなり省力化して、しかもその年に胞子嚢、つまりキノコ部分が出てくるというから信じられない。

全国でクヌギ、コナラが巨大化して処分に困っている。大きな林冠が林床を暗くして雑木林の更新を妨げているからだ。伐採するのも技術がいるし、その後萌芽も出にくい。そして倒した巨木の利用法もない。

ここに巨木シイタケという原木利用の道が広がれば、多少とも道は開けるのではないか。

2009/11/03

稲刈りと複合経営

今日は祝日だった。世間は休みなんだなあ。

島根県で訪ねた奥出雲町。そこで案内された人の田んぼを見た。

Photo                                                   

                                                 

写真のとおり、田んぼの一部に刈り残しがある。これは何かと尋ねたら、
「稲刈りの時、そこの稲だけまだ青くて成熟が足りなかったから」
という。ちゃんと稲穂を観察して、刈り取る穂を選んでいるのだ。これが大型稲刈り機、コンバインなどだったら、そんな真似はできないだろう。この田んぼは、有機栽培米だから、ていねいな手法を取っているらしい。

刈り残したところは、水の取水口近くで、水分が多いことが成熟を遅らせたのではないか、というが、こうしたきめ細やかな気遣いが日本の農家の真髄かもしれないぁ。

ちなみに、この方は、十数ヘクタールの山林をもつ林家でもある。少し見せてもらったが、管理が行き届き、そのうえ林床にはアテ(ヒバ)が植えられていた。そしてウシも飼っている。また、改めて紹介したいと思っているが、シイタケ栽培を行い、今度は製材も始めた。

まさに農林畜産複合経営だ。いずれも規模は小さい。しかし、小規模ゆえの有機低農薬栽培の取組や、自慢のシイタケ・ナメタケを見せられると、規模ゆえの経営の仕方があることを感じる。
たとえば始めたばかりの製材は、材をどこへ売るか決まっていないという。まだ乾燥中なのだ。一見場当たり的な新規事業だが、心配しなくても1年に1棟くらいの材木量なら、口コミで捌け口が確保されるだろう。急がないのだ。

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家族経営ならではの、小回りの利く、複合経営である。

新生産システムなんぞとは、正反対の方向性かもしれない。

2009/11/02

3倍速杉苗のその後

昨夜、島根より帰って来た。

2日間、ずっとしゃべっていた気がする(^^;)。

本番前の昼間から林業話に盛り上がり、本番後も宴会を通して林業の話ばかり。飲み過ぎ、食べ過ぎ、しゃべり過ぎ、であった。おかげで喉が痛い。ついでに睡眠不足も重なって、身体がヨタヨタしてしまった。年です。

出席者は、私と、東京の林業家・田中惣次さんである。「二人の田中」のシンポジウムであった。田中惣次さんは、「これまで全国を回って、行っていないのは長崎と島根だけだった」と、島根を楽しんでおられた。私も、先日、最後の未踏の地・千葉に足を踏み入れて全国制覇をなし遂げたわけだが、同じことをやっておられた(^o^)。

ちなみに私は島根には何十回と訪れている。とくに林業関係では、島根緑化センターを訪れて、「3倍速の杉苗」を取材したものだった。(『「森を守れ」が森を殺す』収録)

なんたって、5年で直径10㎝にもなるスピード生長。しかも偽年輪が入って強度も申し分ない。10年で柱材が採れるようになるぞ、これは林業を変える! と期待されて当時の関係者と盛り上がったのである。
そして今回の会場は、奇しくもその緑化センターだった。そこで、当時の杉苗が10年以上たってどのようになっているのか楽しみにしていた。

ところが、ないのである。かつて10本くらい植えて、そのうち数本を検証のために伐っていたが、まだ数本残っているはずなのに、ない。

どうやら3倍速苗は、その後不幸な歴史をたどったらしい。そして期待を裏切られて姿を消したのだろうか……。あの苗の価値は、いろいろあったのに。

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森と林業と田舎