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2009/11/02

3倍速杉苗のその後

昨夜、島根より帰って来た。

2日間、ずっとしゃべっていた気がする(^^;)。

本番前の昼間から林業話に盛り上がり、本番後も宴会を通して林業の話ばかり。飲み過ぎ、食べ過ぎ、しゃべり過ぎ、であった。おかげで喉が痛い。ついでに睡眠不足も重なって、身体がヨタヨタしてしまった。年です。

出席者は、私と、東京の林業家・田中惣次さんである。「二人の田中」のシンポジウムであった。田中惣次さんは、「これまで全国を回って、行っていないのは長崎と島根だけだった」と、島根を楽しんでおられた。私も、先日、最後の未踏の地・千葉に足を踏み入れて全国制覇をなし遂げたわけだが、同じことをやっておられた(^o^)。

ちなみに私は島根には何十回と訪れている。とくに林業関係では、島根緑化センターを訪れて、「3倍速の杉苗」を取材したものだった。(『「森を守れ」が森を殺す』収録)

なんたって、5年で直径10㎝にもなるスピード生長。しかも偽年輪が入って強度も申し分ない。10年で柱材が採れるようになるぞ、これは林業を変える! と期待されて当時の関係者と盛り上がったのである。
そして今回の会場は、奇しくもその緑化センターだった。そこで、当時の杉苗が10年以上たってどのようになっているのか楽しみにしていた。

ところが、ないのである。かつて10本くらい植えて、そのうち数本を検証のために伐っていたが、まだ数本残っているはずなのに、ない。

どうやら3倍速苗は、その後不幸な歴史をたどったらしい。そして期待を裏切られて姿を消したのだろうか……。あの苗の価値は、いろいろあったのに。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
生駒で建築設計事務所をしているiwakiと申します。宜しくお願いいたします。
少し前からブログ拝見しております。
この三倍速の苗 どのような末路になったのか興味深いです。

おや、地元の方ですか。お見知り置きを。

3倍速苗については、過去の本に詳しく書きましたが、最初に手がけたのが島根県副知事であったにも関わらず、県からは冷たい仕打ちを受けたようです。そして、最初のうちこそ速かった生長もやがて落ち着いてしまい、通常のスギと変わらなくなったとか。それでも初期生長が速ければ下刈りはいらないし、いろいろ面白いのですが。

スーパー苗木のことですか?

そゆネタなら、私は本当は天然更新施業を
やりたいw伐採と植林を同時にやるような発想ですが。100年生の桧は種がたくさんできますから、間伐択伐で空間を作ってあげて
そこへ種が飛んできて芽がでて育つ。日光等の条件はありますが、三重かどこかにそゆ森林があるらしい・・・みたことはないですが。北海道だと笹をブル押しして(畑を耕すような感じ)天然更新をやってるのですが。

ありがとうございました。
興味深いですので本を読ませていただきます。
こちらは設計事務所ですので建築時に材料を指定する立場で基本は地元の木を使うことを心がけていますが 近県にないものは信州や三陸から取り寄せることもあります。
考える部分も多いです。今年から県の林業活性推進化の委員にもなりましたので
山と木のことをいろいろ勉強したいと思っています。
ご指導宜しくお願いします。
frontdesign 岩城

拙著『「森を守れ」が森を殺す』は、現在絶版ですが、生駒市の図書館にはあるはずです。

奈良県は林業県とはいうものの、建築に必要な木材がすべて揃っているわけではないですねえ。そんなところにも、国産材の問題があるわけですが。
県の委員でしたら、ぜひとも林業家にカツを入れてやってください(^^;)。

 ずっと三倍速で成長したら、いい様な気もするが、土の養分も三倍速で減少するだろうから、後々大変な事になりそうな気もする。
 無茶をすれば、どこかに跳ね返る。
昔みたいに、木材の再利用をすれば、そんなに沢山の木材は必要ないはず。平均30年で壊して、しかもあちこち廃屋まである。
 30年を100年にしたら、一年あたりの需要は三分の一にならないといけないけど、木材、コンクリートの需要は多分減らない。減らさないと、環境対策にならないのだけどね。

3倍速苗が最終的に生長速度を落として通常と同じになっても、それはそれでいいんですよ。
初期生長が早ければ、草に負けないので下刈りが大幅に軽減できます。育林コストを下げることができるのです。

ただ、3倍速苗が消えた理由には、どうも地元の人間関係があるようなんですよね……。

『「森を守れ」が森を殺す』の出版直後に読ませていただいて、すぐに島根緑化センターにお話を聞きに行ったことがあります。
ばらつきはあるものの成長の速さを知り、下刈りのコスト削減のために使えるようになりそうだと思いました。

確認に野菜の水耕栽培をされている専門家に質問したところ、水耕で育てた野菜苗を路地に植えると初期成長が非常に大きいこと、しかし全体としての収量は変わらないことを聞きました。スギも最終的に変わらないことには納得できます。

利益率を向上させるためには初期コストの削減こそ重要であるはずなのに、下刈りの低コスト化は、伐出の効率化ほどには熱心に取り組まれないのが不思議でなりません。

10年で柱材という目的でなく、下刈りをなくすための苗木水耕栽培はありなのだと思うのですが。

野菜の水耕栽培でも、同じ結果が出ていますか。
それは科学的裏付けになるかもしれない。

でも、初期コストの低減という面から、もう一度注目してほしいですね。近年は植林面積が激減しているけど、この技術を埋もれさせるのはもったいない。大面積皆伐地の再造林に向いています。

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