アニメ製作
昨夜は、地元のNPOを取材に行っていた。
具体的には、生駒市の隣の平群町にある「NPO法人うぶすな企画」というのだが、ここでは現在アニメを製作中。
もともと取材の意図は、生駒山系に戦国武将はいないのか? という疑問から、島左近を見つけ出した。石田三成の片腕として関が原に散った猛将である。彼は、平群の出身なのだ。
そして、うぶすな企画では、島左近を顕彰するためにラジオドラマを自主製作して、地元のコミュニティFMで1年間流したという。そして、現在はアニメ製作まで行っている最中なのだ。これは、生駒市のケーブルテレビで来年1月より1年間放映予定。
そこで、その現場を覗かしてもらおうと、ちょうど収録日だった昨夜訪れたのである。
アニメとは言っても、正確には静止画アニメで、画面は動かず数秒後ごとに絵が変わる、いわば紙芝居式ではあるが、製作に参加するのは全員有志のメンバーで数十人にもなる。
絵を描くのは神奈川、高知にまでいて、さらに近隣在住の絵画系の人々を集めている。さらに声優に劇団所属員など芝居心のある人々、編集や収録も、経験者が集結している。そして、全員ボランティア。場所は、代表者の家であり、地元旧家なのだが、その土蔵を改造してスタジオにしている。
セリフ収録風景。
まあ、その馬力には恐れ入った。ほぼすべては代表者の女性とその娘の人脈であり、行動力が生み出したもの。毎週のように何十人も家に集め、夕食を提供している。もちろん各自の持ち出しも多いが、代表者が私財を投げうって? 取り組んでいるのである。
ラジオドラマなど、インドネシアのバリ州で放送され(日本語のままだよ!)評判を呼び、現地新聞の一面を飾るほか、バリ州知事より感謝状まで受け取っている。
ちなみに私まで、撮影中に出演させられた(~_~;)。島左近の部下のセリフを言わされたのである。有無を言わさず、出演を命じられたら断れましぇん。孫娘もだっこしていたし、こうして人を巻き込んでいくのだ。
なるほど、地域づくりとは、こんなブルドーザーのような人がいるから動きだすのだ、と思った(笑)。
« シンポジウムの舞台から | トップページ | 新宿アルタ前 »
「地域・田舎暮らし」カテゴリの記事
- 家構えから農村と山村の違いを感じる(2023.07.09)
- ならしかトレイン~シカ電車(2023.02.03)
- 巨大重機の杜(2022.10.23)
- 復元城巡りの旅(2022.10.09)
- 歴史的景観の活かし方(2022.10.05)
すごいプロデューサーですね。1年間流したラヂオドラマって、大河ドラマのように1年がかりで一つの話を流したのですか? バリで日本語のラヂオドラマを流すところも、どうやって話をつけたのか知りたいところです。
ところで、辞書を引いてみましたが、静止画はanimationとは言わないようですよ。でも、いまや「アニメ」は世界共通語だから、日本語の「アニメ」だったら静止画もありなのかも、という気もしてきました。
投稿: 沢畑@ラヂオスター | 2009/11/18 00:12
ラジオドラマは、毎週30分間52話で、島左近の一生を演じたそうです。
バリ島には、ちょっとした人のつながりがあったそうですが、無料提供であることが喜ばれたのでしょう。日本のコンテンツというだけで有り難がられたのかも(^^;)。
アニメは1話15分で24話(2週に1回放映)の予定です。約5秒で1枚ですが、画面の中でパンしたりクローズアップするから、多少の動きはありますね。手塚治虫の「鉄腕アトム」も、1秒4コマ(通常のアニメは8コマで作り、それが現在の繁栄を招いたんだから、静止画アニメも徐々に進化するかもしれませんよ。
投稿: 田中淳夫 | 2009/11/20 00:29