廃業後のゴルフ場
先にゴルフ場の森林の利用度が低い、という話題に触れたが、それで思い出した。
今やゴルフ場は廃業後の利用方法を模索している時代であることを。
現在のゴルフ場の数は、約2400。この数は、あきらかに過剰で、おそらく500くらいは廃業しないと適正規模にならない。現在は若手の活躍によるゴルフブーム、リタイヤ世代のゴルフ回帰、そして韓国のゴルフブームによる海外客の増加で息をついているが、そんなに長くは続くまい。
で、真剣に業界では、廃業後のゴルフ場の利用法を探しているのである。
今考えられているのは、墓地(^o^)。緑の中、芝生に囲まれた墓地って、オシャレじゃないか。
それから、マジメなところでは公園などがあるが、これは自治体が買い上げてくれないと運営できまい。民間の有料公園の需要は、よほど花の名所にでもしないと無理だ。
そこで再森林化という意見もあるが、林業では収益が見込めないから、これも自治体保有か、あるいは膨大な補助金がないとスタートを切れない。
じゃあ、放牧地。牧場にしてしまうか。芝生も維持されるし。
それならば、と提案されたのが、バイオマス燃料の生産。それがサトウキビなのかトウモロコシなのがサツマイモなのか、あるいは芝草そのものを使うか、技術的にはいろいろあるが、考えてみても面白いかもしれない。
でも、いずれも採算が合いそうもない。放置するよりマシというレベルだろう。
そこで、コンドミニアムを建てて分譲する案も出ているそうだ。これも高級ホテルとしてなら、悪くない。しかも閉鎖空間だから、外部から人が入ってくる心配はない。
いっそ、大金持ちが、隠れ家的に使う別荘にいいかもしれない。ITビジネスなどでぼろ儲けした起業家なんかには、こんな秘密の家を欲しがるのではないか? 一種の治外法権的な空間である。
私は、廃業する前に、クラブハウスに附属のマンションなんぞを建てたら、流行らないかと思ったりする。いっそ5階建てにして、クラブハウスは1~2階にして、上階を分譲する。マンション付きゴルフ場というより、ゴルフ場付きリゾートマンションである。
さらに発展させて、超高級老人ホームもいけるかも。いやいや高級にしなくても、介護施設にして、入所者に森林療法を施すのはどうだ?
実際には、法律やら水回りなど難しい点はあるが、できないことはないと思うなあ。
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