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森と林業と田舎の本

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2009/12/13

出版不況

この秋は、異常に忙しく、とくに10月11月は暗い原生林の中を彷徨っている気分だったが、ようやく明るい雑木林までたどり着いた気分。

が、すると急にスランプになった(笑)。ブログに書くことが思い付かない。

で、こんな時は自身を振り返る内向き話。

私がフリーランスになったのは、実は幾度かあるが、現在に続く独立は、1991年である。
と言っても、最初は海外に出かけていて、帰国後しばらくは失業者を気取っていた時期もあった。ともあれ、やがて旅関係やらアウトドア関係の記事を書くようになり、なんとかフリーライターを名乗りだしたが、一時は家賃を支払うのもきつい時代があった。

そして1996年、『「森を守れ」が森を殺す!』を出版。森林ジャーナリストという肩書が突き出すのだが、今年出版した『ゴルフ場は自然がいっぱい』は、それから11冊目の著作である。
もっとも、その前に2冊の著作があるし、私の名前で出していない本も幾冊かある。さらに共著……というか、一部執筆の書籍も何冊か。また増補版、文庫化なども含めれば、出版点数は全部で20数冊になるだろう

年数の割には、あんまり出していない。しかも、ヒット作はそんなにない(笑)。いや、最終的にはほぼ売り切るのだが、初出ダッシュがそんなに早くない。私は、ベストセラータイプではなく、ロングセラータイプの著述家なのだろう。
が、今の世の中、そうした売れ方では増刷りしてくれなくなった。売り切ったら、そのまま絶版になりかねない。

ちょうど、今朝の新聞に「出版産業が20年ぶりに2兆円を割った」記事が一面に載っていた。いよいよ書籍も雑誌も反転の気配を見せず、ずるずると売上を落としている。
すでに不況に強いはずの新聞や漫画もこけている。テレビだって急激に落ち込んでいる。マスコミ業界全体が傾いてきたということだろう。

ここで出版界の事情を分析するのは止めておくが、世間が不景気なのに出版だけが特別な状況にあるわけない。

そんな状況の中で、私は忙しかったのだから、有り難いことである。暗い森を嫌がってはいけない。もう一度、原生林の中にもどるべきだ(笑)。

とはいえ、私も定期的な雑誌の仕事はあきらかに減っている。早めに書籍にシフトしてきたのは正解だったが、今度は書籍の出版も危なっかしくなっていくのではなかろうか。

とはいえ、今更仕事の歩む方向を変えることはできないし、その気もない。やっぱり雑木林の方が気持ちよい(笑)。
ほっといても時はたつのだから、ジタバタするのはよそう。

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