フランスは建築用木材を10倍に
木造建築が話題になる日本だが、実はフランスも木造建築に力を入れるらしい。
というのは、サルコジ仏大統領が建築素材としての木材の使用を、現状の10倍にするという声明を発表しているからだ。
フランスは、ヨーロッパで3番目の森林面積を誇る。しかも森林蓄積は増え続けているのだ。おそらく二酸化炭素削減も視野に入れての政策だろう。ヨーロッパの家は石造りのイメージがあるが、骨組みはたいてい木だし、フローリングなどにも木材は多用している。もともと建築資材としての木材は需要があるわけだ。
それにしても、10倍とは大きく出たな、と思う。
しかし、どのようにして木造建材を増やすのだろうか。とくに民間には、どのように対応するのか。
実は裏の手があるらしい。フランスは、街の景観にうるさく、個人の家でも改築には許可がいる。ほんのわずか外観が変わるような増改築もなかなかできないそうだ。それをゆるめる、木材を使う場合は許認可が簡単に下りるようにすることで、推進するのだそうだ。
フランスの場合、大統領権限が強いから、この法案の国会通過は間違いないらしい。
ここに日本との手法の違いを感じる。
日本の場合、すぐに補助金をばらまく。今でも県産材を使う人には補助金を出すケースが各地にある。木材を使うことにかかる負担を軽減しようというのだ。
しかし、これは金で人を釣っているのにほかならない。逆に金が出なければストップするし、回り回って税金を木材業者に渡していることになる。
それよりも規制緩和で建築に木材を使用する許認可、制限をゆるめれば、民間は勝手に動き出すのではないか。
先のシンポでも、木材需要を高めるためのモデルケースを、という声があったが、そこでも補助金の話になりかかった。
しかし、それよりも建築基準法をゆるめる方が効果的ではないか。今の法律では、木造建築の規制が厳しくて建てられないところが多い。また税金やローン関係、相続関係など、さまざまな規制がある。それらを変えるだけで、流れは誘導できるはずだ。全国一律が無理なら、特区を設けるという手もある。
日本も、木質の建築素材を10倍に増やします、的な声明を出さないかね。
最近のコメント