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2010/01/21

大仏が環境に与えたもの

最近、仏像に凝って、何かと調べている。何も仏像ガールならぬ、仏像オタクになるつもりはないのだが。

ただ、仏像と言えば、やはり東大寺の大仏を外せない。

2010_031

そこで浮かび上がってきたのは、大仏を作るために、奈良時代は全国から銅を集め、さらに木材資材と木質燃料をかき集めたこと。
それが、当時の社会にどれほどの影響を与えたかというと、なんと、世間は金属時代が一時遠のくのである。これまで青銅器、鉄器と進んできたマテリアルの進歩が止まってしまう。
なぜなら、莫大な量の銅をかき集めたため、ストックがなくなるからだ。

たとえば、大仏の建立後、それまで金属で作られることの増えてきた仏像が、いきなり塑像や乾漆像になるのだ。そして木彫りにもどってしまう。

一方で、奈良周辺の森林破壊も進んだのは言うまでもない。奈良の都には、コウヤマキがよく使われたが、それが尽き、ヒノキやスギに移る。また禿山が増えるのである。

さらに大仏には、金のメッキが塗られたから、おそらく大量の水銀が使われたことだろう。すると、水俣病みたいなものが発生したかもしれない。銅鉱石にはたいていカドミウムが含まれるから、イタイイタイ病も出た可能性もあるだろう。

このように考えると、大仏は日本の環境に与えた影響は大きそうだなあ。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

今年は遷都1300年で
奈良県では各社寺で
秘仏や秘宝の特別開帳があるんですよね。

いいなあああ。
奈良県人がうらやましいです。

奈良へいらっしゃい。
私が案内して差し上げます。そして、上記のような、奈良の魅力の足を引っ張るような解説付きガイドをしましょう(^o^)。

金ぴかの大仏、どんな感じなんだか見てみたいです。緑青とは全然違うでしょうね。あの大きさの金ぴか像があれば、現代でも恐れ入る人は多いのではないでしょうか。

金メッキは金アマルガムを塗って、中で炭を燃やして水銀を蒸発させてという工程と聞きました。ここで無機水銀が蒸発し、地面に落ちてから一部は有機化して、水俣病のような被害(有機水銀中毒)も出た可能性は確かにありますね。

>奈良の魅力の足を引っ張るような解説付きガイド

ブラックツーリズムと呼んでもいいでしょうか。

観光は「光を観る」ですが、「影も観る」んですね。
それって、もしかして2倍楽しめてお得なのでは?

ブラックツーリズム・・・
ちょっとマニアックな新しい旅の形ですね。

大仏によって金属の文化が止まるほど大きな影響があったのですね。

日本の国産材で家を造る文化もしばらく止まっていたように思いますが、再びよみがえってきたのでしょうか?

妻が国文学の元プロで,必然的に歴史好きです.その妻が「奈良に行きたいわね~」と申しております.

わたし自身奈良は修学旅行以来行っていない(*)のですが,マニアック系観光旅行は妻も私も大好きなので,もし行くときには田中さんに連絡を取りたいところではありますね.

*:いや,大杉谷を突破して大台ケ原に登ったとき暴風雨の中のビヴァークを経て入之波に降りたのだから”10年前に行った”と言えないこともないのだけど,結局「通った」だけになってしまいました.とりあえず長谷寺だけは行きましたが

ブラック・ツーリズム。う~ん、お客さん来るだろうか(^^;)。

戦後、日本に木の住宅が減ったのは、木質資源が減少したからというのは、ある意味整合性がありますね。でも、再び木材資源が充実してきた現在、果して木の家はよみがえるか……。

奈良のブラック・ツーリズム、意外と希望者いるかもV(^0^)。

あがたし夫妻が来るのなら、まずは大滝ダムを見てもらわねば。悪名高き、水のたまらないダム(笑)。

おお、ブラックツーリズムに流行の兆しが見えます!

環境に関心があって水俣に来る人は、近代物質文明の影を学ぶことになりますが、失敗をいかに活かすかの努力を見るところまで含めたのがブラックツーリズムであると定義しましょう。

ダム関係では、政権交代でようやく中止になりそうな川辺川ダム(本体はまだ着工せず)、水がどんどん地下に染み込んで溜まらない大蘇ダム(もうできてます)、前知事の時に撤去すると決めたけど、現知事が解体をやめた荒瀬ダムなど、熊本県内も見所は多々あります。

「ブラックツーリズムここがおすすめ!福島版」を作らなきゃ。
って、一瞬本気で思ってしまいました・・・。

全国ブラック・ツーリズム協会を設立しましょう!

水俣は、ある意味、ブラック・ツーリズム先進地ですね。でも、過去の「ブラック」の上に、現在の「グリーン」があるから強い。

ダム関係では、その先の「グリーン」が見えない……。

全国ブラック・ツーリズム協会、よかですな。会長田中さん、事務局は不肖私、熊(♀)さんは東日本支部長くらいでいかがでしょう。

林業関係では、植えっぱなしで真っ暗な人工林、機械道で傷だらけの皆伐跡地など、よくご案内しております。もちろん、それだけでなくて林令90年の神々しいようなヒノキ林にも。やっぱり失敗ばっかりではちょっと痛いですね。

ダムの場合、五木村がもがきながらもダムを止めた後に向かって動き始めて、夜明けの光が差し始めたところでしょうか。

ブラック・ツーリズムの肝は、単に自虐的・露悪的な面を見せるにとどまらず、カタルシスを感じる希望を与えることかもしれない……。

というような、協会設立趣意書を考えてしまいました(^^;)。

と思ったら,妻は仕事で近日中に奈良に行くそうです.といっても純朴な若者を連れてのメジャー文化財系観光ルート探訪の引率だそうですから,ブラック系は無理ですかねえ.

妻はわたしに,「必ずいつかは吉野に行くように」と強力に推薦しています(田中さん的には残念ながら山林ではなくて,桜と寺社のほうです.歴史好きから見ると信じられないような至宝が実にさりげなく登場するそうで).

あと彼女のプッシュは春日大社.先日二人で伊勢神宮に(はじめて)行ってきたところ,「春日大社の巨木群はこの神宮の雰囲気に充分匹敵している」と言っていましたっけ.

というわけでいつかは必ず二人で奈良に行くでしょう.そのとき大滝ダムはどうなっているかなあ.

メジャーな文化財の裏側に暗黒面を見つけるのが、ブラック・ツーリズムです(⌒ー⌒)。

吉野だって、血みどろの歴史がかいま見られますぞ。

ちなみに、日本の国宝の半分くらいが奈良にあるんじゃなかったかな。阿修羅像も、その一つに過ぎません。
結構無造作で、昨今問題になっている仏像盗難でも、重文クラスが無人の寺や堂にあったりするために起きています。

>吉野だって、血みどろの歴史

南北朝の時代とか、その前にも大海人皇子がしばらく逃げ込んだりとか、私が知っているのはそれくらいですが、他にももっといっぱいあるのでしょうね。

畿内は歴史的な題材がいっぱいあって、羨ましいです。

血みどろも、年月とともに歴史になりますが、吉野に触れると、たとえば「古事記」「日本書紀」は改竄されていたかも、なんて思えたりします(笑)。

そういえば吉野は南北朝のメインステージのひとつですね.わたしがよく見る南北朝マニアの方(専門は倭寇という,これまたマニアックな分野)のWWWでも,たびたび言及されていました.

http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/REKISI/REKISIMENU.HTML

うむ,奈良に行くときは事前にこのサイトの方と,そしてなにより田中さんに,「みどころ」のお伺いを立ててから行くべきだと確信しました(笑).

>ちなみに、日本の国宝の半分くらいが奈良にあるんじゃなかったかな。

ん,そんなにあったかなと調べてみたらこんな資料がありました.国宝総数は現在1079件ですから,多少古い資料のようですが,傾向はわかると思います:

http://www.kippo.or.jp/place/data0506/data11.htm

京都と奈良が連合軍を組むと,4割強くらいですね.特に彫像に関してはほとんど全部近畿周辺です.

ただ,「一箇所」で最多数の国宝を持っているのは法隆寺のはずです(未確認).

東京が多いのは,明治大正の頃に財閥がコレクションしたものと,それからなんといっても東京国立博物館の存在が大きいですね.そのため,東京の国宝は美術館に並べられるものが大多数.「建造物」の国宝指定は東京は本当に少ないです.唯一の国宝は東村山の正福寺地蔵堂ですが,行ってみたところ住宅地の中に埋もれるようにさり気なくあって,「え?」と思いました.もちろんいい建物なんですけどね.

妻との出会いがまさにその東京の国宝絡みだったので,つい「国宝」という単語反応してしまいました(笑).

あがたし様、早く奈良を訪れて下さい。今ならブラックツーリズムの最初の旅行者という歴史的栄誉が手に入ります。

ばれたか(笑)。本当に奈良に国宝がそんなにあるわけないし、京都の方が多いことも承知で書きました(^^;)。

ただ東京は計算外。あそこのは、いわば各地から略奪した至宝ですな。大英博物館と同じ。それに指定者が地元の宝に目を向けた面もあるでしょう。ああ、これらを見学するのはブラック・ツーリズムかもしれない。

>ただ東京は計算外。あそこのは、いわば各地から略奪した至宝ですな。大英博物館と同じ。

現時点で国宝がない都道府県は群馬・宮崎・徳島なんですけど,あの有名な「甲冑の武人」ハニワ(”埴輪武装男子立像” 東京・国立博物館)は群馬県出土,また,東京・五島美術館の「日向国西都原古墳出土金銅馬具類」は名前から明らかなように宮崎県出土なんですよね.後者はそのまんま東知事が「宮崎に返せ」と言い出すかも(笑)

少し見ないうちに、密かに蔓延中と見たブラック・ツーリズム。

そのうちに
「ブラック・ツーリズム ガイド養成講座 
        講師 田中淳夫氏」とか・・・

あったら、参加します♪

ああ。違う。
参加じゃなく、受講!

ブラックツーリズムの誕生を祝う文章を新聞に書こうかと思っております。ここの一連のお話をぜひ取り入れたいのですが、田中さん、熊(♀)さん、いかがなものでしょうか。

よろしくご検討をお願いいたします。
airinkan@giga.ocn.ne.jp

おお、早くも「ブラック・ツーリズム」のマスコミ・ビューですね。どんどんメジャーにしましょう。

これを広めて「ブラック・ジャーナリズム」学を確立しましょう。水俣発の地元学に匹敵するものに育つか? 内容は正反対だけどね(笑)。

誕生を祝う・・・
ひょええ。
すでに産まれているんですね。

すくすくと成長いたしますよう
お祈り申し上げます。

今頃済みません。ブラックツーリズムが再度活字になりました。

ミツカン水の文化センター発行の機関誌「水の文化」35号
(2010年6月)
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/mizu_35/index.html
は特集「アクアツーリズム(水 環考)」なのですが、その中に

水の文化楽習実践取材
水俣市久木野ふるさとセンター 愛林館の提言
ブラックツーリズムのススメ 編集部

ということで、当方の活動を取り上げてもらいました。ブラックツーリズムは着々と人口に膾炙しております。

おお、ブラックツーリズム、今もふつふつと燃えていますね。
考えてみたら、少なくても「考えるツーリズム」ならば、ブラックな部分は不可欠でしょう。
そこを乗り越えることで、将来が見えてくる。

ところで、この記事の最初の写真、本当に久木野の棚田地帯はインカの遺跡みたいですね。この風景だけでいかばかりの価値になるか。
実は、生駒山にも棚田があり、その規模は久木野以上かもしれないのですが、残念ながら見栄えが悪すぎる。半分近く荒れているんじゃないか。

今度、生駒山のセミナーが開かれるんですが、私はそこで水俣発の地元学を広めてきますよ。

ブラックツーリズムの誕生の日は1月21日、22日の辺りだったんですね~。(22日だと私と一緒です~。)

他人?とは思えず、すくすく成長していて嬉しいです。

熊(♀)さん、黒熊になっちゃいますよ……。

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