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2010/02/02

切り捨て間伐と地球温暖化

先の東京のシンポジウムでは、熊崎実センセイと同席したことを伝えたが、そこで「切り捨て間伐」について興味深いことを紹介していた。

まず、欧米では「切り捨て間伐」をworst management practice、つまり最低の管理方法だとされているそうだ。

そしてその弊害を列挙すると、

・下層職制の再生が阻害される
・可燃物の林内蓄積が山火事の危険を高める
傾斜地に横たわる伐倒木が豪雨時の山地災害を激しくする

……とたくさん並べられる。加えて間伐材が利用されないことの損失や、後続の森林施業(間伐・主伐、再造林など)がやりづらいことも上げている。

それらは、私も大いに訴えてきたところだが、もっと注目すべきデータを示してくれた。

4_2



切り捨てられた間伐材は、やがて腐る。当然、二酸化炭素も排出するわけだが、それだけではなくメタンも発生させるというのだ。

メタンは、二酸化炭素よりもはるかに温室効果が高く地球温暖化を促進するとされるガスである。二酸化炭素の21倍とされるから、単純計算では切り捨てられた間伐材の21倍の二酸化炭素の排出に相当する温室効果と考えるべきだろう。

それを示した上記のグラフによると、切り捨て時すぐに出るわけではないが、その後10年くらいでピークに達する。下手な野焼き(現在、禁止されている)より悪いわけだ。

地球温暖化防止と言えば、注目を集めて予算も尽きやすい昨今、この事実をどうする?

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コメント

グラフの見方が今一つわからんのですが、それぞれの曲線の積分値が問題ですな。間伐後放置でも野焼きでも大した変わりはないように見えます。不完全燃焼で出る炭化水素とかが温暖化に貢献するのかな?

ボイラーで熱を利用した場合は、石油を幾分か節約するでしょうけど、それは反映されていないのですね。

私なら、炭を焼いて木酢も取って、焼いた炭も木酢も田畑へまきたいところです。それだと60年後でなくてずっとずっと早く、150万トン相当よりも、ぐんと下に持って行けると思いますよ。

温暖化対策だったら、そっちもぜひ考えてほしいところです。

木材の材積に含まれる炭素量は一定ですから、最終的な温暖化ガスの発生量は変わらないでしょうね。
ただ、二酸化炭素ではなくメタンになると、温室効果が高まることが気にかかります。

おっしゃるとおり、本当は木炭にして土に漉き込む形で炭素を保管するのが一番だと思います。理論的には永久に炭素のまま保てる。

搬出間伐でも、最近の木材市況のおかげで林地残材がすごく増えてます。長野県では最低元玉8割出せば搬出間伐になるんで、経営考えるとそうならざるを得ない。うちでは採算ぎりぎりまで出してますが。搬出間伐の補助金は、面積でなく材積に出すべきです。

いま林地残材をチップ化して敷き詰めるチップロードが流行りですが、はやく土にかえるので温暖化促進工法です。確かに炭化がベストですね。

里山とかにはチップロード、いいなあ~と思っていましたが
すると、温暖化促進につながっちゃうんですね…。
チップにして、さらに炭化させるといいのでしょうか?
でもそうすると黒い道になるんですよね…。
ちょっと景観的にはだめでしょうか??

黒い炭の道、いいかも~。

正直言って、二酸化炭素削減で地球温暖化を止めるという発想そのものに私は疑問を抱いているので、切り捨て間伐も、その点からは、あんまり気にしないでいいかなあ、と思っています。

でも、視点を変えるという点では、興味深いでしょう。

炭素を固定し、明るい未来へ続く暗黒の道。ブラックツーリズムの別のネタになるかもしれません。

実際のところは、せっかく作った炭粉を田畑以外にまくのはもったいなくてできそうにありません。

炭の道。
歩くとどんな音がするんでしょう?
ちょっと楽しそうです。

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