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森と林業の本

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2010/03/22

生物多様性EXPOの箸

大阪で開かれた「生物多様性2010」を覗いてきた。

どちらかというとおつきあいの感覚(知り合いがいくつか出展されていたので)だったのだが、予想以上に面白かったし、いろいろネタも仕入れられた。

その中で紹介したいのは、会場のたくさんのブースには、意外や「箸」に関する出展が多かったのだ。それが様々な視点を見せてくれる。

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まずは、この写真をクリックして大きくして見てほしい。


まず一番上は、「京都北山杉のお箸」と書かれている。

当然杉箸……と思いきや、違うのである。これは樹脂箸なのだ。プラスチック樹脂にスギの粉を51%混ぜて作られた箸なのだ。木粉入りのペレットを見せてもらった。京都の会社が製造販売している。

そして3番目を見てほしい。(写真の際の順序を間違えた)

これは「紙のお箸」である。といっても、こちらも樹脂箸。紙にPP樹脂を混ぜて作られたもの。実は一緒に扱っていたのが、琵琶湖の葦の箸。おそらく炭化しているようだ。こちらは滋賀の会社。

聞いてみると、もともとプラスチックの会社らしい。それがお箸の分野に進出したわけだが、こうした商品を作った言い分は、

半分の木粉にすることで、石油由来成分の使用を抑制できる。
植物由来なので再生可能。
PP樹脂なので、燃やせて有害ガスは出ない。

プラスチックを「抑制」するのか、「半分使っている」と見るのか、立場が変わるとなかなか面白い(笑)。

そして上から2番目。

これはPEFCのロゴ入り。つまり、森林認証材を使っているのだ。写真のものは、ブナだと言われた。もちろんヨーロッパのブナ、ベルギーの森から採れた材とある。出展は、福井県小浜市の、塗り箸メーカー。
ただ、この箸は塗っていない。一緒に展示している中には、ヒノキ箸もあって、それも塗っていないという。塗ると木肌の良さがわからないから……というので、だったら割り箸でいいんじゃないの? と突っ込んでしまった(笑)。

4番目、一番下は、なんと香川県産ヒノキの割り箸。香川県庁の出展だ。
香川県で割り箸とは思わなかった。高松で割り箸リサイクルをしていることは知っていたが、その延長で、すでに閉鎖していた製箸所に頼んで作ってもらったという。そして香川県のヒノキ材を宣伝するための媒体にしている。とはいえ経費はアサヒビールからの援助があるらしい。

しかし香川県は、割り箸の製造より消費地だよ。なんたって、讃岐うどんだもんな。讃岐うどんに樹脂箸使わないでね、と頼んでしまったよ。うどん屋を束ねて、国産割り箸を供給する事業をやってくれないかなぁ。

ちなみに吉野の割り箸を展示しているブースもあった。

それぞれ思惑は違うが、箸というのは、さまざまな意味で環境をアピールする際に使えるアイテムであることを改めて感じたのである。

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コメント

コップに半分入った焼酎を見て「半分しかない」と思うか「まだ半分ある」と思うか、という話ですね。ちょっと違うか。

讃岐うどんの取材のネタ、着々と集まっているようで何よりです。ヒノキの割り箸、一度使ってみたいです。ヒノキチオールの匂いは食事の邪魔ではなかったですか? ブナの割り箸は防カビ剤使用なんでしょうね。認証付きだと、それだけを見て安心する浅い消費者には受けそうです。

うん、焼酎と同じです、多分。

ヒノキ箸はわりと普通にあります。スギ箸よりやすいし。辺材だから、匂いはあまりしませんね。
この手のネタで、香川県取材を敢行したいなあ。もっとも、まだ高知県も行っていないけど。

ヒノキの割り箸はこれまで使ったことがありませんでした(多分)。スギより安いのは歩留まりがいいから?

今日も熊本県産のスギ割り箸で昼食でしたが、時々赤身も混じっていて、それはそれで面白いです。

熊本県産の割り箸もあるんですか! 割り箸にはまだまだ知られざる産地はありそうだ(多分)。

ヒノキは硬いので、加工時に手間が少なくて大量生産向きだと聞いています。元禄箸には向いているそうです。

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