無料ブログはココログ

森と林業の本

« 安土城 | トップページ | 限界集落のむらづくり支援員 »

2010/03/14

大丈夫?遷都1300年祭

私は、このところの講演では、とりあえずせんとくんを紹介して、さらに奈良の歴史を大仏殿とともに示して……と、平城遷都1300年祭を陰ながら応援しているつもり。奈良県民ですもの(^o^)。

それにしても、肝心の1300年祭はどうなってるんだ。

まったく音沙汰なし。

一応、1月1日よりスタートしてるんだけど。

と心配して、平城宮跡に行ってみた。ここがメイン会場である。まだオープンしていないけど、大極殿も完成しているはず。これは、天皇が行事などを執り行った宮殿で、奈良時代のまま復元したのだ。なんたって、大仏殿に次ぐ巨大木造建築物である。

建物は完成したものの、まだ周辺工事が終わっていないということだった。国営公園にするための工事である。

国営公園というのは、文化庁管轄の遺跡ではなく、環境省管轄の国民公園でも国立公園でもなく、国交省管轄ということ。ようするに縦割りの産物である。

で、大極殿はこんな感じ。

001








002



正面から見たいのだけど、近づけない……。

無理して前側に回っても、こんな程度。

工事車両が走っていて、むき出しの土地のまま。せっかく平城宮跡を散歩しようと思っていたのに、とてもそんな気分になれない。

4月には、オープンするというのだけど、1カ月切ってるんだよ。

この大極殿復元にまつわる大木の調達話を含めて、泥縄式の遷都1300年祭までの経緯を語るのも、ブラック・ツーリズムに含めようか。

« 安土城 | トップページ | 限界集落のむらづくり支援員 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

大極殿のことですが、
>奈良時代のまま復元したのだ。
……これが、奈良文化財研究所の説明では、ぜんぜん違うのです。
>上部構造については想像の域を出るものではなく、復原建物が既成事実として安易に社会に受け容れられることは決して望ましいことではない。
http://www.nabunken.go.jp/site/daigoku_sekkei.html

きのう来県した鳩山首相も、
>当時のままに復原された「大極殿」の威容に息を呑む思いでした。
http://twitter.com/hatoyamayukio/status/10419195123
……などと述べていて、奈文研の人の懸念がまさに現実のものとなっています。
実物なんか建てないで、最初からバーチャル・リアリティにしとけばよかったのに。

>大極殿復元にまつわる大木の調達話
機会があればぜひ伺いたい内容です。
これから建設にかかる興福寺中金堂の材も、なんかものすごい話が聞こえていますが。

ああ、そのとおりです。当時の設計図が残っているはずもなく、同時代の寺院などから想定した想像復元ですね。

だいたい、中には外材で作られた構造用合板が張られているもの(^^;)。基盤の下には、免震構造装置が取り付けられていますし。数年前に、建造中の大極殿を取材して見せてもらいました。
だいたい奈良時代のままなら、怖くて人は近づけない。よく伝統建築をもてはやす声がありますが、実際の当時の建物はかなり危険な代物です。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大丈夫?遷都1300年祭:

« 安土城 | トップページ | 限界集落のむらづくり支援員 »

November 2024
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

森と筆者の関連リンク先