地方交付税
昨日の続きだが、地方分権、道州制などの話の中では、地方交付税の評判が悪い。
というのも、地方財政の足りない部分を穴埋めする性格のため、努力して財政支出を減らすと交付税も減らされる。しかしそれでは、全然財政は好転しない、やる気をそぐ元凶というわけだ。逆に使い放題しても、その多くを穴埋めしてくれる。財政規律も緩むのである。
たしかに地方の努力をつぶす役割は大きかったと思う。
が、改めて考えると、地方交付税とは、まず国税を集めて、それを地方に再配分する。各地の財政不均衡を是正するために考えられたものだ。さもないと、東京など大企業が本社を置くところばかりに税金が落ちる仕組みになって、極めてアンバランスとなってしまう。
しかも、地方交付税は、基本的にどのように使おうとかまわない自由度の高い金だ。これは有り難い。
以前の構造改革では、地方交付税を削って、その分税源を委譲する……(実は、ほとんど委譲しなかったのだが)という発想だった。
しかし、地方はもともと税源が少ない。仮に税源をどんなに委譲されたって、それで潤うのは大都市を抱えているところだけだ。地方に地方交付税を削られたのと同等以上の税源があるわけなく、地方はいよいよ財政危機になってしまう。
道州制においても同じで、大都市の数の多い州だけが潤い、さらにその州の中でも、大都市圏だけが潤う。奈良なんぞ、関西州に入れば、支出ばかりが増えて実入りは減るだろう。
このあたりのことは、市町村合併を見たらすぐにわかる。合併した旧町村は、たいてい唯一の賑わいだった役場付近までなくなっている。そして、田舎部分への支出は減らされる。
私は、もっと地方交付税を増やすべきだと思う。その代わり、補助金を全廃するべきだろう。
やはり、国税を平等に分配して、それを各地方が自分で使い道を考える方がよい。ただし、穴埋め的な性格はなくす。人口と地勢で分配率を決めて、配ってほしい。ただし、国税が減ったら交付金も減らす。収入がないのに、ばらまくのは危険すぎる。足りなければ、地方で債権発行したらいい。それも危険だけど(笑)。
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