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2010/03/21

やっぱり地球寒冷化?

先日の新聞報道によると、国立天文台などの観測で、太陽活動の弱体化の兆候が現れたらしい。

もともと太陽は、11年周期で活動の活発・弱体化が起きていたが、それとは別に100年周期の変動もあるという。その極小期には、地球上をミニ氷期にしてしまうほど地球の気候に影響を与える可能性があるのだ。

……ということは、地球は寒冷化する可能性が高いということ?

私は、昨今の地球温暖化論議に、どうもしっくり来なかった。

いや、人間の活動で大気中のCO2濃度が上がっているのは認める。また、ここ100年200年で平均気温もじわりじわりと上がっているのも事実だろう。その点での温暖化は認めざるを得ない。

しかし、地球史を考えるともっと大きな変動はこれまでも幾度もあった。人間活動などとはまったく違う桁違いの変動要因があるように思うのだ。
たとえばジュラ紀は気温が相当高くてCO2濃度も濃かったらしい。現代人が当時にタイムスリップしたら、いきなりサウナに放り込まれたような状態で、とても生活できなかっただろう、という話を読んだことがある。近年でも、巨大火山の噴火で火山灰が大気中に放出されると、気候を一気に変える可能性が指摘されている。

だから、人間活動が引き起こす影響も、その中に飲み込まれてしまうのではないか……と漠然と感じていた。もし本当に太陽の活動が極小期に入るのなら、地球温暖化もかき消されるかもしれないなあ。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

問題は時間の単位だと思います。ジュラ紀は本当にはるかな過去であって、人類が化石燃料の使用を本格化してから現在までの時間とは、タイムスケールがまったく異なります。十万年かけての気候変動なら生物はライフスタイルを変化させたり進化で対応できるでしょうが、百年単位では困難です。人類活動は、巨大噴火や巨大隕石衝突もないのに、長い時間をかけて安定してきた生態系に大変動を引き起こしかけています。

タイムスケールはその通りなんですが、同時に物量的なスケールの差もあるんですね。
もし本当に太陽活動の弱体化が起きると、人類の引き起こした温暖化要因など吹き飛ばすほどの影響力があるわけで。しかもこれは短期間で進行します。

果たして今後、本当に地球温暖化が進むのか、あるいは一転寒冷化になるのか。まだまだ未知の要素が多いですね。

最近は職場が変わり,つねに最先端の研究に触れられる環境ではなくなりました.ですから

>先日の新聞報道によると、国立天文台など
>の観測で、太陽活動の弱体化の兆候が現れ
>たらしい。

という成果発表がいかなる文脈のもとに行われたのかはまだつかんでいません(国立天文台のWWWにも載っていないので・・・).

松永洋介さんのおっしゃるとおり,気候変動の話題には時間スケールの把握が重要です.というかいろいろな時間スケールを混ぜて気候変動の話をしてしまうとそれだけで会話は成立できなくなります.その意味で,

>私は、昨今の地球温暖化論議に、どうもしっくり来なかった。

の「昨今の地球温暖化論議」とは,どんな主体がどんな発言をしている議論なのか明示されないと,田中さんの話される文脈が(特に専門家からは)理解できないわけです.

<長すぎるとコメントスパムとみなされ投稿できないようなので,いったんここで切ります.続きます.>

承前:書き込みの性質上,どうしてもhrefでリンクを埋めたかったのですが,そうするとコメントスパムとされて書き込み拒否がされます.そのため申し訳ありませんがリンクははずして書いています>

ところで太陽活動に関しては数百年の観測があり,それに基づいた将来予測がなされています.もっと新しいものもあるのですがいま手元にないので,とりあえず2004年発表のものを:

Hathaway and Wilson (2004)
"WHAT THE SUNSPOT RECORD TELLS US ABOUT SPACE CLIMATE", Solar Physics, Submitted on 2004/08/31

これの図10などです.

が,前回の極小期から再び活動を開始すると予測された時期が1年くらいずれてしまいました.一般向け解説として分かりやすいのがこれ↓です

太陽活動、停滞期は脱した模様、だが?(Anne Minard 著,National Geographic News June 15, 2009)

国立天文台が,この11年周期のずれのことを言っているのか,それともここ300年ばかり続いてきた黒点数の増加トレンド(上記Hathaway and Wilson (2004)の図9)にピリオドが打たれたと言っているのか,それともマウンダー極小期の再来が予想されるとまで言っているのか(これらの話題間には時間スケールに大きな差がある)は,元記事を読んでみないとわたしには分かりません.

うーむ,もろ研究者だった時代には,こういうニュースは発表前にゲットできていたのですが・・・職場環境が変わるというのは大変な変化ですね.

続きます

承前:

ちなみにIPCC的論理でいいますと,「今分かっている自然の変動(もちろん太陽活動も地球の公転軌道といった天文学的プロセスも含みます)をできるだけぶちこんでも,20世紀後半に起こった,ここ数百年の間に起こった中では異様に急速な気温上昇は説明できないが,人為期限のGHGs(温室効果ガス)の影響を入れるとそこそこうまく再現できる.人類スゲー,田中さんの表現をもじって言うと”自然が引き起こした気候変動要因など吹き飛ばすほどの影響力”を短期的には持ってるよ」となります(かなり単純化しているので専門家には怒られそうな表現だなあ).

そして,時間スケールは,将来に関しては2100年までが中心です.つまり100年程度で起こる確率が低いプロセスに関してはあまり重視していない.たとえば最終氷期が終わって全球が急激に温暖化した約1万年前
(もちろん人為期限GHGsなんて皆無に等しい)には数十年で数度気温が上がるなどというとんでもない事態があったという研究がある(異論もある)のですが,とりあえずそんな要因は考えない,と.そしてマウンダー極小のようなイベントに関しては,考えないわけではないが(なにしろたった300年前のできごとですから),それよりも「自然のセッティングがこのままだったらどうなる?」を考えよう,となっているわけです.

その意味で,

>もし本当に太陽活動の弱体化が起きると、
>人類の引き起こした温暖化要因など吹き飛
>ばすほどの影響力があるわけで。しかもこ
>れは短期間で進行します。

っていったいその記事には何が書いてあったんだ?と,やはり気になります.人為起源GHGsの効果を吹き飛ばす?それも短期間で?となると,それこそマウンダーがまたやってくる位のことが書いていなければならないはず.国立天文台だから,「ひので」が何かとんでもない発見をしたのでしょうか(太陽極域で強磁場を発見した最近のニュースには興奮しましたが,たぶん関係ないだろうなあ).というわけでいま記事探しを行っているところです.

このネタ、絶対にあがたしさんが食いついてくると睨んだとおりになりました(^o^)。

ネタ元は数日前の朝日新聞の科学欄です。『太陽まもなく「冬眠」』というタイトルですね。
この記事にも「太陽活動が弱まっても日射量は0,1%ほどしか変化せず、影響は小さいと見られる」とあります。正直、私も、これで地球は寒冷化に向かうだろうと思っていません。ま、「思いつき」ですから。

ただ人類の地球環境に対する影響力は、地球地史的な環境変動にとって、どれくらいのもんなんだ?という気持ちがあります。これは、私の思い(連想)なので、記事とは関係ないです。
ご紹介されたように、自然界でも数十年で気温が数度上がるという変動があった可能性もあるわけで。今回の「太陽の冬眠」も、もしかしたらマウンダー極小期なみになる可能性は残っている。
その中で、せっせとCO2削減しても、むなしいなあ、という感じ?

見事に釣られたあがたしです(笑)

主要紙のトップページからの検索ではどうしても見つからなかったのですが,アサヒ・コムのAsparaにありました:

https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/S74pFzYAGC

年輪年代学と14Cの関係をちゃんと書いてある点はいいと思いますね.この短い文で説明出来るというのはさすが新聞記者.もっとも,コメント欄を見ると実は一回大きな訂正が入っているらしい・・・ あと,「樹齢8千年の松」ってどこのだろう?あがたしの知識はアリゾナ大によるホワイトマウンテンのBristlecone Pineで止まっているので,その後はマツ科に関してはスウェーデンのPicea(トウヒ属)でもっと樹齢が大きいのが見つかったという記事くらいしかしらないのです.おっと,アリゾナの砂漠で見つかったあれはマツ科だったっけ・・・?

=====
0.1%しか変わらないならば無視して良いかというとそうでもない,という面もあります.「ミランコビッチサイクル」で検索すると分かると思いますが,地球の歳差運動や公転軌道の変化などにより,地球が受ける太陽放射(太陽定数)は2万年,4万年,10万年(いずれも「約」です)の周期をもつふらつきをもっていて,それが合わさって実に複雑な変化をしています.

その2,4,10万年の太陽放射変化(正確には,太陽のほうの変動ではなく地球が勝手にその位置をふらつかせていることに起因するので,この言い方は正確ではない)ですけれど,2万年変動は「けっこう強い」,4万年は「そこそこ強い」,10万年は「うーん,まああると言えないこともないね」程度.

現実にこの数十万年間の気候変動のスペクトルをとってみて(多くは,有孔虫の酸素同位体比といった,気温なり氷床面積なりのプロキシーデータを氷床コアや海底コアから抜いて行われる),フーリエ変換してみると,ばっちり2,4,10万年の周期のスペクトルが出てきます.なんと見事!(1970年代に論文が発表されています) 

しかし,あれ,変だぞ?あれほど弱々しいはずの10万年太陽定数周期が,過去の気温変動では完璧な優勢.てか気温は10万年周期ということで結論じゃん.IPCCの図だと,こんな感じです:

http://www.ipcc.ch/publications_and_data/ar4/wg1/en/figure-6-3.html

なんじゃこれは?いや,確かに2万年も4万年も,そしてそれより短い変動もあるんですよ,でも決定的に10万年周期ばかり目立つのはなぜ?というわけで,研究はいろいろ進んでいます.もちろんわかってないことも沢山あるのですが,入力(この場合は太陽定数)の変化に対して地球の大気海洋陸面システムは「素直に」応答するようには出来ておらず,しかし一方では入力の変動を完全に無視することもしていない,ということは研究者間のコンセンサスとしてあります.

とりあえず,エネルギー入力のごく弱い変動が,その固有のタイムスケールが故に地球の気候システムに大きな影響を及ぼしてしまう可能性は認識しておきたいところです.

=====
話を戻すと,まぁそういう知見が積み重なった上で,「それでも20世紀後半は気温上がりすぎ.あれは人間以外に”犯人”が見つけられない」というのがIPCC的結論なわけです.

=====
寒冷化という点で言うと,上記の10万年サイクルの中で今は比較的温暖期にありますから,1970年代には「地球はこれから寒冷化する」といった議論がありました(そういう本も出ています).

国際的な農産物流通の研究をしている方に話を伺ったら,恐ろしいのは温暖化より寒冷化とのこと.そこでその人は「いやー,CO2をどんどん出して,もしかしたら起きるかもしれない寒冷化を食い止めて欲しいもんですよ」とジョークを飛ばしていました(酒の席です)

私の思ったのは、農産物流通の研究者と同じ、そして反対側からの視点です。苦労して、またコストも費やして、ようやく日本が1年間で削減したCO2量も、どこかで火山が噴火して噴出したCO2量であっと言う間に帳消しになる……ような事態。もっとも火山噴火なら火山灰で太陽光を遮るかもしれないけれど。

樹齢8000年の松って、枯れた木も含んでいるんじゃないですか。

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