これが平城遷都1300年祭会場だ!
いよいよ開幕した平城遷都1300年祭の平城宮会場。
行ってきましたよ。開幕2日目の日曜日、天候は見事な快晴で、気温も前日の寒さを吹き飛ばす爽やか日和。それでも混雑覚悟で、ご近所だもの、見るべきものを見ておこうと。
ところが、意外なことに混雑はたいしたことはなかった……といっても人が少なかったわけではない。かなり入っていたのだろう。あの寒いオープニングセレモニーでさえ、目標の2万人を越える3万4000人入ったそうである。今日はそれ以上のはず。でもね、全然応えないのだ。
なんたって、会場の広さは130ヘクタール。ディズニーランドとディズニーシーを合わせても100ヘクタール程度なんだから、通常の博覧会とか祭などのイベントとは桁違い。
そしてパビリオンは、2つ(^^;)。まあ付帯施設(元からある資料館など)を合わせても4つ。さらに大極殿などの復元施設を入れても10に届かない。
つまり、この1300年祭は、これまでの博覧会とはまったく違う発想で開かれている。何か陳列物を見学するつもりだと、がっかりかもしれない。
だが、しょせん仮設建築物のパビリオンなんかとまったく違う、匠の技をつぎ込んで生み出された建築物を楽しむべきところだ。
まあ、ご近所だから、今後も10回や20回は通えるのではないか(^^;)と思っているので、内容は次の機会に。
今回は、まず写真を楽しんで。クリックして大きくしてじっくり見てほしい。
メインとなる大極殿。大仏殿に次ぐ巨大木造建築物である。
直径80センチ以上のヒノキの丸太を80本以上使っている。
その内部。いやはや、とてつもない世界。真ん中にあるのは謁見する際に天皇が鎮座する玉座(大正天皇のものを再現)。
壁にも天平の絵が描かれている。
まほろばステージ。中で役者が演じる舞台や、その他出展があるのだが、見てほしいのは木製の建物だ。集成材ながら、面白い構法である。
なんだと思う? 実は会場内を走るバス停である。それも木製だった。で、そこにあった自動販売機。どうも印刷された紙を張っているようだが、木目調にしている。
これはベンチ。こんなのは、通常の町や公園にも欲しくなる。
無粋な仮設の施設も、周りを木材で格子状に囲むだけで、なんだか目になじむ。これって、木材のエクステリアとしての可能性を示しているように思う。
このように、この会場は、木材の可能性を示す展示会場にもなっているのである。
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写真の一番最後の「仮設施設に木製枠」は彦根城
の400年祭でもみかけました(^^)あれは
私も感心して写真も撮りました。あと、これに
「ツタ」や「ゴーヤー」でも栽培すれば、良い
ですね~(^^)
工事現場の「仮設事務所」にもこういったキット
や「背板」を「日除け」代わりに貼り付けるとか
したら、暑くないのでは?
投稿: 元紀州にいた者 | 2010/04/26 18:35
なるほど、これは木材・建築関係者にとっては、歴史とは別の視点で興味深い会場のようです。
大極殿のような巨木建築も、森林からこの建物になるまでの過程なんかが公開されていると面白いです。
さすが田中さんの視点だけあって、見てるところが違いますね。小径木集成材の木組みも、もっとディテイルが見てみたいです。
それと、一見無塗装のように見えますが、単にクリア塗装だけなんですかね。今後の変化も気になるところです。
投稿: 楽山 | 2010/04/26 22:28
エクステリアとしての木材、よかですな。5年くらいで腐ることを前提に取り替えやすく作っておけば、もっといいのかな。
投稿: 沢畑 | 2010/04/26 22:55
木材というのは、完全に覆わなくても格子状に囲む(透けて中は見えても)だけで、景観を変えてくれますね。
立て付けを簡単にして、部材も大量生産型にしたら、価格も落とせて普及させられると見た。
塗装に関しては、次行った時に確認しましょう。
投稿: 田中淳夫 | 2010/04/27 00:02