林業はシネコンに学べ
昨日、大阪に出たついでに映画を見た。「時をかける少女」(笑)。
入ったのはイマドキのシネマコンプレックスだったが、感じたのは、なんともきめ細やかなビジネスだということだ。
まず会員になるかどうかでポイントが付く。また日にちによってはレディースディとか割引デーがある。レイトショーやシニア・サービス、夫婦割引……。シネコンの月刊誌も渡される。またパソコンから座席指定もできる。座席も豪華で、ゆったり座れる。
一方で、多くのスクリーンを持ち、どの映画をどこで何時から上映するか、結構頻繁に変わり、人気度によって延長したり打ち切ったりする。時間で上映作品を変えることさえする。
こうした対応で、日本映画はよみがえったのだ。
かつて、映画産業は斜陽だった。
観客を集めるのはハリウッドなどの豪華な洋画ばかりとなり、テレビなどにシェアを奪われて、もはや壊滅寸前。それでも映画館は、配給会社の系列などに縛られて、上映作品を自由に選べなかった。日本映画は出来もさっぱり。お子ちゃまアニメと特撮映画、それにポルノ映画しか売れない状況に陥ってしまった。
なんだか、林業界に似ていると思った。人気のあるのは外材ばかり。頼みの住宅も軽量鉄骨やコンクリートなどほかの素材が増えてシェアを奪われる。しかも国産材は強度も寸法もでたらめで品質も劣る。日本映画の斜陽時期とよく似た状況ではないか。
閉塞感漂う日本の映画界を打ち破ったのがシネコンである。フレキシブルな上映と、きめ細やかなサービスが映画に人を呼び戻したのだ。日本映画も新しい才能を取り入れて優秀な作品が続々と登場して再び黄金期を迎える。
林業も、シネコン、そして映画界の復活に学ぶ点はたくさんあるように思う。まず流通をまともなサービス業にすること。そして、よい国産材商品を生み出すこと。
日本映画と林業の共通点はもう一つある。
どちらも外野に根強いファンがいること。熱い思いで復活を願っている人がたくさんいるということ。ほかの斜陽産業にはない特徴である。
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