無料ブログはココログ

森と林業と田舎の本

« 木材は花だ | トップページ | 「風説の流布」価格 »

2010/04/20

野菜の高値

野菜が高値である。たしかにキュウリ1本で90円とか、春キャベツ1つが300円前後という値札が付いている。

その理由として上げられるのが、天候不順。いきなり寒くなったり、雨が多くて野菜の生育が悪くて……というわけだ。

私は、その理由に疑いを持っている。いや、はっきり言って信用していない。

たしかに天候によって生育状態に影響があるのは事実だろうが、現在の野菜価格は絶対に流通業者がつり上げているのに違いない。だって野菜の直売所を覗くと、しっかり育った野菜が並べられているもんね。農家には野菜はある。だいたい、現在の農業現場はハウス栽培も多いし、さらに水耕栽培の野菜が想像以上に増えている。あまり天候に影響されないのだ。
あるところに行ったら、きっと野菜は山と積まれている、それを倉庫に隠して出し惜しみしながら高値で売り抜けようとしているのだ……。

以上は、私のまったくの推測である。

こんな意地の悪い見方をするようになったのは、木材取引の裏話をいろいろ聞いたからだろう(笑)。国産材は高いという風説がいまだに広がっているのは、実際にエンドユーザーには高い国産材があるからだ。山元からは安く買いたたき、それを業者間で転売しつつ、建主の顔色を見ながら高値に仕上げて売りつける。

一見、業者は、シメシメ、木材の知識のない奴をだましてうまく儲けたと喜ぶのだが、その結果、日本国民は「国産材は高い」と思い込んで、国産材自体を敬遠するようになってしまった。まさに自分の首を自分で締めてきたのだ。

ところで今日20日は、イオンの5%オフの日(^o^)。

私も買い出しに出かけた。キュウリが3本で98円、春キャベツ1つ198円だった\(^o^)/。

実は先に新聞でイオンとイトーヨーカドーが、野菜の安売りを始めるというニュースを目にしていた。今のままの野菜高値が続くと、消費者の野菜離れが加速する。そこで流通大手が謀って、野菜を大放出して価格を下げようと動き出した、というのだ。

ほかにも野菜の安売りを行うスーパーマーケットはあるが、彼らは何も赤字覚悟の出血サービスしているわけではない。ちゃんと利益はあると断言していた。

流通業の良心だ(^o^)。……ここは褒めておかなくちゃね。

おそらく、近く野菜は大放出されるだろう。流通大手が安売りしているのに、仲買が野菜を高値で抱え込み続けられない。国も規格外野菜の出荷を促している。もはや購買者をだまし続けられまい。

残念ながら、国産材の世界では、大放出するのは外材業者である。

« 木材は花だ | トップページ | 「風説の流布」価格 »

森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

 ホームセンターに国産材を本格的に扱ってもらって、本当の価格を消費者に知ってもらいたいです。私の仕事はなくなるけど・・・。

ホームセンターが、工務店用の材木も扱うようになったら面白いでしょうね。工務店もスポット的に木材を購入したい時があるので、ビジネス的には可能だと思います。

ただし、恐慌状態になる材木店がたくさん出るのではないか(笑)。

こんばんは

あまり目立ってはいませんが、ホームセンターによる、工務店向け販売は既に始まってますね。業販価格という事で、店頭価格よりも値引いてますし、そこそこの需要はあるみたいです。
ただ国産材の扱いは少ないみたいで。(苦笑)

私が利用しているホームセンターで唯一、杉の羽目板を販売しているホームセンターでも「量が確保出来ない」のが悩みだと、売場主任がこぼしてました。ツーバイ材に次ぐ人気商品なので、もっと仕入れたいとも。
他にも「合板フローリングを無垢フローリングにしたい」って相談も多く、羽目板の仕入先に商品化の提案をしてるけど、動いてくれないとか。
似た様な話しを複数で聞いてますから、林産業のボトルネックは、二次加工業者なんじゃないかと、思う様になりました。

鹿児島に、必要な木材を注文で取引するホームセンターがあると聞きましたが……特殊の材(長さとか)を注文すると、山の現場に連絡して伐りだしてもらうのだそうです。
でも「量の確保ができない」というのは国産材の根源的な問題点ですねえ。チェーン展開しているホームセンターが扱うとなれば、かなりの量が必要です。でも、それだけ商機があるということ。大手製材所と組むなどすれば可能だと思うのですが。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野菜の高値:

« 木材は花だ | トップページ | 「風説の流布」価格 »

March 2023
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

森と筆者の関連リンク先