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2010/04/03

「大仏開眼」のエコノミー

NHKドラマ「大仏開眼」(前編)を見る。

前編では、大仏の指先も登場せず、当時の平城京が、整備は乱れ、飢饉が続き、伝染病の広まる絶望的な社会だったことが描かれる。そのため仏の力にすがろうと、聖武天皇は盧遮那仏の建立に心動かされる。だが、主人公である吉備真備は、大仏建立には多額の資金資源が必要だから国が疲弊すると反対する……。

と、そこで考えた。国家財政的に見た場合、大仏建立にはどんな意味があるか。

以前、大仏と大仏殿の建立のために国中の木材や銅、金など金属資源を費やし、はげ山を増やし公害をまき散らした……と指摘して、その発展形として、環境破壊の痕跡を見学する「ブラック・ツーリズム」の立ち上げまで至った。(沢畑氏が、すでに某新聞に発表したから、もはや世間に提唱されたも同然 ^o^)

そこで今度は、経済的に見てみたい。本当に大仏建立は国家財政を破綻させてしまうのか。

そうでもない可能性がある。それどころか、乾坤一擲の経済刺激策ではなかったか。

世の中が乱れる中、巨大プロジェクトを立ち上げ、そこに国の力を集中させることによって国民意識の興隆と人心の一体感を醸成する。そして大土木工事を展開するのだから、多くの雇用が行われ、生産活動が活発になる。直接的には林業や鉱業、工業、建築などの公共事業だが、さらに経済効果は全体に広まるだろう。雇用には賃金が支払われるから、庶民も金回りがよくなったはずだ。当時の平城京には、泡銭を稼いだ労働者が、夜な夜な宴会を繰り広げて、バブルを謳歌したのかもしれない。

問題は、その資金。全部国が出すのなら、大増税するしかない(当時は国債もなかったし)。だが、実は大仏建立には、一般からの寄付が相当量占めたのだ。その旗振り役が行基上人の勧進である。国民が競って金品を寄付したのだ。とくに貴族は、寄付することが自らのステータスになるから、こぞって出す。なんたって名目が「大仏」であり仏教である。宗教は今もそうだが、寄進することが重要な役割だから、喜んで出す。その点が税金と違うのだ。

いわば民活(民間活力導入)である。税金をばらまくのとは一味違う。
また強制労働でもなく、みんな喜んで働いたのである。

文句が出ないどころか喜んで出された金を集め、大仏というシンボルを作ることで経済を活性化し、人心まで掌握する。なかなか優れた政策ではないか。もちろん綱渡りであり、そうした金回りの良さはやがてバブル景気に膨れ上がり、対策を誤るとバブルは崩壊して破綻するのだが。
う~ん、聖武天皇は大博打を打ったのかもしれない。それに乗った行基、お主も悪よのお~。

こうした経済効果面を強調して、ホワイト・ツーリズムを創始するか?

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

>こうした経済効果面を強調して

となれば、やっぱりエコツーリズム(エコノミー・ツーリズム)ではないでしょうか。

うまい! 座布団1枚……いや、せんとくんシール一枚!

こうしたエコツリーリズムもありかも。
「大仏から見た日本経済入門」とか「大仏に教わる日本経済復活の秘策」なんて本書いたらヒットするかな。

おお、せんとくんゲットだぜー。(息子が小さかった頃、ポケモンでそういう台詞をやっていたけど、今でもあるのかな?)

先日西荻窪の友人宅に行ったところ、駅周辺にせんとくんの作者による地蔵がいくつか配置されていて、講演会もやっとりました。

ところで、「大仏から見た日本経済入門」とか「大仏に教わる日本経済復活の秘策」、いけるのではないでしょうか。ぜひブラックツーリズムも盛り込んで下さい。

民活導入で活況を呈する首都、その陰で水銀汚染に苦しむ首都住民、森林荒廃に悩む近郊山村、20世紀だか8世紀だかわかりませんね。

こんな比較は好きではないのですが、何かと平城遷都時代と現代は、背景が似ている気がします。
いっそ、また遷都したら?

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