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2010/04/28

誰に向けて発信するか

以前の森林林業活性化プランナー研修では「広告・広報論」の講義を行ったが、その要諦は、誰に向けて発信するか、だった。

メーカーの立場で商品を広告するコピーに作る場合、同じ商品であってもエンドユーザー向けか、販売店向けか、施工者(設置する作業者)向けか、はたまた発注者か……。それによって、まったく内容が変わる。エンドユーザーには、「これがあなたの役に立つ」ことを示し、販売店ならば「こうした消費者に売ってくれ」「この機能を強調してくれ」と訴える。

その対象を間違えると、まったく効果が出ない。いかなる出来のよい商品であろうと、本当に必要な人のところには届かず、役に立たなくなる恐れがある。それは広告だけでなく、商品開発そのものでも重要なポイントだ。

誰が、何のために、使うか。

最悪であり、もっとも多い間違いは、発注者向け。直接仕事をくれた人はもっともわかりやすいから、つい発注者を喜ばせることを考えがちだ。効果も出やすい。目の前の発注者が喜んでくれたら「良い仕事したなあ」と安心しがちだ。しかし、もっとも危険な選択でもあるのだ。

たいていの公共事業がこの陥穽に陥る。
広告するにしても、商品の価値よりも、それを発注してくれる役人(行政)・政治家をヨイショする内容になる。たとえば橋とか道路でも、それを使うエンドユーザーの利便よりも、作ったことを誇りたい人向けにデザインを含めて施工する。必要ないのに、幅広で立派にするとか。あるいは金を浮かせるために安普請にするか。(浮かした金がどこに行くか知らんけど。)

結果として、無駄が出るうえ、何の効果もなかったりする。

で、本題だが(^^;)、今書こうとしている原稿で悩んでいる。原稿も商品なのである。誰が、何のために、読むのか。

今回は、里山に関する考察ではあるが、何を書くべきか。

里山には二面性がある。自然と人の営みだ。どちらに力点を置くべきか悩んでしまった。棚田や雑木林といった自然の保全か、あるいは集落の維持か
限界集落の周り広がる里山を保全すると行った場合、どちらが求められるのか。人がいなくなっても里山の生態系や景観を守れるようなシステムを提案する? それとも、景観など二の次として集落を維持するための施策を考えるべきか。いやいや、国土のあり方として山里と自然に対する視点を提供すべきか。

こういう時は原点に帰り、依頼者、そして読者が求めているものを推測することが重要だ。そこに解答は自ずと見えてくる。

読者は誰だ。依頼者は何を求めて私に原稿を依頼してきたのか。

……わからない(泣)。  コレコレ(^^;)\(-_-メ;)

私の目論見としては、依頼者の希望を裏切ること。これは私のスタンスであるが、予想されることは書きたくないというあまのじゃく精神から。しかし、その向こうにいる読者が納得するものを示さねばならない。さもないと、原稿の評価は低くなるだけでなく、ボツになりかねない。この裏切りと納得の落差が大きいほどよい。そのギリギリの線を狙う。

それが、まだつかめないんだなあ。

しかし、里山とは、人の営みによって作られ維持されてきた自然である。決して相反することはないはずだ。そのことを肝に銘じて、もう少し悶えよう。

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コメント

里山が人の営みによって作られ維持されてきた自然ならば、そこに人が多い少ないではなく自然相手の営みがなくなれば、里山ではなくなる(里山らしくなくなる)のではないかと思います。


住人が近くの木を斬って作った小川にかかる丸太橋・・・里山度↑
何かの事業で作られちゃった小川にかかる擬木の橋・・・里山度↓


家の周囲に積まれた薪・・・里山度↑
家の周囲に灯油のポリタンクたくさん・・・里山度↓


田畑や山林で(生業や生活維持のため)働いている人・・・里山度↑
荒れた田畑や山林を背景に無関係な人達がたくさん・・・里山度↓


自然を利用した生活臭がないと、里山ではないのかなあと思うところです。

おお、この基準で「里山度」を数値化することができますね。
これで「里山認証制度」とか、「里山検定」を行うというのはどうでしょう? そして里山のお墨付きを与える。この認証団体には、天下りが来そうだなあ。

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