無料ブログはココログ

森と林業の本

« 『生駒山-歴史・文化・自然にふれる-』 | トップページ | ヒノキの枝と内装材 »

2010/04/15

養蜂家に聞く春

養蜂家に会ってきた。

忙しく巣箱の準備をしてきたが、「今年は期待できない」そうだ。ハチミツは、あまり採れそうにないらしい。

すでに2月の暖冬の時期から、春の花は難しいと見ていたという。というのも、暖冬で早く花が咲いた場合、あまり蜜は溜めていないのである。だから、ミツバチもあまり蜜を集められない。またミツバチ自体も、まだ数を増やしていない時期に花が咲くことになる。

そして、この4月の寒波。ミツバチも飛べないだろう。場合によっては死滅する恐れもある。多少の寒さは、自ら運動して発熱するのだが、限度を越えるとコバチの養育を放棄してしまう。

ミツバチ(など昆虫)が飛ばなければ、ポリネーション(交配)も少なくなる。今年の夏の実りは、危ないかもしれない。何も農作物だけでなく、野の花も同じだ。実がならなければ来年以降はどうなるか。とくに草本は。生態系が狂いかねない。

ところで、もう一つ話題に出たのが、「巣箱泥棒」。最近、2箱やられたらしい。

どうやら素人養蜂家が狙うらしい。定年退職したような人が、養蜂に興味を持って、巣箱ごと盗むというのだからたちが悪い。ただ、ときとして同業者がごっそり何十箱も根こそぎ持っていくこともあるというから怖い。仁義なき戦いなのである。

養蜂でもっとも大変なのは、ミツバチの数を増やす晩秋から早春にかけて。この時期をすぎた今の巣箱を盗むのは、まったくあくどい。

日本に出回っているハチミツの98%は外国産だ。国産ハチミツは貴重なのだが、今年は味わえるだろうか。

« 『生駒山-歴史・文化・自然にふれる-』 | トップページ | ヒノキの枝と内装材 »

生駒山中・身近な自然」カテゴリの記事

コメント

生駒ではニホンミツバチは生息していませんか?
私は京都の田舎に住んでいますが、巣箱はいたるところで見かけます。
おそらくこれは、田舎にとっては貴重な資源なのでしょう。しかしながら熊が巣箱を狙って里まで下りてくるのも事実です。

もちろんニホンミツバチもいますよ。
この養蜂家の巣箱にも、ニホンミツバチが巣を作ってしまったことがあって、その蜜を特別に分けてもらいました。ただ量がものすごく少ない。味は好みによるとして、花はいろいろ混ざる(セイヨウミツバチは、花ごとに集める)ので百花蜜と言いますね。
趣味で養蜂やる人は、こちらで十分。セイヨウミツバチの巣箱を盗んだらあきまへん。

初めまして…何気に蜂に関するブログから田中さんのページに引かれてきました。私は、佐世保に住んでいます。今佐世保では、日本ミツバチを救う会として「ミツバチ助け隊」を立ち上げ活動をしている団体が有ります。現時点で、ミツバチ以外…例えば、虫を食べる小鳥や蛙等が見当たらなくなっているとの情報も出ています。これらの原因が農薬ではないか(品名の確定も出来ています)と言われているのですが、森に関しては どうですか?やはり、虫や、小動物等に異変が起こっていませんか?

最近、ミツバチ盗難のニュースが新聞やテレビで多く取り上げられていますねえ。このブログ読んだんじゃないかと思ってしまう(笑)。

さて、森の昆虫・小動物に関してですが、とくに減っているとは聞きませんね。むしろ害虫が増えて枯れる木が増えている。とくにナラ枯れなど。もっとも、農地と違ってそんな調査をしている人は、非常に少ないのでわからないのです。

農薬といえばニコチノイドが注目されていますが、農薬はなんであれミツバチに影響を与えます。問題は散布の仕方ですね。あまりに野放図に散布している。

ありがとうございます。
自然環境の問題は、これからの課題ですね…大きな事は出来ないけど、身の回りの小さな事から始めて行こうと思います。突然の書き込みにも快く答えて頂いて、嬉しかったです。

はじめまして、鹿児島で和蜂の飼育をしています。
まだ四年目ですが、今年は四月の寒波も異常でしたがこちら鹿児島市では山の木があちこちで立ち枯れをし始めています。
まだきずいていない人が多いようですが樫の木等の広葉樹林に立ち枯れしている樹木が年々多くなってきています。
蜜蜂もことしは居つきが悪く次々と逃去と入居を繰り返しています。
これでは採蜜は無理なようです。立ち枯れと因果関係はないとしても考え込んでしまいます。

なら枯れは、全国的に問題になっています。とくに昨日は、各局のローカルニュースで、一斉に京都のなら枯れ問題を取り上げたのにびっくり。

養蜂と直接関係はなくても、なら類が枯れたら、雑木林は大きなダメージでしょう。

全国的には楢枯れがあるのですね。知りませんでした。
今日の朝刊に県内のあちこちに、かしの木きくい虫、と言う害虫が悪さをしているとのニュースが掲載されていました。
自然には長い周期でこのような事が有り、人間が手を加えなくともそれぞれに対抗する抗体を身につけるのではと思っています。
なにかがおかしいと思うと全てが温暖化のせいにしてしまいそうですが、自然には人の知り得ない自然の法則が百年二百年と長い周期で繰り返されているのかもしれないと…小さな山を見つめてふと思う事があります。
これからも時どきお邪魔させていただきますが宜しくおねがいします。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 養蜂家に聞く春:

« 『生駒山-歴史・文化・自然にふれる-』 | トップページ | ヒノキの枝と内装材 »

January 2025
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

森と筆者の関連リンク先