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2010/05/08

草食系林業

今日は、1日中テンションの上がらない日だった。

天候はまずまず、やりたいこともあるし、やるべき仕事もあるのだけど、どうも気分が盛り上がらない。

まあ、こんな日もあるだろう。

そもそも、と考える。人は、そんなに頑張って生きなければならないのか。
のんべんだらりと過ごしてはいけないのか。

近年の田舎暮らしブームも、裏を返すと社会の活力が落ちている証拠かもしれない。田舎暮らしは、自然とともにのんびり暮らすライフスタイルであって、競争社会の反語として捉えられている。
昔は、都会が憧れの地であり、そこで一旗揚げる、出世する、というのが誰もが共有する志向だったのだが、今は「のんびり暮らしたい」という声が増えている。何も定年退職者だけでなく、若い世代の田舎移住者にも、そんな傾向があるとか。

もちろん、田舎暮らしを求める人が、社会の落伍者だというのではない。むしろ、前向きに田舎のライフスタイルを選択するのだ。いわば草食系ライフスタイルとしての田舎暮らし

山仕事を求める若者の中には、「穏やかな山の暮らし」を求めて林業に職を求めたのに、勤めた森林組合や林業会社が「生産性アップ」を求めることに失望するケースがあるそうだ。また重機を多用する山仕事も、イメージと違うと感じる。山仕事なのに、山の土を踏むことがない。全天候型の高性能林業機械の中で、風雨も寒暖も感じないですむ。極端に言えばそんな仕事ぶりだ。しかし彼らは、自然を感じて過ごしたい。機械音の聞こえない場所で働きたいのである。だから、長続きしない……。

ところが林業は変わりつつある。政治の面でも、機械化林業と路面拡充によるシステマティックな林業への衣替えが始まった。

民主党政権の森林林業再生プランの唱えるのは、ドイツやオーストリアをモデルにした肉食系林業だ。コストダウンと生産性アップにより、いかに利益を出すか。しかし、その方向性は規模拡大につながり、従事者の動きもシステマティックな無駄のなさが求められている。
常に課題を自らに課して、向上していく意識が必要だ。そのためには競争もある。経済的な欲も刺激される。

だが、日本の林業経営の6割が10ヘクタール以下で、18万戸にも及ぶ。それぞれ林齢が違い、これまでの育林履歴も違うことが多い。林地だけを集約化しても、実際の施業は均一化できず、結果的に生産性もあまり上がらない地域も多かろう。

そして所有者の家庭事情も思いも千差万別。林業では食っていけないゆえに本業を別に持っており、経営的体力も、森林へ向ける目も違う。そのほとんどは、山で十分な利益を上げることを諦めている、いわば草食系林業。

草食系林業に草食系の日本人。そこに肉食を勧めても、みんな食いついてこないのではないか。むしろ、草食でも生きて行ける林業を考えるべきではないか。

自分のテンションが下がると、そんなことを考えてしまった。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

それなら、半林半Xなんてのはいかが?(半農半Xのパクリで)

まだまだ機械化出来ない造林(特に下刈り枝打ち)は、低所得林業系フリーター増産で対応になるのかな?(季節労働者?)

ずっとテンションが高いと、それはそれで身体に悪そうなので、盛り上がらない日も必要ですよね。
明日ぐらいにはぐわっと上がっているのでは?


ところで、林業は農業に比べて、収穫まではとても長いですが、従事している方のテンションが高くなるのは、やはり収穫時期なんでしょうかね?

草食系林業、立派な道ではないですか。文章全体に漂う「草食系はイケナイ」感は不要だと思います。

草食系林業は、新自由主義への非暴力抵抗です。林業よりも森(cf.宇根氏の「農と農業は違う」)を育てて、森の恵み(越境タケノコを含む)を味わおうではありませんか。

(田中さんに対抗して、ちょっとテンションを上げ気味に書いてみました。)

連発でごめんなさい。

>山で十分な利益を上げることを諦めている、いわば草食系林業。

非暴力主義者は、利益を諦めているのではなくて、超越しているのです。

なお、田中さんのテンションが下がっているのはタケ中の禁断症状なのではないでしょうか。

明日は東京、テンション上げますよ、女子大生いるし(笑)。

ともあれ草食系であろうと、その森林を経営し、食って行ける程度に利益を上げないといけない。
ドカンと儲からないけど、そこそこ儲かる。そうした林業形態を模索します。

山の仕事は好きです。
測量で山に入ることは数え切れないですが
落ち着きます。

現況測量、境界測量とかするのですがやはり
人の目が無いのと静かなのはいい。

逆に蛇とか虫は苦手ですが。

ちょっと大げさに書いてみたものの、

>ドカンと儲からないけど、そこそこ儲かる。

という道から遠く離れて一向に構わない筋金入りの非暴力抵抗主義者もいれば、「若い頃から苦労ばかりしたから、死ぬ前に取り返す」とヤケになって土地ごと売却という感じの林業家もいます。やっぱり一般的にはそこそこの儲けが必要なんでしょうね。

多くを共感しました。
山に居られればけっこう落ち着く人 に取れば
収益よりもより良い生き方になる事もあります。・・私かもしれません。
これまでの利益の回し方はかなりのマイナスを引き起こしていて今はリカバリーさせられている状況のように感じています。
ただ、山で生きて産み出しても中抜きが多すぎると痛みが正直さんにもろに流れ込んでしまうのが。
補助金食いの大食らいなお荷物の役立たずだけはなんとかしないと。
まずは破綻からゼロベース見直し希望。

「草食系林業」という思いつきの言葉に多くの皆さんが反応していただきありがとうございます。

私も、言葉はともかく現状の肉食系林業への違和感をずっと温めてきたので、何らかの論考を行いたいと思っています。どこぞの政党の選挙フレーズではないけれど、「生活が一番」なのであって、産業再生は目的ではなく手段です。

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